乗りものや移動の世界をもっと楽しく、便利にすることで、より多くの人に感動を届けたいーーそれがヤマハの成長戦略のひとつに据えられている「ひろがるモビリティの世界」というビジョン。このビジョンを実現するために、ヤマハはユニークな発想と技術で、今までにないカタチや価値を持つモビリティを提案し続けている。「YNF-01」は、そんなヤマハのチャレンジングな姿勢が色濃く現れた低速モビリティのコンセプトモデル。YNFとはYamaha Next Fieldの略で、「これまでにない新たな領域の新たなモビリティを、まだヤマハを知らない未知のユーザーに広げたい」そして「乗る人にも新たな領域で新たな感動を体験してほしい」ーーそんな思いがこのネーミングに込められている。
YNF-01は、これまでの低速モビリティにはなかったワクワク・ドキドキする遊びの要素を取り入れることで、ユーザーの枠を超えて誰もが楽しめる移動手段として開発されている。年齢・性別・健常者・障害者などの区別なく、あらゆる人が使ってみたくなるモビリティ。そんな移動手段があれば、みんなが同じ乗りものに乗って移動を楽しむことができるはずーー。YNF-01が目指すのはそんな差別意識のないボーダレスな社会の実現だ。
未知のフィールドを予感させるYNF-01のスタイリング。これは「道は全てオフロード」というデザインコンセプトそのものを表現している。オフロードというと、一般的に山の中の林道のような未舗装路や、岩が転がる荒野などを想像してしまいがちだ。とは言え街中に目を向けると、歩道と車道の間のわずかな段差、踏切の凸凹、アスファルトの穴やヒビなど、たとえ街中の舗装路でも不便に感じる場所は広がっている。「これらの状況は、じつはオフロードに等しいのではないだろうかーー。」そう感じたデザイナーは「道は全てオフロード」をデザインコンセプトに掲げ、YNF-01をユーザーの可能性を広げるオールラウンダーモビリティとして開発することを目標とした。特徴的な大径タイヤと走破性を高めるサスペンションを備えた、「これならどこへでも行ける」という気にさせてくれるタフな造形。そしてヤマハがROV・ATV・スノーモービルなどで培ってきた、高い走破性。これらが融合したYNF-01は、まさに街中からアウトドアまで様々なフィールドへとユーザーを誘う、ヤマハらしい低速モビリティとして完成したのだ。
オフロードテイストが強くアクティブな佇まいのYNF-01は、見ている者を思わず乗って出かけたくなるような前向きな気持ちにしてくれるだけではない。「いつもより遠くへ行きたい」「まだ行ったことのない場所へ行きたい」ーーそんな冒険心さえくすぐってくれるのだ。それはYNF-01が、ユーザーと築き上げる関係性まで見据えてデザインされているから。乗り手が腰かけるのは、腰回りまでしっかりサポートしてくれるバケットシート。そこを包み込むようにフレームが取り囲むことで、まるで守られているような安心感を乗り手に与えてくれる。座面の形状や材質、そして乗り手の視界まで考慮したデザインを施すことでYNF-01と乗り手の間には強い信頼関係が生まれ、やがて未知の場所へと出かける勇気をもたらしてくれるのだ。
時として、人は外出や冒険が難しくなってしまうことがある。さまざまな理由で身体機能が衰えたときや、体に障害を抱えたとき。あるいは”そう見られたくない”と思うことも、人から出かける気力を奪ってしまう。そんなとき信頼のおけるモビリティの存在は、ユーザーのモチベーションを高め、外の世界へと優しく背中を押してくれるはずだ。人間の感覚や感情にとことん寄り添ったものづくり。YNF-01には、そんなヤマハデザインの流儀が強く反映されている。
YNF-01は、未来社会における低速モビリティの新たな進化の方向性を提案している。このモデルでは、コンセプト通り街中からアウトドアまであらゆるシーンを想定した、高い走破性が追求されている。また冒険心をかきたてるタフで安定感のある造形は、年齢や性別を問わず幅広い層が乗ることそのものを楽しめるよう、趣味性の高いデザインにまとめられた。
またYNF-01は、ユーザーの属性を問わず誰にでも扱いやすい操作性も追求されている。これはターゲット層の幅広さだけでなく、レジャー用途のレンタルから地域のシェアリングなど社会性の高い用途まで、将来的に予想される様々な利用形態を見据えたものだ。現在の交通問題に目を向けると、高齢者の免許返納や地方の厳しい交通事情など、低速モビリティが解決の一端となりうる社会課題は多い。しかしヤマハはYNF-01というイノベーティブでより普遍的なユーザーに向けた低速モビリティを創造することで、その問題解決に留まらない「感動体験」や「冒険」という新しい価値を提供しているのである。
トップページ デザイン トップページ