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さらなる高みを目指すためのMBSE

モデルベースのシステムエンジニアリング

昨今の自動車業界は「100年に1度の大変革時代」と言われ、環境に配慮した規制強化に適応することはもちろん、CASE※1と呼ばれる自動車の新しい使い方・使われ方を実現するための基盤作りも視野に入れたビジネス展開がなされています。そして、SDGs※2のような社会の共通課題の解決に向けた取り組みが企業にも求められています。

※1 CASE : Connected, Autonomous, Shared & Service, Electric
※2 SDGs : Sustainable Development Goals

ヤマハ発動機ではこのような多くの要求に対応しながらも、魅力的な製品を提供し続けるために、より複雑な製品を効率的に開発するための「技と術」としてMBSE(Model Based Systems Engineering:モデルに基づいたシステムズエンジニアリングの略)の考え方を開発に取り入れています。

システムズエンジニアリングとは?

「製品」を「複数のサブシステムによって構成されているシステム」と捉え、それらに求められる機能や関係性を明確にしていく技術的アプローチがシステムズエンジニアリング(以下SE)であり、V字モデル(図表1)を用いて説明されることが一般的です。

(図表1)システムズエンジニアリングの概念を示したV字モデルの例

主なアプローチとしては「全体俯瞰」と「段階的詳細化」があり、よりシンプルな粗いシステムから細かいサブシステムへと段階的に考えながら、各段階における「R(要求)」「F(機能)」「L(論理)」「P(物理設計)」を明らかにしていくものです。製品への多くの要求を順に紐解きながら、「サブシステム」「コンポーネント」へと的確に分配していくことで、複雑なシステムを合理的に実現させることができます。

モデルとは?

MBSEでいう「モデル」は、主に「システムモデル」(図表2)と呼ばれるものであり、SEを実施する過程で明らかにした情報(要求・機能・論理・部品・部品間の関係性など)をデータとして紐付けて記録、また、それらを図的に整理して示すことができるものを指します。このシステムモデルを活用することで、分野が異なる開発担当者の間での円滑な情報の受け渡しが可能になる、要求や機能の抜けや漏れに気づきやすくする、等の効果が見込めます。代表的なものとしてはSysML(Systems Modeling Language)という共通言語があります。

こうしたMBSEの考え方を取り入れることによって、より一層価値ある製品を提供できるよう、ヤマハ発動機はさらなる技術の高みをめざしています。

(図表2)システムモデルの例
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