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黒山健一、電動トライアルバイク「TY-E 2.1」でTrial2世界選手権に参戦
2日目は日本人過去最高位の4位を獲得!

2023年5月25日

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 「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の#2黒山健一は今シーズンからただ一人の電動トライアルバイク「TY-E 2.1」で全日本選手権の最高峰となる国際A級スーパークラスに参戦した。エンジン車に乗るライバルたちを相手にトップ10入りを目指していた開幕戦は初陣ながら5位と好スタート。続く第2戦は4位に進出、「TY-E 2.1」ともども表彰台に手が届くまでに進化してきている。

 一方、「Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA」の#4野崎史高は今年もエンジン車の「TYS250Fi」で参戦。第1戦の3位表彰台から、第2戦は5位となった。



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 そして4年ぶりの開催となった、「Herts FIMトライアル世界選手権 第3戦 大成ロテック日本グランプリ」は5月20・21日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで2日間にわたって開催された。競技は1日ごとに決勝が行われ、順位が決められる。最高峰のTrialGPやTrialGPウーマンとともに行われている“登竜門”ともいえるTrial2に、黒山と「TY-E 2.1」はマシンの開発を進めるため参戦した。

 開発のミッションとは別に、チームにはもう一つ思いがあった。昨年、「TY-E 2.0」を開発し、東京モータサイクルショーで大々的に発表。さらに、ヤマハ発動機が電動トライアルバイクを継続して開発していること。そして、その実力を世界に示すべく、満を持して参戦したフランスGPで31位と惨敗していた。このリベンジとしてホームレースとなる日本グランプリでトップ10入りを実現するという目標を立てたのである。



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 こうして迎えたDay 1。黒山と「TY-E 2.1」は、それまで多くのライダーが失敗していた第4セクションのぬかるんだ斜面を上がり岩を越えるポイントを軽々と走破。「エンジン車よりもイイくらいでは?」という声も上がるほどの好調ぶりだった。その後も安定してクリーンを重ねた黒山だったが、減点5となる失敗もあり、好不調の波は大きく1日目の結果は31位を上回ったとはいえ、16位にとどまった。

 前日の金曜日の午後から雨が降っていたが、今シーズンから新しいトライアル世界選手権のレギュレーションにより、前日からマシンを車両保管所に預けなければならずカバーをかけることも手を触れることも許されないため、一晩中雨ざらしになる状態があった。これが原因かは不明であるが、マシンに小さなトラブルが発生。また天気も小雨のち曇りと、ぬかるんだ路面が非常に滑りやすくなり、黒山と「TY-E 2.1」は思うようなライディングをすることが難しい状況だったのだった。



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 だが、Day 2は好天に恵まれた。「路面が乾けば、ヨーロッパ勢がDay 1よりもさらに実力を出してくるだろう」という見方も強かったが… 黒山と「TY-E 2.1」はDay 1の感触からセッティングの変更に踏み切り、これが全日本やテストで積み上げてきた電子制御マップとも噛み合いその実力を発揮。12セクションを2ラップする競技の1ラップ目終了時点で4番手、3番手との差はわずか3点と、表彰台を狙えるポジションだった。

 その2ラップ目は、一時6番手に後退した黒山だったが、最終12のセクションをクリーンで締めるなど、再び追い上げて日本人最高位の4位をゲット。惜しくも表彰台には届かなかったが、3位とは3点差で射程距離にとらえてのフィニッシュだった。

 結果を見るとDay 1よりも総減点は半減し、1位と2位の減点が18点で同点、3位は1点差の19点。このトップ3に対して黒山は22点と僅差につけた。一方で5位と6位はともに23点と、黒山に対して1点差であったことを考えると、一つのミスで黒山が逆転され5位以下になっていた可能性もあり、大接戦であったことがわかる。同時に、わずかなミスも許されないシビアな戦いであったことが、黒山と「TY-E 2.1」の実力が証明されたとも言える。



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 また、黒山が目指していた「最終セクションまで走り切る」ことはもちろん、15位以内入賞=ポイント獲得(ポイントランキングに入ることができる)をクリアーして、さらにチーム全体の目標であった「トップ10フィニッシュ」をも大きく上回り4位に躍進した。しかも、ベテランの強豪、伸び盛りのヤングライダー、日本のトップライダー、総勢36名がエントリーするTrial2世界選手権での4位。しかも、ただ一人、電動バイクによる参戦であったことも、「TY-E 2.1」の実力を世界に示すことにもなった。



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 一方の野崎は、2日目こそ21位となったが、1日目に5位に食い込み日本人最高位をゲット。Trial2の前身ともいえる2002年のトライアル世界選手権「ジュニアカップ(20歳以下のクラス)」で日本人初の世界チャンピオンを獲得した実績を持ち、日本人トップライダーでもある野崎がその実力を発揮したと言える。



RACE DATA

■大会名称:大会名称:2023 Herts FIMトライアル世界選手権 第3戦大成ロテック日本グランプリ
■開催日:2023年5月20・21日
■開催地:栃木県・モビリティリゾートもてぎ
■観客:1日目/2,300人、2日目/3,800人
■気温:1日目/24.6度、2日目/26度
■天候:1日目/雨、曇り、2日目/晴れ
■競技:12セクション×2ラップ
■持ち時間:4時間15分


RESULT 1日目

順位 ライダー マシン 総減点
1 F・Garcia Sherco 36
2 P・Jack Sherco 44
3 S・Jambrina Montesa 50
4 G・Billy Scorpa 55
5 野崎史高 Yamaha 61
6 C・Martos Sherco 62
16 黒山健一 Yamaha 73


RESULT 2日目

順位 ライダー マシン 総減点
1 F・Garcia Sherco 18
2 G・Billy Scorpa 18
3 P・Jack Sherco 19
4 黒山健一 Yamaha 22
5 D・Hugo GASGAS 23
6 T・Jianluca Sherco 23
21 野崎史高 Yamaha 55


COMMENT



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YAMAHA FACTORY RACING TEAM

黒山健一選手談(16/6位)

「日本グランプリ、無事に二日間を終えました。そして2日目は、なんと4位に入ることができました、最高です。今回、出場するにあたって3つの目標があり、1つ目は最終セクションまでちゃんと走ること、2つ目はポイント獲得、そして、できれば10位以内に入りたいというものです。それを3つともクリアーしたどころか、10位以内を大きく上回る4位という高順位に入れたので僕としては最高の日本大会になりました。全日本選手権第3戦の関東大会がまたここでありますので、しっかり頑張って良い成績を出したいと思います」



佐藤美之監督談

「目標として“一桁順位”を狙っていましたが、それを見事に達成する4位と5位を獲得でき、監督としても非常にうれしく思います。しかも日本人最高位であり、かつヤマハ発動機の電動車(4位)とエンジン車(5位)の両方でこの順位を獲得できたことは、黒山選手と野崎選手、そしてチームスタッフが一丸となって当社トライアルマシンの性能を引き出した結果です。また応援してくれた日本のファンの皆さまや、スポンサー、プライヤーの皆さまも含め、すべての方にお礼を言いたいと思います。ありがとうございました。ただ、黒山選手は初日、野崎選手は2日目に、天候によると思われるトラブルが出てしまいました。これはライダーに対して申し訳なかったと反省し、今後、改善に向け対処したいと思います」



Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA

野崎史高選手談(5/21位)

「1日目は5位に入ることができ、2日目さらに上位を狙えるかなと思っていました。2日目は乗れてない部分と乗れている部分がありましたが、2ラップ目に入ってすぐにちょっとマシントラブルがおきてしまい、そこからペースがつかめないまま試合を終える形になりました。結果としては残念ですが、このトラブルも今後に生かして良い状態で臨めるようにして、次の全日本に期待していただければと思います」

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