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レースに関連する広報発表資料をご覧いただけます。

「若手育成」を目指したbLU cRU活動 ジェイ選手も実践するトレーニングプログラムを使った走行会を開催

2022年8月25日

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 ヤマハ発動機は2022年、オーストラリアとニュージーランドのモトクロスやスーパークロスで活躍するジェイ・ウィルソン選手を、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」に迎えました。その目的は当社のレース活動の基本方針、「ブランド価値の向上」、「市販車への技術フィードバック」、「モーターサイクルレースの健全なる普及」を、日本のモトクロス活動の中で力強く推進するためです。



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 具体的には、先進技術となる「EPS(エレクトリック・パワー・ステアリング)」の開発やIA1で戦うファクトリーライダーのサポートを行っていますが、全日本に参戦する若手ヤマハライダーの育成もジェイ選手にとっての重要なミッションの一つとしています。基本的には全日本選手権のIA2に参戦することで、若手ライダーたちに刺激を与え、ライディング技術をはじめ様々なことを学び取ってもらいますが、レースだけでは伝えきれない技術や取り組み方を伝える機会を「bLU cRU活動」として計画。今年の6月に全日本参戦ライダーを対象としたライディングスクールをスポーツランドSUGO(宮城県)で開催しました。



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 そして、8月9-10日、シーズン後半、最初のレースとして9月10-11日に行われる全日本選手権の第4戦近畿大会をターゲットに、若手ライダーを対象とした走行会を、大会の会場となる名阪スポーツランド(奈良県)で開催しました。今回の内容は、国際A・B級ライダーのみを対象としてレースを想定したトレーニングプログラムとし、ジェイ選手が講師を務め、チームメイトの富田俊樹選手がサポート役として参加しました。



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 ジェイ選手はこのプログラムについて、「日本で若手育成を行っていく中で、どうして伝えたかったインターバルトレーニングです。継続して行うことで、体力の向上、スピードアップをはじめとして限界値を上げることを目指したものです。これは私が考えたものではなく、新しいものでもありませんが、ジョシュ・コピンズさん(モトクロス世界選手権の最高峰クラスでランキング2位を獲得するなど活躍)が考案し、彼と一緒に長い間使ってきて、私を含め、多くのライダーが成功を収めてきたプログラム」と言います。



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 簡潔に言えば、インターバルトレーニングですが、今回は周回数が異なる3つのセッションを用意しました。まず100%の力でタイムアタックを行い、そのタイムをキープしたまま6ラップを走行し、5分間の休憩を挟んで6ラップ、さらに5分間休んで6ラップを走るという内容。この後、長めの休憩をとり、今度はベストタイムをキープしたまま15分間走り、5分休憩して再び15分間走ります。そして再び長い休憩をはさみ、最後はベストタイムを維持したまま、1周→2周→3周→3周→2周→1周、計12周(各走行後は1周のスロー走行をはさむ)を走る「ピラミット」というプログラムを実施しました。



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 「30分間のヒート練習では100%で走り続けることはなかなかできませんが、短い休憩を挟みながら繰り返すことで、結果的にはトータルで30分間、100%で走ることになります。当然、とても高い負荷がかかるため最初はペースをキープし続けることは難しいのですが、継続して追い込んでいくことができれば、レースになった時に余裕をもって速いスピードで走り続けることに繋がります。まずは継続して続けること、トレーニングを行う際は、必ず毎周タイムを把握し設定したタイムで走り続けることができているかを確認することが重要です(ジェイ選手)」



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 夏真っ盛りの8月上旬。さらにインターバルが短いこともあり、ライダーたちはクタクタになりながらフルメニューをこなしました。多くのライダーがセッションの後半になるとタイムを落としていきましたが、ジェイ選手は最終ラップにベストタイムを出し、お手本として強さを発揮するなど、その姿でライダーたちを引っ張りました。



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 トレーニング終了後には、ディスカッションの時間を設け、ライディングフォームや技術、練習方法などについてジェイ選手にアドバイスをもらいました。参加したライダーは皆、今回のトレーニングを続けていくと話していますが、次回、名阪スポーツランドでの近畿大会でその成果が現れることが期待されます。



鳥谷部晃太選手:IA2

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「今回はネイションズに向けてYZ450Fで走っていたため、バイク自体に慣れていなかったこともありますが、6周ながらも3本続けて100%でこなすのはとても厳しいものがありました。しかしライバルがいて、先輩がいて、ジェイ選手がいて… 逃げることができない環境があり、限界まで踏み込んで走ることができ、とても良いトレーニングになりました。今回に限らず常にこの意識を持って、練習に取り組みたいと思いますし、ネイションズの日本代表にも選んでもらえたので、それに向けてもしっかりと準備したいと思います」



中島漱也選手:IA2

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「個人的にジェイ選手に練習メニューを教えてもらっていたので、今回のプログラムは普段から取り入れてやってきました。それまでは30分のヒート練習が多かったのですが、15〜20分をすぎると疲れが出てタイムは落ちて、結果的には全力で走っている時間は短くなっていました。しかし、このプログラムは少し休憩を入れることで、トータルではレースに近い時間を、全力で走ることができるため、いろいろな力がつくのだと思います。今日は普段よりもさらに休憩が短くとてもきつかったですが、追い込んでいる実感があったので、この感覚を忘れずに、次の名阪に向けてしっかりと取り組んでいきます」



田中淳也選手:IA2

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「前回は基礎練習が中心で、そこで教えてもらったことを意識しながら走りましたが、かなりしんどかったですね。今回はさらに、ジェイ選手や中島選手、鳥谷部選手という同じクラスのライダーと一緒に走る環境でもあったため、タイムを意識してレース感覚で走ることもでき、いつも以上に質の高い走りで、自分を追い込めたのは間違いありません。ただ後半になると明らかにタイムが落ちているので、すぐに改善できることではありませんが、このトレーニングを継続していくことが大切だと思っています」



齋藤銀汰選手:IBオープン

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「普段から中島選手とトレーニングすることがありますが、中島選手に教えてもらって、これに近いトレーニングはしていきました。しかし、自分がやっているものと比べて走る時間は長く、休憩時間は短かったため、とてもハードに感じました。また、ジェイ選手に直接、フォームのことや1週間の練習スケジュールなどについて話す機会もあり、とても参考になりました。ただやはり日頃から自分を限界まで追い込むことができるかが大切であり、それをしっかりと意識して、今後もこのトレーニングを取り組んでいきたいと思います」



富田俊樹選手:IA1

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「僕も実践するトレーニングであり、海外のライダーや日本のトップライダーも行っています。今回参加しているライダーの多くも経験していることと思いますが、ハードに感じたのは周回数の長さと休憩時間の短さで、自分にとってもとても刺激的な練習になりました。特に若手ライダーたちにとっては、ジェイ選手が真剣に取り組む姿勢に触発され、きつい中でも最後まで食らいついていたので、とても良い練習になったと思います。あとは各個人が今後、どこまで追い込んで続けていくことができるかにかかってきます。私も含めて名阪に向け、しっかりと追い込んでいきたいと思いますので、ヤマハライダーにぜひご期待ください!」

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