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「TYS250Fi」で日本GP3年目を迎えた黒山が、Day1・Day2ともに全日本勢最上と健闘

2019年6月14日

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「TYS250Fi」で3年目の世界挑戦

 今年も、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの黒山健一とTeam FwO with YAMALUBEの野崎史高が、トライアル世界選手権、第2戦「ストライダー日本グランプリ」に挑んだ。ファクトリーマシン「TYS250Fi」を駆り、全日本トライアル選手権に参戦中の黒山は、今季開幕戦で2位になると第2戦では優勝し、現在ランキングトップに立っている。一方、昨年から「TYS250Fi」に乗る野崎は開幕戦で優勝、第2戦は3位で現在ランキング2位。全日本トップライダーの2人が、好調のままに世界最高峰のトライアルGPクラスでトップライダーにチャレンジした。

 黒山はかつて世界選手権にフル参戦しており、1997年には日本人として初の優勝に輝き、当時の日本人最上位記録となるランキング3位を獲得。翌1998年もランキング3位に名を連ねた。しかしその後、インドアの大会で両手首骨折という大怪我に見舞われてしまう。だがその後、見事に復活を遂げ、2006年から全日本に専念し、2012年には全勝優勝で通算11度目の全日本チャンピオンを獲得し金字塔を打ち立てた。

 野崎も同様に世界選手権フル参戦の経験を持っているが、中でも最大の戦果は、2002年に20歳以下の選手を対象とするトライアル世界ジュニアカップでチャンピオンを獲得したことだろう。これはトライアル競技において日本人では初となる世界チャンピオンであった。そして野崎も主戦場を世界から全日本に移し、今なおトップライダーに君臨し続けている。

 さて、日本グランプリにおける過去2年の結果を見ると、まず野崎が2017年は13/18位、2018年が15/14位。黒山が2017年は11/10位、2018年は、2日目こそ15位だったが、初日に9位とトップ10に食い込む活躍を見せ、全日本のレベルの高さを証明してきた。

予選:黒山12番手、野崎は13番手

 黒山と野崎はまず6月7日(金)に予選に臨んだ。この予選は、6月8日(土)の決勝スタート順を決めるもので、1つのセクションを用い、減点の少なさと走行タイムの速さ(同点の場合はより速いものが上位となる)で順位がつき、最下位の者から順にスタートしていくこととなる。なお、決勝2日目のスタート順は、8日決勝の下位からスタートする。

 今大会には、全日本勢の黒山、野崎、小川友幸(ホンダ)の3人を含む15人がエントリーしたが、予選の結果は黒山が12番手、野崎は13番手として、決勝を迎えることとなった。



Day1:黒山が全日本勢で最高の12位を獲得

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 決勝1日目は曇りだが一時雨がぱらつくこともあり、難しい路面コンディションとなった。黒山は午前10時06分に出走。同05分で1分前に出走した野崎とともに、いよいよ世界への挑戦がはじまった。競技は5時間の持ち時間で15セクションを2ラップして争われたが、その1ラップ目、黒山は減点52で8番手と好スタートを切る。これは昨年の世界ランキング4位のトップライダーであるハイメ・ブストをも上回るものだった。

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 ルールに関しては、黒山が走り慣れた全日本と世界選手権は異なっており、世界選手権は「ノーストップ・ルール」が採用され停止は減点5になるという大きな違いがある。そんなハンデも乗り越えて1ラップ8番手の黒山に期待は高まった。しかし、2ラップ目は減点56と1ラップ目よりも減点を増やしてしまい、12位という結果で初日を終えることとなった。

 12位とはいえ、9位のミケル・ジェラベルトとは7点差、10位のジャック・プライスと4点差、11位のブノア・ビンカスとはわずか1点差と、2日目はトップ10入りを十分に狙える位置につけていた。

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 野崎は14位、全日本のライバル小川は15位となり、黒山の12位は全日本勢の中では最上位となった。黒山は「今日は悪天候でしたが、怪我もなく無事に終えることができました。明日は、もう少し上を狙います」と、上位を狙える手応えをつかんでいた。

Day2:またしても黒山が全日本勢トップの13位

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 路面が少し乾いてコンディションが回復した決勝2日目は、2日間というスケジュールに慣れている世界選手権のライダーたちが、いよいよ実力を発揮していった。黒山も、1日目のクリーン数6に対して、2日目は倍以上となる13のクリーンをマーク。黒山が世界選手権の難しいセクションを華麗に走破していく姿は、2日間で1万5,600人となったトライアルファン、そして黒山ファンを大いに沸かせた。

 2日目、野崎はこの日は振るわず15位となったが、黒山は前に立ったダン・ピースと2点差で13位。わずかな差で1日目よりも順位を落とす結果となったとはいえ、世界最高レベルの大会で2日間にわたって全日本ナンバーワンの実力を証明したのだった。


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 表彰式では、今大会2日目が世界選手権参戦200戦目となった黒山が、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)からその功績を讃えられた。また、藤波貴久(ホンダ)、小川ととともに、トライアル・デ・ナシオン(国別対抗戦)に挑む日本代表チームの一員として黒山が選ばれ、その壮行会も行われた。

 こうして世界選手権・日本グランプリを終えた黒山だが、実は黒山にとってはこれが“世界選手権・3連戦”のはじまりでもあった。マシンは4ストローク・Fiエンジンの「TYS250Fi」から、電動トライアルバイク「TY-E」へと大きく変わるが、黒山は今大会の後、6月22-23日に行われるオランダGPと6月29-30日にベルギーGPで行われるトライアル世界選手権のTrial Eクラスに参戦するのだ。昨年は初参戦ながら初優勝を遂げるも、ランキング2位となり世界チャンピオンを逃した黒山だが、その経験と日本GPでの経験も生かして、待望の世界王座の獲得を目指すこととなる。

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RACE DATA

■大会名称:2019 FIM トライアル世界選手権 第2戦 ストライダー 日本グランプリ
■開催日:2019年6月7~9日
■開催地:栃木県・ツインリンクもてぎ
■観客:1日目/7,000人、2日目/8,600人
■気温:1日目/23.6度、2日目/18.7度
■天候:1日目/曇り、2日目/曇り
■競技:15セクション×2ラップ
■持ち時間:5時間


RESULT 1日目

順位 ライダー マシン 総減点
1 T・Bou Honda 48
2 A・Raga TRRS 71
3 藤波貴久 Honda 75
4 J・Dabill Beta 79
5 J・Fajardo GasGas 81
6 F・Kadlec TRRS 93
12 黒山健一 Yamaha 108
14 野崎史高 Yamaha 118

 


RESULT 2日目

順位 ライダー マシン 総減点
1 T・Bou Honda 0
2 A・Raga TRRS 20
3 藤波貴久 Honda 31
4 J・Dabill Beta 37
5 J・Casales Vertigo 38
6 F・Kadlec TRRS 41
13 黒山健一 Yamaha 72
15 野崎史高 Yamaha 86



COMMENT


YAMAHA FACTORY RACING TEAM

黒山健一選手談(12/13位)

「1日目の結果は12位となり、もう少し上をめざしたいと思っていましたが、2日目は13位と一つ順位を下げることとなってしまいました。もう少し成績を出せたなという感覚は正直ありますが、現状の走りであればこの順位が妥当なところだと納得しています。6月の後半は、トライアル世界選手権のTrial Eクラスに参戦してきます。オランダGPとベルギーGPの2戦という短期シリーズですが、しっかりがんばってきますので、応援のほどよろしくお願いします」



木村治男監督談

「年に1度の世界選手権挑戦でしたが、黒山選手も野崎選手もそれぞれ様々な経験ができたようです。黒山選手は電動トライアルバイクによるTrial Eクラスに出場し、野崎選手は全日本選手権の関東大会が待っています。両選手ともに、今回の経験をこれらのレースで生かし、年間の目標を達成できるよう挑戦してくれることを期待しています」




Team FwO with YAMALUBE

野崎史高選手談(14/15位)

「結果だけを見ればまったく満足できるものではありませんでした。しかし、部分的に見るとよい走りができていたし、気持ちを整えてセクションに臨めるなど、よいところも確認できました。また、2週間後に全日本選手権の第3戦関東大会がこのツインリンクもてぎで開催されますが、それに向けてよいコンディションが作れたかなと思います。今回の世界選手権は悔しい結果に終わったので、これを全日本にぶつけて、優勝を狙います」

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