ロレンソが2位、ロッシが3位と好調ぶりをアピール
1ヵ月後に開幕戦を控えたカタールのロサイル・サーキットにおいて、3月1日から3日までの3日間にわたり公式テストが行われた。初日はこの地にめずらしく雨が降り、1ラップを走行しただけで終わったが、2日目以降、フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシ、J・ロレンソともに新しいマシンに慣れるにつれて調子を上げ、最終的にはロレンソが2位、ロッシが3位につけてテストを終了した。
カタールテスト1日目(3月1日)
カタールのロサイル・サーキットは雨に見舞われ、フィアット・ヤマハ・チームのV・ロッシ、J・ロレンソともに1ラップのみの走行。1,800もの照明灯に照らされたコースにふたりは出て行ったが、走行開始後すぐに雨が降り出し、好タイムを望める状況ではなくなった。夜で気温が低いこともあり路面が乾く可能性は低いと判断し、ふたりは走行を中止した。
カタールテスト1日目(3月1日)結果
(気温:17度、路面温度:15度、湿度:70度)
順位 |
ライダー名 |
チーム名 |
マシン |
タイム |
1 |
N・ヘイデン |
Ducati Marlboro Team |
Ducati |
2'00.717 |
2 |
M・メランドリ |
Hayate Racing Team |
Kawasaki |
2'00.867 |
3 |
M・カリオ |
Alice Team |
Ducati |
2'01.020 |
9 |
J・トーズランド |
Monster Yamaha Tech 3 |
Yamaha |
2'03.417 |
11 |
C・エドワーズ |
Monster Yamaha Tech 3 |
Yamaha |
2'03.652 |
13 |
J・ロレンソ |
Fiat Yamaha Team |
Yamaha |
2'24.832 |
14 |
V・ロッシ |
Fiat Yamaha Team |
Yamaha |
12'31.872 |
カタール レコードラップ:C・ストーナー(Ducati) 1'55.153(2008年)
カタール ベストラップ:J・ロレンソ(Yamaha) 1'53.927(2008年) |
カタールテスト2日目(3月2日)
ようやく通常のテスト・プログラムを開始。気温の低さと、強風によるコースの汚れが影響し、ラップレコードのペースには及ばなかったものの、ロッシは安定した走りを続けて2位。ロレンソは新しいブリヂストン・タイヤの感触を確かめながら、徐々に調子を上げて7位につけた。
カタールテスト2日目(3月2日)結果
(気温:17度、路面温度:15度、湿度:40度)
順位 |
ライダー名 |
チーム名 |
マシン |
タイム |
1 |
C・ストーナー |
Ducati Marlboro Team |
Ducati |
1'57.139 |
2 |
V・ロッシ |
Fiat Yamaha Team |
Yamaha |
1'57.747 |
3 |
C・エドワーズ |
Monster Yamaha Tech 3 |
Yamaha |
1'57.817 |
7 |
J・ロレンソ |
Fiat Yamaha Team |
Yamaha |
1'58.400 |
17 |
J・トーズランド |
Monster Yamaha Tech 3 |
Yamaha |
2'00.234 |
カタール レコードラップ:C・ストーナー(Ducati) 1'55.153(2008年)
カタール ベストラップ:J・ロレンソ(Yamaha) 1'53.927(2008年) |
カタールテスト3日目(3月3日)
最終日はロレンソが2位、ロッシが3位を獲得。ロレンソはブリヂストン・タイヤにも慣れて自信をつかみ、ロングラン・テストでも安定した走りを見せた。1分56秒733のタイムでC・ストーナーに続く2位。一方のロッシは、気温の低さによって路面のグリップが低下してくるといくつかの問題に直面したものの、1分56秒972で3位。開幕戦が行われる1ヵ月後には、暖かくなるため、同じ問題は起こらないと思われる。
チームはこの後ヨーロッパへ戻り、3月28日、29日にスペインのヘレスで予定されている最終の公式テストに向けて準備を始める。
カタールテスト3日目(3月3日)結果
(気温:15度、路面温度:14度、湿度:60度)
順位 |
ライダー名 |
チーム名 |
マシン |
タイム |
1 |
C・ストーナー |
Ducati Marlboro Team |
Ducati |
1'55.744 |
2 |
J・ロレンソ |
Fiat Yamaha Team |
Yamaha |
1'56.733 |
3 |
V・ロッシ |
Fiat Yamaha Team |
Yamaha |
1'56.972 |
9 |
C・エドワーズ |
Monster Yamaha Tech 3 |
Yamaha |
1'57.515 |
15 |
J・トーズランド |
Monster Yamaha Tech 3 |
Yamaha |
1'58.786 |
カタール レコードラップ:C・ストーナー(Ducati) 1'55.153(2008年)
カタール ベストラップ:J・ロレンソ(Yamaha) 1'53.927(2008年) |
V・ロッシ選手談(3日目 3位/1分56秒972/75周):
「序盤はとても好調で速く走ることができたが、終盤になってさらに気温が下がるとグリップが落ちてしまったんだ。ロングラン・テストを開始したが、どんどん遅くなっていってしまったので、途中で止めてセッティングのほうに切り替えた。3位は決して悪くないし、ロレンソとの差もわずか。ストーナーはとても速いけれども、開幕戦に向けて良いアイディアがあるし、あと1ヵ月の間に、いくらかは暖かくなってくれると思うので心配はしていない。このコースは僕や僕のマシンとあまり相性が良くないようだけれど、とにかく昨年よりも良い走りをするということが目標。次のヘレス・テストはきっとうまくいくと期待している」
D・ブリビオ、チームマネージャー談:
「電子制御システム関係について、いくつかの点で向上が見られた。それによって加速性能が良くなりタイムも上がったので、今回のテストには非常に満足している。最終日にはセッション終盤で気温が低下してグリップも落ちてきた。しかしこの問題の解決にはこれまでも多くの時間を割いてきたし、今回もたくさんのデータを集めることができたので、このあとそれをしっかりと分析していく。今シーズンからは、1レースにつき1セッション、プラクティスが少なくなるので、テストでのデータが非常に重要になる。これを通して、開幕戦に向けて準備を整えていく」
J・ロレンソ選手談(3日目 2位/1分56秒733/82周):
「最終日は非常に好調だったので、今はとてもハッピーな気分。ロングラン・テストが、とくにうまくいったと思うけれど、今日はそれだけじゃなくて、総合的に大きく前進できたと思う。セッティングを何種類か試して良いものも見つかった。でもそれ以上に僕自身がマシンとタイヤに慣れたことで非常に乗りやすくなった。それで速く走れるようになったんだ。ブリヂストン・タイヤのフィーリングが良くなったのでロングランを通して、良いリズムをキープすることができた。ここまでくるために、多くの人たちが苦労してくれた。そのことを考えると、こうしてひとつの結果を出すことができて本当に良かったと思う。開幕戦が楽しみだ!」
D・ロマニョーリ、チームマネージャー談:
「とても収穫の多いテストになった。セッティングも向上し、ホルヘはコーナー進入に自信を持つことができるようになり、ハイペースをキープできた。同時にブリヂストン・タイヤにも慣れてきて、自分のライディング・スタイルを合わせられるようになった。今回のテストでの成果は、1ヵ月後の開幕戦に向けて大きな助けになってくれるだろう」 |