2021年12月期 連結業績の概要について
2022年2月10日発表
連結業績について
ヤマハ発動機株式会社の当連結会計年度の売上高は1兆8,125億円(前期比3,412億円・23.2%増加)、営業利益は1,823億円(同1,007億円・123.3%増加)、経常利益は1,894億円(同1,017億円・116.0%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,556億円(同1,025億円・193.1%増加)となり過去最高の売上高・利益を達成しました。なお、年間の為替換算レートは米ドル110円(前期比3円の円安)、ユーロ130円(前期比8円の円安)でした。
売上高は、半導体をはじめとした部品供給不足を受けた生産減少や人員不足などの影響を受けたものの、販売台数や販売単価の増加により、増収となりました。営業利益は売上高の増加に加え、リモートワークなどのデジタル活用による固定費率の抑制、為替影響などで、物流費や原材料費高騰の影響を吸収し、大幅な増益となりました。
セグメント別の業績について
【ランドモビリティ】
売上高1兆1,797億円(前期比2,333億円・24.6%増加)、営業利益687億円(同503億円・272.4%増加)となりました。
先進国二輪車では、アウトドア・ファミリーレジャーの活況により、当社の販売台数もすべての地域で前年比増加し、増収・増益となりました。一方で、半導体等の部品不足とコンテナ不足による物流の遅れで市場在庫不足が継続しました。黒字化は未達となりましたが、赤字幅が大幅に縮小しました。
新興国二輪車では、フィリピン、インドネシア、タイなどでは、感染対策と経済活動の両立へ戦略転換したことにより需要が前年比増加しました。当社においては、新型コロナウイルス感染症の再拡大影響による工場・販売店稼働率の低下がありましたが、プレミアムモデルの販売増加によるモデルミックス改善が進み、増収・増益となりました。
RV(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、スノーモビル)では、新型コロナウイルス感染症再拡大の中でも、旺盛なレジャー需要が継続しました。部品供給不足などによる生産遅延の影響はあるものの、Wolverine RMAXシリーズ好調により販売台数が増加した結果、増収・増益となり黒字化を達成しました。
電動アシスト自転車では、通園、通学、通勤における自転車の有用性が見直されていることもあり、日本向けの完成車や欧州向けe-Kitの販売好調が続き、増収・増益となりました。
【マリン】
売上高3,911億円(前期比628億円・19.1%増加)、営業利益768億円(同262億円・51.7%増加)となりました。
船外機では、先進国での大型モデル需要が堅調に推移し、新興国での需要も回復しました。世界的なコンテナ不足による船積み遅れの影響はありますが、生産台数の増加により供給量が改善し、販売台数が増加しました。ウォータービークルでも、部品調達遅れへの対応が進み販売台数が増加しました。その結果、マリン事業全体では、増収・増益となりました。
【ロボティクス】
売上高1,203億円(前期比373億円・44.9%増加)、営業利益176億円(前年同期:営業利益33億円)となりました。
2021年上期では、特にアジア(中国・台湾・韓国含む)で新型コロナウイルス感染症の影響が収まったことで設備投資が活発化しました。下期からは、国内および欧米の販売が好調に推移し、サーフェスマウンター、産業用ロボットの販売台数がともに増加しました。また、ヤマハロボティクスホールディングス株式会社も販売が好調に推移したことや構造改革効果により、黒字転換しました。その結果、増収・増益となりました。
【金融サービス】
売上高486億円(前期比26億円・5.6%増加)、営業利益191億円(同116億円・153.1%増加)となりました。
市場在庫が縮小した結果、卸販売金融債権は減少しましたが、小売ファイナンスの増加や一過性要因としての貸倒引当費用減少により、増収・増益となりました。
【その他】
売上高727億円(前期比53億円・7.8%増加)、営業利益0億円(同17億円・97.6%減少)となりました。
ゴルフカー、汎用エンジンの販売台数が増加し、増収となりました。前年の一過性要因の影響および経費の増加により、営業利益は前期比で減益となりました。
次期連結業績の見通しについて
2021年は、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響はあったものの、各国ロックダウンの解除とともに全てのセグメントにおいて需要が回復しました。2022年も需要が引き続き堅調と予想されるため、さらなる部品調達、生産・出荷を進め、市場在庫を適正な水準に引き上げていきます。
一方、リスクとしては、アルミ、鉄鋼、貴金属など様々な資材価格がこれまでにないレベルで高騰していることに加え、物流費も大幅に上がる予想です。それに対して、コストダウンや生産性向上、さらにプレミアム商品の販売比率を上げることで収益性改善を図るとともに、広告宣伝やイベントなどにおけるデジタルマーケティングを推進することで、経費をコントロールしていきます。
また、足元で続いている半導体などの部品不足が生産に与える影響に関しては、様々な対策により年内で挽回可能と見込んでいます。
連結業績の予想は以下のとおりとします。
売上高 | 2兆円 (当期比 1,875億円・10.3%増加) |
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営業利益 | 1,900億円 (当期比 77億円・4.2%増加) |
経常利益 | 1,900億円 (当期比 6億円・0.3%増加) |
親会社株主に 帰属する 当期純利益 |
1,300億円 (当期比 256億円・16.4%減少) |
為替レートについては、米ドル113円(当期比3円の円安)、ユーロ128円(同2円の円高)を前提としています。
利益配分に関する基本方針および当期・次期の配当
当社は、株主の皆様の利益向上を重要な経営課題と位置付け、企業価値の向上に努めています。
当社は、中間配当と期末配当を行うことを基本としており、配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会としています。中間配当は6月30日、期末配当は12月31日を配当の基準日として定款に定めています。
当期の期末配当は、1株につき65円の実施を2022年3月23日開催予定の第87期定時株主総会に上程させていただく予定です。これにより、中間配当金(1株につき50円)を加えた年間配当金は115円となります。
また、2022年から始まる新中期経営計画では、新しい株主還元方針として、業績の見通しや将来の成長に向けた投資を勘案しつつ、安定的かつ継続的な配当を行います。そして、キャッシュ・フローの規模に応じて機動的な株主還元を実施し、総還元性向は中期経営計画期間累計で40%を目安とします。次期の配当金については、年間115円(中間57.5円、期末57.5円)を予定しています。