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ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。

MotoGP世界選手権
ビニャーレスが全オフィシャルテストで総合トップ、ロッシは総合6番手で開幕へ

2017年3月13日

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3月10日(1日目)
開幕前、最終テストがスタート
2番手のビニャーレスを筆頭にヤマハの4人がトップ10入り

 カタールはロサイル・インターナショナル・サーキットで、開幕に向けた最後のMotoGPオフィシャルテストがスタートした。Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシのふたりは初日、2週間後に迫った同コースでのシーズン開幕戦に備えるため、夕方から夜にかけて走行を繰り返しそれぞれ2番手と7番手を獲得した。
 冬季テストで好調続きのビニャーレスは、開始早々から「YZR-M1」のフィーリングをつかんでセッション終了まで3時間を残し、1分55秒734を記録して暫定トップに立った。その後も精力的に走行を続けたビニャーレスは、テストプログラムをこなしながら貴重なデータを収集。とくにロサイルで重要となるタイヤの消耗と燃費を重視しながら、決勝用セッティングに取り組み、49ラップ目には1分55秒179へ更新し、トップに0.360秒差に迫る2番手で初日を終了した。
 チームメイトのロッシもまた、カタールの照明のもとで効果的なテストを行った。現地時間午後6時まで待ってからコースインし、合計48ラップを走行。そのなかで荷重配分を変更するなどさまざまなオプションを試した。「YZR-M1」のフロントのフィーリング向上を最大の目標としていたが、同時にコンスタントにラップタイムを更新し、マシン全体のフィーリングも上がっていった。最終的には1分55秒679のタイムで7番手。トップとの差は0.860秒だった。

 Monster Yamaha Tech 3のジョナス・フォルガーとヨハン・ザルコは、シーズン開幕前の最終テストに臨み好調をアピール。新たなシーズンに向け、今回もまた果敢な走りで注目を集めた。
 フォルガーは3番手に0.220秒差まで迫り、ルーキーでトップの6番手を獲得。一方のザルコもロッシに0.026秒差と健闘してトップ10入りを果たした。ふたりはテスト2日目の明日も、この勢いそのままにさらなるステップアップを目指す。

カタール テスト1日目(3月10日)結果
順位 ライダー チーム マシン タイム
1 A・ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati 1'54.819
2 M・ビニャーレス Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'55.179
3 C・クラッチロー LCR Honda Honda 1'55.420
4 K・アブラハム Pull&Bear Aspar Team Ducati 1'55.613
5 J・ロレンソ Ducati Team Ducati 1'55.616
6 J・フォルガー Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'55.640
7 V・ロッシ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'55.679
9 J・ザルコ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'55.705

ロサイル レコードラップ:J・ロレンソ 1分54秒927(2016年)
ロサイル ベストラップ:J・ロレンソ 1分53秒927(2008年)

3月11日(2日目)
ビニャーレス、ロッシ、フォルガーがトップ3を独占!

 オフィシャルテスト2日目。Movistar Yamaha MotoGPのビニャーレスがトップタイムをマークし、チームメイトのロッシも2番手を獲得した。
 オフシーズンを通じて努力を重ね、順調に進化を続けてきたビニャーレスは、決勝用セッティングに手応えをつかんでおり、ここからさらに磨き上げることで、開幕戦に向けて100%の準備を整えることが目標。テスト2日目の今日はセッション序盤で1分54秒455を記録してトップに立つと、終盤はロッシとフォルガーの追い上げを抑え切り、総合トップに輝くと同時に、ヤマハが1-2-3を達成した。
 一方のロッシは、フロントタイヤのフィーリングを高めることに成功。特にコーナー進入での扱いやすさを向上させるとともに、さまざまなセッティングを試してブレーキングの安定性向上を目指した。セッション序盤には転倒があり左手に軽い怪我を負ったが、その後もペースを緩めることなく、37ラップ目、走行終了1時間前に1分54秒732を記録して2番手と、好調の中で2日目を終えた。

 Monster Yamaha Tech 3は、フォルガー、ザルコともに2日目も好タイムをマーク。フォルガーはふたりのファクトリーライダーに続く3番手を獲得。ザルコも順調にペースを上げるとM・マルケス(ホンダ)に0.158秒差に迫る10番手につけた。テスト最終日の明日も好成績の獲得が期待される。

カタール テスト2日目(3月11日)結果
順位 ライダー チーム マシン タイム
1 M・ビニャーレス Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'54.455
2 V・ロッシ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'54.732
3 J・フォルガー Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'54.917
4 C・クラッチロー LCR Honda Honda 1'55.032
5 A・エスパルガロ Aprilia Racing Team Gresini Aprilia 1'55.121
6 M・マルケス Repsol Honda Team Honda 1'55.196
10 J・ザルコ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'55.354

ロサイル レコードラップ:J・ロレンソ 1分54秒927(2016年)
ロサイル ベストラップ:J・ロレンソ 1分53秒927(2008年)

3月12日(3日目)
シーズン開幕に向けた最終テストを終了、ビニャーレスが好調をキープ

 2017シーズン開幕前のテスト最終日、Movistar Yamaha MotoGPのビニャーレスとロッシは積極的に多くの周回を重ねて成果を確認。3日間の総合順位はそれぞれ総合トップと6番手を獲得した。
 最終日も日の入りを待ってから、ビニャーレスとロッシは、決勝用セッティングの完成を目指して走行を繰り返し、ラップタイムではそれぞれトップと11番手を獲得した。
 全力でテストに臨んだビニャーレスは、セッティングの微調整を行いながら、「YZR-M1」の最適バランスを追求。周回を重ねるごとにその効果が現れ、4時間終了間際には1分54秒330を記録してトップに浮上した。セッション終盤にはロングランを行い、燃費とタイヤの消耗についてのデータを収集。合計60ラップを走破してトップを守ったままテストを終了。後続との差は0.071秒だった。
 一方のロッシは、昨日までの好感触をつかむことができず厳しい状況に置かれたが、全54ラップを走行し、その中盤あたりで1分55秒185のベストタイムを記録。その後は気温が下がったこともあり、さらなる更新はならなかった。この結果、ビニャーレスから0.855秒の遅れをとり、最終日の順位は11番手に留まった。しかし3日間の総合順位では、2日目に記録した1分54秒732によって6番手を獲得した。

 Monster Yamaha Tech 3のフォルガーとザルコは、シーズン開幕前の最終テストで好調な走りを披露。ルーキーとして臨むMotoGP初戦に向けて自信をつかんでおり、モチベーションも上がっている。
 フォルガーは最終日もルーキートップの8番手を獲得。3番手のD・ペドロサ(ホンダ)にコンマ3秒差に迫る健闘を見せた。また決勝を想定したロングランも行い、十分な手応えをつかんでいる。一方のザルコは「YZR-M1」にすばやく適応して、ロングランでも絶好調。ラップタイムでは初日のタイムを0.805秒更新し、チームメイトには0.093秒およばなかったものの、ディフェンディングチャンピオンのマルケスを凌ぐタイムで最終日を終えた。

 両チームは2週間後、2017MotoGP開幕戦出場のために再びここへ戻って来る。

カタール テスト3日目(3月12日)結果
順位 ライダー チーム マシン タイム
1 M・ビニャーレス Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'54.330
2 A・ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati 1'54.401
3 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 1'54.469
4 J・ロレンソ Ducati Team Ducati 1'54.519
5 A・バウティスタ Pull&Bear Aspar Team Ducati 1'54.714
6 S・レディング Octo Pramac Racing Ducati 1'54.750
7 J・フォルガー Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'54.807
9 J・ザルコ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'54.900
11 V・ロッシ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'55.185

ロサイル レコードラップ:J・ロレンソ 1分54秒927(2016年)
ロサイル ベストラップ:J・ロレンソ 1分53秒927(2008年)

M・ビニャーレス選手談(総合トップ)

「マシンの状態がさらに一歩前進し、すばらしいマシンができあがりました。走行中のフィーリングも抜群! 僕自身の体調も絶好調だから気持ちよく乗れていて、とってもハッピーな気分ですね! それでも電子制御システムについてはまだ改善の余地が残っているので、ここからさらにコンマ数秒は上げられると思っています。実際、マシンの能力を限界まで引き出せているわけではなく、本当はもうちょっとプッシュできるはず。開幕戦でもテストと同じように走ることができれば、優勝を目指して戦えると思います」

V・ロッシ選手談(総合6番手)

「昨日よりも難しい状況になりました。テストを継続するために昨日と同じセッティングから始めましたが、どういうわけか、同じフィーリングとスピードが得られなかったのです。路面コンディションがちょっと変わってしまったせいなのか、なかなか状況を好転させることができませんでした。ラップタイムも落ちてしまい、マシンのパフォーマンスを最大限まで引き出す方法がわからない状態で、準備が整っていません。冬季テストを振り返ってみると、難しい状況が続いているので、今後もチームとよく話し合い、開幕戦までに本来の強さを取り戻したいと思います」

M・メレガリ、Movistar Yamaha MotoGP、チーム・ディレクター談

「初戦に備えるために、今回のテストは非常に重要なものでした。そして総合的に見ればとても満足できる結果となりました。昨日は最高のパフォーマンスを実現できたので、今日はもう一度セッティングに取り組みながら、主にレースシミュレーションに力を入れました。セッティングの最終調整を行ってからマーベリックは順調にロングランを完了。バレンティーノはそれを短縮してテストプログラムを終了しました。マーベリックはこの3日間を通じて、タイムアタックでもシミュレーションでも好タイムをキープ。このことが我々に自信を与えてくれています。一方のバレンティーノは、昨日は最高のパフォーマンスを見せてくれましたが、今日はセッティングでいくつかの問題にぶつかりました。エンジニアたちはこの後、昨日と今日の走りを比較しながら、良し悪しを探り、修正方法を検討していくこととなります。これで最終テストを終えましたが、今は2週間後に迫ったシーズン開幕戦を待ち遠しく感じています」

J・フォルガー選手談(総合8位)

「好調のまま、カタールでのテストを終了できました。これでもう、開幕戦に向けて準備できたと思っています。最終日の目標はセッション終盤でレースシミュレーションを行うことでしたが、そのなかではラップタイムをコンスタントにキープできたし、準備していたエンジンマッピングが期待通りに働いてくれました。タイヤの挙動を感じることが面白く、いい経験ができたことで、開幕戦に向けてまた新しいアイディアも浮かびました。今回のテストを通じて、僕はとても多くのことを学び、マシンについても自信を深めることができたのですが、とくにシミュレーションでは安全な走りができて良かったと思っています。前回のフィリップアイランドでは、途中で転倒して自信を失っていましたから。今はさらにM1を理解し、とくにコンディションが変化しても、それにしっかり対応できるようになっています。とはいえ、実際のレースとテストは別ものなので、ウイークで何ができるか様子を見なければなりません。でも今は、チームも僕も、ここまでの成果に満足しています」

J・ザルコ選手談(総合10位)

「テスト最終日は非常に順調でした。そして今は、最高峰クラスでのルーキーシーズン開幕をとても楽しみにしています。今日はレースシミュレーションを行い、22ラップのなかでマシンがどのように変化していくかを実際に体験して、さまざまなことを知ることができました。僕自身は最高に速かったわけではありませんが、この経験こそが最大の収穫です。この3日間で自信を持てたことがうれしいし、今日はソフトコンパウンドのタイヤで好タイムをマークし、好位置につけることもできています。総合的に見て、非常にポジティブな形でテストを完了できたのです。前よりはレベルも上がり、M1のパフォーマンスを理解できるようになり、よりよい状態で開幕戦を迎えられるでしょう。それに加えて、トップライダーに近づくことができたことも大きなモチベーションになっていますね。また、ジョナスの速さには敬服します。彼と僕はどちらも力があると思っているし、一緒に育ってきたのですが… 開幕戦までの2週間は、家に帰りトレーニングを行いながら、決戦を待ちます」

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