2019年12月期 連結業績の概要について
2020年2月12日発表
連結業績について
ヤマハ発動機株式会社の当連結会計年度の売上高は1兆6,648億円(前期比84億円・0.5%減少)、営業利益は1,154億円(同254億円・18.1%減少)、経常利益は1,195億円(同185億円・13.4%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は757億円(同176億円・18.9%減少)となりました。なお、年間の為替換算レートは米ドル109円(前期比1円の円高)、ユーロ122円(同8円の円高)でした。
売上高は、マリン事業、金融サービス事業で増収となった一方で、ランドモビリティ事業とロボティクス事業(M&Aの影響を除く)は減少し、全体では減収となりました。営業利益は、先進国二輪車での欧州・本社生産の稼働率上昇や構造改革、インドネシア二輪車での高価格商品増加による収益性改善が進みましたが、ロボティクス事業などの売上高の減少、成長戦略経費の増加、為替影響などにより、全体では減益となりました。
セグメント別の業績について
ランドモビリティ
売上高1兆1,004億円(前期比173億円・1.6%減少)、営業利益418億円(同69億円・14.1%減少)となりました。そのうち、売上高で293億円、営業利益で120億円の為替によるマイナス影響がありました。
先進国二輪車では、欧州での新規制対応モデルを中心とした販売台数の増加や構造改革の進捗により、赤字幅が縮小しました。新興国二輪車では、フィリピン・ブラジルなどで販売台数が増加しましたが、ベトナム・インド・台湾などで減少し、減収・減益となりました。二輪車全体の販売台数は、506万台(前期比5.9%減少)となりました。先進国においては、引き続き新規制対応モデルの積極的な投入と構造改革を進めます。新興国においては、高付加価値商品の販売を主軸とし、ベトナムではブランド力強化、インドでは新規制対応モデルの投入、台湾では電動二輪車の拡販など、各市場での販売台数増加と収益性改善を目指します。
RV(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル、スノーモビル)では、北米での四輪バギーやスノーモビルの販売台数増加により増収となり、赤字幅が縮小しました。
電動アシスト自転車では、欧州向けE-kitや日本での販売台数増加により、増収・増益となりました。引き続き、新開発のアシスト制御搭載モデルの投入や販売力強化により、拡大を続ける市場に対し事業成長に努めます。
マリン
売上高3,451億円(前期比69億円・2.0%増加)、営業利益584億円(同24億円・3.9%減少)となりました。そのうち、売上高で64億円、営業利益で41億円の為替によるマイナス影響がありました。
販売台数は、ウォータービークル、スポーツボートで増加しました。船外機の販売台数は、北米・欧州で200馬力を超えるハイエンドモデルは増加しましたが、上期の天候不順の影響により淡水域での中・小型馬力が減少したため、全体では減少しました。為替影響を大きく受けて、事業全体では増収・減益となりました。
市場の変化に迅速かつ柔軟に対応しながらボートビルダーとの関係を強化し、システムサプライヤー戦略を推進していきます。
ロボティクス
売上高756億円(前期比8億円・1.1%増加)、営業利益77億円(同90億円・53.9%減少)となりました。なお、当期の業績には、ヤマハモーターロボティクスホールディングス株式会社(以下、YMRH)およびその子会社の第2、第3四半期連結会計期間(2019年7月から12月)の業績、売上高120億円、営業損失28億円を含んでいます。
YMRH子会社化の影響を除くと、米中貿易摩擦の影響によりサーフェスマウンターと産業用ロボットの販売台数が減少し、減収・減益となりました。
需要動向を注視し、新機種投入や事業統合によるシナジー効果を活かした商品の一括提案や相互販路活用を加速させていきます。
金融サービス
売上高409億円(前期比19億円・4.8%増加)、営業利益80億円(同42億円・34.2%減少)となりました。
フランスで事業展開を始めるなど、全地域で債権残高は順調に拡大しました。前年はブラジルでの一時収益があったことなどにより、増収・減益となりました。
顧客層と地域を広げ、当社ならではの利便性の高いサービスを提供していきます。
その他
売上高1,027億円(前期比6億円・0.6%減少)、営業損失6億円(前期:営業利益24億円)となりました。
ゴルフカーで高価格帯商品の販売が増加し増収となりましたが、ゴルフカー、発電機の市場対策費用や米国での追加関税の影響などにより、全体では減収・減益となりました。
次期連結業績の見通しについて
次期は米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題など一部のリスクが後退する一方、中東での地政学リスク、新型コロナウィルスの拡大や気候変動による自然災害など、不透明な経営環境となることが予想されます。各市場の景気・需要の動向を見極めながら、既存事業での成長と安定的利益を維持するとともに、新規事業開発を進め、長期的な成長を目指します。連結業績の予想は以下のとおりです。
売上高 | 1兆7,600億円 (当期比 952億円・5.7%増加) |
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営業利益 | 1,230億円 (当期比 76億円・6.6%増加) |
経常利益 | 1,280億円 (当期比 85億円・7.1%増加) |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 800億円 (当期比 43億円・5.6%増加) |
為替レートについては、米ドル108円(当期比1円の円高)、ユーロ120円(同2円の円高)を前提としています。
利益配分に関する基本方針および当期・次期の配当
当社は、株主の皆様の利益向上を重要な経営課題と位置付け、企業価値の向上に努めています。
配当につきましては、「稼ぐ力を維持しながら、キャッシュ・フローの範囲内で成長投資と株主還元のバランスを取る」ことを主眼に、親会社株主に帰属する当期純利益の30%を配当性向の目安としています。
当社は、中間配当と期末配当を行うことを基本としており、配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会としています。中間配当は6月30日、期末配当は12月31日を配当の基準日として定款に定めています。
当期の期末配当は、1株につき45円の実施を2020年3月25日開催予定の第85期定時株主総会に上程させていただく予定です。これにより、中間配当金(1株につき45円)を加えた年間配当金は90円となります。次期の配当金については、年間90円(中間45円、期末45円)を予定しています。