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凹凸面・斜面・曲面への実装も可能 多様な生産形態に1台で柔軟に対応するマニュファクチャリングセンター i-PULSE 3Dハイブリッドマウンター「S10」「S20」新発売

2015年5月28日発表

 ヤマハ発動機株式会社は、三次元射出成形回路部品(MID:Molded Interconnect Device)への対応力を強化したi-PULSE(アイパルス)3Dハイブリッドマウンターの新製品「S10」および「S20」を2015年9月1日から発売します。

 マウント・塗布・検査を1台の装置で可能とする「マニュファクチャリングセンター」をコンセプトに開発した「S10」「S20」は、優れた部品搭載速度と精度、極小チップから大型部品まで実装できる汎用性に加え、マウントヘッドとディスペンスヘッドが混在したヘッドで塗布と部品搭載を交互に行う“ハイブリッド”実装が特徴のマウンターです。既存モデル「M10」「M20」の上位機種であり、汎用性と拡張性、生産能力をさらに高めました。
 「S10」「S20」では、新開発のチルト機構ユニットやZ軸ロングストロークなどにより、従来からの平面基板のみならず凹凸面・斜面・曲面などにも実装が可能になり、生産形態に合わせた拡張性を強化しています。またヘッドバリエーションは6軸6θヘッドユニットと12軸2θヘッドユニットを設定。搭載能力の向上によりコストパフォーマンスがさらに高まりました。加えて、フィデューシャルマーク認識カメラのカラー化と新開発照明ユニットを採用し、安定した塗布検査が行なえます。

 なお6月3日〜5日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で行なわれる「第17回実装プロセステクノロジー展」に「S20」を出展します。

i-PULSE 3Dハイブリッドマウンター「S20」
名称 i-PULSE 「S10」
i-PULSE 「S20」
発売日 2015年9月1日
販売計画 100台(発売から1年間/国内外)

開発背景

 近年市場を拡大しているスマートフォンやタブレット型端末、電気自動車、自然エネルギー発電、LED照明といった製品に組み込まれる制御基板はますます高度に集積され、軽量化・薄型化・小型化、加えて低コスト化が図られ、多様性を増しながら応用範囲を拡大しています。
 これらの制御基板の生産工程においては、軽量・小型・高性能化と低コスト化の両立を実現すべく、従来の2次元(平面)の実装から、立体的構造の3次元の実装へと変化しており、SMT(表面実装)分野にもダウンサイジングされ取り込まれつつあります。

 当社では、汎用性をさらに拡大しハイブリッド機能の生産能力を高めた「S10」「S20」の投入により、部品点数や組立作業工数の削減などによるコストダウンや、製品の軽薄短小を図ることが可能な三次元射出成形回路部品にも柔軟に対応するほか、従来のSMTの枠を超え、さまざまな実装分野のユーザーニーズにも応えることで独自の市場を開拓・拡大していきます。



「S10」「S20」の主な特徴

新開発の鋳物フレームとチルト機構ユニットにより組立工程に適した拡張性強化

 ヤマハ独自の最適化設計された新開発鋳物フレームとチルト機構ユニット、さらにZ軸ロングストロークにより、凹凸面・斜面・曲面に実装できるので、新しい三次元射出成形回路部品の製造が可能です。従来のSMTの枠を超え、組立工程への拡張性を有しています。

3Dハイブリッド機能

 生産形態に合わせてマウントヘッドとディスペンスヘッドを、1軸ごとに仕様変更できる混在ヘッドで、塗布と部品装着を交互に行なうハイブリッド実装を実現。また、非接触塗布の採用によりキャビティー基板等への対応が容易です。
※基板上面が平面でなく凹凸があるためハンダ印刷が困難な基板

フィデューシャルマーク認識カメラのカラー化により塗布検査機能を追加

 カメラのカラー化と新開発照明ユニットを採用し、安定した塗布検査が行なえます。これにより1台のマシンでハンダ塗布⇒塗布検査⇒部品搭載の工程を行なうことが可能です。

2タイプのヘッドユニットを選択可能

 ヘッドユニットは6軸6θヘッドユニット(標準)と12軸2θヘッドユニット(オプション)を用意。新開発の鋳物フレームと可動部の軽量化により搭載能力が向上し、コストパフォーマンスがさらに高まりました。

長尺基板への対応

 最大基板対応サイズは1,825mm×635mm(オプション)まで対応、一括クランプ時でも最大1,240mm×510mmまで、対応可能です。例えば直管LEDをはじめとする長尺基板において、12軸2θヘッドユニット仕様にすることで大幅に生産性が向上します。

極小チップから幅広い部品まで搭載可能

 最小0201(0.25×0.125mm) の極小チップから最大120×90㎜までの幅広い部品が装着可能。部品高さにおいてもクラス最大級の35㎜まで対応できます。

多品種少量生産に優れた段取り性を実現

 最大フィーダーレーン数は、8mmテープ換算で「S20」は180品種(45品種×4ユニット)、「S10」は90品種(45品種×2ユニット)を確保しています。
 F3(電動フィーダー)一括交換台車は、フィーダーレーン数を拡張した「CFB-45E」を新開発。従来の「CFB-36E」のほか、F1/F2(メカフィーダー)一括交換台車「CFB-36」及び脱着式トレイフィーダー「CTF-36C」においても既存モデル「M10」「M20」と互換性があり、既存の交換台車を有効活用できます。さらに装置内で「CFB-45E」「CFB-36E」「CFB-36」「CTF-36C」を混在して使用可能です。

仕様諸元

機種 S10 S20
基板寸法 バッファ未使用時 最小L50×W30mm~
最大L980×W510mm
最小L50×W30mm~
最大L1,480×W510mm
入口 or 出口バッファ使用時 最小L50×W30mm~
最大L420×W510mm
入口&出口バッファ使用時 最小L50×W30mm~
最大L330×W510mm
最小L50×W30mm~
最大L540×W510mm
基板厚 0.4~5.0mm
装着精度A(μ+3σ) CHIP±0.040mm
装着精度B(μ+3σ) IC±0.025mm
装着角度 ±180°
実装可能部品高さ
(基板厚み+部品高さ)
6軸6θ仕様:最大35mm
12軸2θ仕様:最大20mm
実装可能部品 0201~120mm×90mm BGA、CSP、コネクタ、他異形部品
部品荷姿 8~56mmテープ(F1/F2フィーダー)、
8~88mmテープ(F3電動フィーダー)、スティック、トレイ
部品品種数(8mmテープ換算) 最大90品種(45連×2) 最大180品種(45連×4)
基板搬送高さ 900±20mm
本体寸法 L1,250×D1,770×H1,420mm L1,750×D1,770×H1,420mm
重量 約1,200kg 約1,500kg
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