1)発進~低速のトルク特性を向上させた超薄型パワーユニット(YIPU)
超薄型パワーユニット、YIPU(ヤマハ・インテグレイテッド・パワー・ユニット)を搭載しました。
駆動伝達ロスが少ないダイレクト駆動方式のインホイールモーターで、後輪の回転数、アクセル開度から適切な出力をコンピューターが逐次計算して供給することにより、常に滑らかな動力性能が得られます。また、ギア類の最適設計のほか、グリップ一体式電子スロットルや専用設計タイヤとの相乗効果で滑らかな走行性と静粛性を備えています。また、モーターおよびコントロールユニットを新設計し、発進時から低速走行時のトルク特性が向上(従来モデル比10~15%)しています。
基本構造は、後輪ハブ部に(1)超扁平面対向型ブラシレス交流同期モーター、(2)超小型コントローラー、(3)遊星歯車減速機、(4)ドラムブレーキなどをまとめ、さらにリアアームと一体設計することでコンパクト化しています。モーターには異方性ボンド磁石を採用し、発進時/中速域及び登坂時の優れた性能を引き出しています。
2)新開発の高エネルギー密度50Vリチウムイオンバッテリー
新開発の高エネルギー密度50Vリチウムイオンバッテリーを搭載し、低速域での出力特性にも貢献するものとなっています。また、充電時間は約6時間で、一充電あたりの走行可能距離は、30km/h定地走行で43kmです。
3)新採用のプラグイン充電方式
バッテリーへの充電はプラグイン方式とし、外出先でも電源を確保すれば充電出来るよう利便性を高めています。充電装置はシート後部に組み込み、電源(アース付きコンセント〈3穴〉)にプラグを繋いで充電することが出来ます。
また、一充電あたりの電気代は約18円※と優れた経済性を実現しました。
※東京電力株式会社の一般的な契約で、バッテリーをゼロから満充電にした場合の平均的な金額です。
4)相互制御システム(YMCS)
ヤマハ独自の電子制御技術を投入した相互通信制御システム、YMCS(ヤマハ・ミューチュアル・コミュニケーション・システム)を搭載しました。(1)バッテリー、(2)コントローラー、(3)充電器、(4)メーター、これら4系統に相互通信回路を設け、常に車両全体の総合制御を行います。これにより、走行スタンバイ時、走行中、充電中など様々な状態に応じ、システム起動やモーターの駆動・補機駆動などの制御を自動化することで、手軽な操作性を可能にしました。
5)良好な取り回し性に貢献する軽量アルミ合金製フレーム
新設計の軽量アルミ合金製フレームは、パイプ径と厚さの最適設計により剛性を高め、操縦安定性を向上させました。更に、最適な軸間距離と各パーツの最適な重量バランス効果により良好な直進性を備えています。また、高層住宅の一般的なエレベータにも乗せられる全長1,565mmのコンパクト設計で駐輪時のスペース効率にも優れ、室内保管も可能です。重量は、フレーム、ホイールなどにアルミ材を使用するなどの軽量化により、同クラスのガソリンエンジンを搭載するスクーター比で約3割程度軽い56kgを実現しました。(当社調べ)なお、車体はスリムで、外装パーツの少ないシンプルな構成とし、軽快感を強調したスタイルとしました。
6)その他の特徴
このほか、グリップ一体式の「電子スロットル」、運転モード切替※、暗証番号入力による盗難抑止装置、オド&トリップの表示切替機能を備える「高機能デジタル液晶メーター」、キーで操作する「ポップアップ式シートロック」、「ワイヤー式ヘルメットホルダー」、「コンビニフック」などを標準装備しました。
※走行条件(道路状況など)に応じて、モーターの駆動力を選択することができます。通常は「標準モード」で、坂の多い道などでは「パワーモード」で走行するなど、モードの切り替えで快適な走行が楽しめます。
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