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ヤマハ発動機株式会社は、2010年から2012年までの3カ年における「経営施策と目指す姿」、「構造改革」「成長戦略」、およびその成果としての「数値目標」をまとめた新中期経営計画を策定しました。
新中期経営計画は、ヤマハ発動機グループがいま一度、商品開発と現場主義の基本を徹底させ、「モノ創りで輝き、存在感を発揮し続ける企業」となるために、構造改革と収益体質の確立に全力を挙げると共に、将来の成長シナリオの実現をめざすものです。
その成果として、「2010年連結営業利益黒字化」、「2012年連結営業利益率5%」の達成を連結経営目標として設定しました。
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【経営施策と目指す姿】
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当社は連結経営目標の達成に向け、2010年をフェーズⅠとし、構造改革を加速し、損益分岐点生産台数を引き下げ、収益体質の確立に取組みます。2011年~2012年は、将来の成長シナリオを実現していくフェーズⅡと位置づけます。
その達成に向け、先進国・新興国の各事業ならびに将来成長に向けた「3つの経営施策」を掲げます。
また、「主要事業の目指す姿」を設定し、先進国の二輪車、船外機、ATV/SSVの各事業は、規模に頼ることなく収益構造改革を推進し、成長が見込める新興国二輪車事業は積極的に量的・質的拡大を図ってまいります。 *ATV:四輪バギー、SSV:サイド・バイ・サイド・ビークル
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3つの経営施策 |
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1. |
先進国事業の収益構造改革 (フェーズⅠ) |
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・生産体制再編成 ・人への対応(国内・海外) |
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2. |
新興国事業の量的・質的拡大 (フェーズⅠ) |
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・コストダウン |
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3. |
将来成長シナリオ実現 (フェーズⅡ) |
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・グローバル戦略モデル投入 ・商品力+収益力の両立 ・超低燃費エンジン開発の加速
・スマートパワー技術開発の加速 |
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主要事業の目指す姿 |
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<先進国二輪車事業> |
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「市場回復へ向けた事業体質改革」 |
ドル85円、ユーロ120円で採算がとれる収益構造改革 |
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<船外機事業> |
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「ゆるぎない世界シェアNO.1」 |
収益力構築、先進環境技術開発の加速 |
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<ATV/SSV事業> |
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「事業基盤の再構築」 |
ドル85円、事業規模10万台で採算がとれる収益構造構築 |
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<新興国二輪車事業> |
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「積極的な量的・質的事業拡大」 |
事業規模800万台、営業利益率10% |
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■アセアン:商品力+収益力の両立 |
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・低燃費モデルの積極投入、原価低減活動(PRO-10)強化、新技術による商品力向上 |
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■中国・インド:市場プレゼンス向上 |
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・低価格モデル積極投入、販路拡大・強化、輸出拡大(インド・中国から世界へ) |
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【構造改革】 (フェーズⅠ)
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当社は、先進国事業において、昨年8月の中間決算発表時より、更に厳しい需要を想定した経営計画を設定し、損益分岐点の年間生産台数の更なる引き下げを行います。船外機事業は前回公表通りの23万台と変更していませんが、二輪車事業は25万台から20万台、ATV/SSV事業は14万台から10万台に再設定します。これに伴い、前回公表より、「生産体制再編成」「人員削減」「コストダウン」の構造改革規模を拡大し、大幅な固定費削減と収益力向上を目指していきます。
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構造改革の要点 |
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1. |
生産体制再編成 |
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・工場再編成は、国内に加え、海外やグループ会社まで拡大して実施 |
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前回公表 : 2010年~2012年 10工場→7工場 |
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今回公表 : 2010年~2012年 国内12工場→7工場、海外9工場→7工場 |
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2. |
人員削減 |
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・余剰人員対策に加え、追加人員削減を実施 |
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前回公表 : 2009年 余剰人員対策1,700名(国内、欧米) |
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今回公表 : 2010年 追加人員削減1,000名(国内、欧米) |
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* |
前回公表に対する実績は1,620名
追加人員削減計画は国内で800名(希望退職)、欧米で200名 |
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3. |
コストダウン |
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・アジアでのコストダウンを全世界展開、技術・製造・調達機能を一体化した原価革新統括部の新設、コアサプライヤーとグローバル協働の強化等により、コストダウン規模を更に拡大 |
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前回公表 : 2011年度目標 350億円 *2009~2011年活動結果(08年比) |
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今回公表 : 2012年度目標 600億円 *2010~2012年活動結果(09年比) |
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【成長戦略】 (フェーズⅡ)
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当社は、新中期経営計画において、「新興国市場やアセアン市場での成長」「環境エンジンや電動技術の開発加速化による成長」に焦点を当てた成長シナリオを描き、着実に実現していきます。
なお、この成長戦略にもとづき、当社は、2007年に策定した長期ビジョン「フロンティア2020」の4つの重点領域(ヤマハブランド、パーソナルモビリティ、エンジン、新技術)の中で、新中期3カ年においては、
「パーソナルモビリティ」と「エンジン」の2つの領域に集中して、資源を投入してまいります。
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成長戦略の要点 |
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1. |
新興国低価格モデル投入 |
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インド、中国への低価格モデル投入(低価格モデル比率:2009年20%→2012年目標60%) |
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新興国モデルの原価低減活動を推進(共通化・部品補完により収益力を向上) |
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2. |
アセアン二輪車 |
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・ |
FI化による商品力+収益力の両立 |
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FI搭載比率を拡大し商品力を強化 (2009年3%→2012年目標50%→2015年目標80%) |
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FIシステムコストダウンと規模効果により収益性を向上 |
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3. |
次世代環境対応エンジン |
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二輪車:アセアンコミューターの商品競争力強化 2015年目標 燃費50%向上
(当社2008モデル比) |
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船外機:次世代4ストロークモデルの商品優位性向上 2015年目標 燃費30%向上
(当社2007モデル比) |
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4. |
スマートパワー |
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電動二輪車の技術開発・市場投入 |
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本年の国内再投入に続き、中期的に業務需要対応や海外市場への展開を推進 |
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成長する電動アシスト自転車市場に対し、パイオニアとしてプレゼンスを強化 |
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国内50万台市場に対しシェア30%を確保、急成長している欧州市場へも展開 |
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【数値目標】
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連結業績の目標数値 |
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当社は、先進国事業において規模に頼ることなく収益構造改革を推進し、新興国二輪車事業において積極的に量的・質的拡大を図り、「2010年連結営業利益黒字化」、「2012年連結営業利益率5%」の達成を目指します。新中期経営計画における連結業績としては、以下の目標数値を掲げてまいります。なお為替レートは、USドル88円、ユーロ128円を前提としています。
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2009年実績 |
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連結売上高 |
1兆1,536億円 |
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連結営業利益 |
△626億円 |
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営業利益率 |
- |
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2010年予想 |
2012年目標 |
1兆2,500億円 |
1兆4,000億円 |
100億円 |
700億円 |
0.8% |
5% |
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設備投資・キャッシュフロー・有利子負債 |
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当社は、「新興国市場やアセアン市場での新機種投入」「コストダウン」「環境エンジンや電動技術の開発」など、将来の成長に焦点を当てた設備投資として、新中期3カ年で1,200億円を設定しました。また、フリーキャッシュフローは3カ年で1,500億円を創出、有利子負債は3カ年で1,500億円の圧縮を目指します。
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設備投資 |
: |
1,200億円(3カ年合計) |
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キャッシュフロー |
: |
1,500億円創出(3カ年合計) |
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有利子負債 |
: |
1,500億円圧縮(3カ年合計) |
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以 上 |