1)高弾性耐熱樹脂ベルトとシーブ(滑車)の最適設計
「高弾性耐熱樹脂ベルト」は、166個に連なる樹脂ブロック(H型断面)と、ゴムで包まれた心線(アラミド)が密着する構造である。樹脂ブロックはベルトがシーブと密着する力(側面からの力)を受け持ち、心線はベルトを回転させる力(駆動力)を受け持つよう役割分担することで、優れた耐久性(当社社内テスト値/ゴムベルト比約2倍)を持ち、高弾性による優れた駆動レスポンスや、優れた燃費性能にも貢献する。
このベルトに合わせ、「専用シーブ」を開発した。高回転域では前後シーブは、ベルトの密着で高負荷がかかり冷却性が求められるが、Y.C.A.T.では本ベルトとの最適化を行った。エンジン側シーブには、アルミダイキャスト製を採用し、クロームメッキ処理で十分な硬度を確保、また表面はミクロン単位で最適化した。被駆動側シーブには、ミクロン単位で表面粗度を最適設計したステンレス製を採用、表面の適度な凹凸は、優れた動力伝達性とベルト親和性を備えている。
2)Y.C.A.T.の性能安定化を図るベルト室設計
Y.C.A.T.では、外気を積極的にベルト室に取り込み、ベルト室内で空気が効率的に流動してベルトおよびシーブ冷却を促進できる設計としたため、特殊な冷却デバイスを備えることなく効率的に冷却性を確保することが可能となった。また吸・排ダクトの形状最適化により吸気と排出に伴うノイズを最小限とした。
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