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第2四半期累計連結業績について
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当社の2009年12月期の第2四半期累計連結業績は、世界的な不況の中、先進国を中心としたレジャー商品の需要動向が悪化し、売上高は前年同期比33.3%減収の5,794億円となりました。利益面では、徹底的な経費削減、緊急コスト削減プロジェクトの推進および設備投資圧縮に伴う減価償却費の抑制を実施したものの、販売の減少および来期の生産規模確保のための当期での徹底的な流通在庫圧縮へ向けた更なる減産に伴う限界利益減少の影響もあり、営業利益は805億円減益の△338億円、経常利益は881億円減益の△369億円となりました。四半期純利益は業績悪化に伴う繰延税金資産の取崩しの影響もあり、1,006億円減益の△747億円となりました。
為替換算レートは、USドル96円(前年同期比9円円高)、ユーロ127円(同34円円高)でした。
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事業セグメント別の売上高は、二輪車事業は、前年同期比27%減少の4,100億円となりました。
アジアの売上高は、販売台数が前年同期比で微減に留まったものの、為替円高による減収影響により、前年同期比21.6%減の2,057億円となりました。北米や欧州の売上高は、販売減少や為替円高の影響もあり、前年同期比23.8%、36.4%、それぞれ減少しました。
マリン事業は、北米や欧州での船外機などの販売減少や、為替円高による減収影響により、前年同期比41.9%減少の832億円となりました。
特機事業は、米国での四輪バギーの販売減少や、為替円高による減収影響により、前年同期比51.3%減少の475億円となりました。
その他の事業は、自動車エンジンやサーフェスマウンターの売上高の減少などにより、前年同期比41.8%減少の387億円となりました。
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事業セグメント別の営業利益は、為替円高に加え、流通在庫圧縮のための減産の影響もあり、二輪車事業が前年同期比312億円減益の△20億円、マリン事業が同207億円減益の△98億円、特機事業が同233億円減益の△201億円、その他の事業が54億円減益の△20億円となりました。
また、営業利益の変化要因は、増益要因として、販売管理費の減少(前年同期比+308億円)、研究開発費の減少(同+95億円)、原材料価格変動の影響(同+54億円)、調達による原価低減(同+35億円)、減価償却費の減少(同+3億円)があったものの、売上減による荒利減少(同△448億円)、為替の影響(同△435億円)、国内減産の影響を含む商品構成変化等(同△417億円)の減益要因がそれらを上回りました。
連結対象子会社数は108社(前期末比△5社)、持分法適用会社数は33社で、前期末と比べ増減はありません。
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当連結会計年度より「四半期連結財務諸表規則」に従い四半期連結財務諸表を作成しているため、連結経営成績に関する前年同期比は参考として記載しています。 |
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2009年12月期 通期連結業績見通しについて
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通期連結業績見通しを下方修正
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当社は、今年2月12日に発表した通期連結業績見通しを、売上高1兆1,000億円(前回予想比1,500億円減)、営業利益△870億円(同570億円減)、経常利益△860億円(同570億円減)、当期純利益△1,820億円(同1,400億円減)へ下方修正いたします。
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業績予想の修正理由
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アジア市場における二輪車販売は堅調に推移しているものの、欧米市場における二輪車、マリン、特機の当社グループ関連事業の需要は依然回復の兆しが見られず、グループ全体の販売も前年同期比減少が続いています。また、為替は対USドルでの円高基調が定着し、厳しい経営環境が継続しています。
このような環境下、当社では、本年下期を、来期、2010年12月期の営業黒字化に向けた対策を、グループの総力をあげて推し進める期間と位置づけています。
まず、第一に来期の国内工場の生産規模回復による限界利益増加にむけ、当期中に欧米市場の流通在庫圧縮を図るため、国内工場の減産による限界利益の減少450億円、および、現地での在庫販売促進費用として60億円を前回予想比追加で見込んでいます。一方、年初より進めている緊急経費削減目標の追加など徹底したコスト削減を実施し、同時に、欧米市場でのさらなる在庫圧縮によるキャッシュ・フローの黒字化を目指します。
さらに固定費削減のための事業収益改善活動として、本社生産設備の減損など収益構造改善費用480億円を当期の一時費用として計上することを見込んでいます。
また、当第2四半期累計連結決算において、繰延税金資産の取り崩しなどにより、法人税等調整額を298億39百万円計上しました。
以上を踏まえ通期(2009年12月期)の連結業績を、本年2月に公表した予想値より大幅に修正します。
なお、下期の為替レートについては、USドル=90円、ユーロ=130円を前提としています。
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「2010年連結営業利益黒字化」「2012年連結営業利益率5%」への取り組み
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当社の新興国二輪車事業は、世界同時不況の影響はあるものの、堅調に推移し、当社収益の大きな下支えとなっています。一方、先進国向けの二輪車、船外機、四輪バギーなどの主要3事業は、昨年来の急激な需要減少および為替円高の減収影響、ならびに売上規模拡大期に増加した固定費などにより、収益が急速かつ大幅に悪化し、厳しい経営状況が継続しています。
このような経営状況を踏まえ、今後の対応として、下記の如く、先進国向け事業を収益体質に転換することを柱とした、短期・中期での取り組みを進めることで、当社連結業績を『2010年連結営業利益黒字化』、『2012年連結営業利益率5%達成』を目指してまいります。
なお、予想をはるかに超える先進国市場の環境悪化を受け、「先進国事業の収益改善」を強力かつスピードを上げて推進するために、本年8月より「先進国事業収益構造改善プロジェクトチーム」を設置しました。 |
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■『2010年連結営業利益黒字化』および『2012年連結営業利益率5%』の達成への取り組み |
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1. |
「2010年連結営業利益黒字化」達成のため、短期的には、先進国事業、新興国二輪車事業において、以下の取り組みを実施します。 |
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①先進国事業(日・米・欧)では、 |
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・固定費の削減による損益分岐点の引下げ |
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・更なる無駄の排除による経費削減 |
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・開発効率の向上 |
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②新興国二輪車事業(アジア、中南米)では、 |
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・収益性のさらなる向上 |
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・規模効果を生かした製品コストの低減 |
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・開発力の強化(先進国からのシフト) |
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に取り組みます。 |
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2. |
『2012年連結営業利益率5%』達成のため、中期的には、先進国事業、新興国二輪車事業、その他事業において、以下の取り組みを実施します。 |
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①先進国事業(日・米・欧)では、 |
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・生産体制の整備・再編 |
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・製品革新による成長機会の追求(環境/安全対応) |
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・欧米における事業構造改革(製造・開発・販売・調達機能) |
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②新興国二輪車事業(アジア、中南米)では、 |
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・コスト競争力の強化 |
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・商品競争力の強化(環境技術、魅力技術) |
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・グローバル生産、調達体制の刷新 |
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③その他事業については |
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・不採算事業の見極め |
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に取り組みます。 |
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■『2010年連結営業利益黒字化』の具体的な取り組み |
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当社は、「2010年連結営業利益黒字化」に向けた短期的な取り組みを実施してまいりますが、「先進国事業」および「新興国二輪車・その他事業」における利益改善目標とその施策は以下の通りです。 |
利益改善の目標として、2010年連結営業利益について、今期の連結営業利益予想△870億円に対し、 |
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1.「先進国事業」では、固定費削減、本社限界利益の改善、コストダウンなどにより+800億円
2.「新興国二輪車・その他事業」では、コストダウンなどで+150億円 |
などにより、黒字化を目指します。具体的には、下記項目について取り組みます。 |
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1.先進国事業の「本社限界利益の改善」と「固定費削減」への取り組み |
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(1)固定費削減への取り組み |
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固定費削減は、現有の生産能力が、二輪車は50万台、船外機は37万台、四輪バギーとサイド・バイ・サイド・ビークルは32万台に対し、二輪車は25万台、船外機は23万台、四輪バギーとサイド・バイ・サイド・ビークルは14万台の生産台数でも利益が確保できるよう、中期3年程度を掛けて、損益分岐点を引き下げます。それを達成するために、主に以下の3つの施策に取り組みます。 |
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①先進国向け国内生産工場の効率化 |
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・現在、二輪車、スノーモビル、ATV、船外機、ウォータービークルなど、先進国向けの国内生産は、10の工場で、組立や部品加工の20の生産ユニットに「分散」して配置されています。この生産体制を、中期3年程度を掛け、7工場13生産ユニットへ統合・集約していきます。 |
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②人への対応 |
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・本年6月時点で、国内で約12,000人の従業員数に対し1,100人、欧米で約6,000人の従業員数に対し600名の、計約1,700名の余剰人員があります。国内1,100人の余剰対策として、中途採用の見送りや新卒採用の抑制、国内生産工場の人員の配置転換、系列外出向、ワークシェアリング、キャリア転進プログラムの拡充などによる再配置と効率化で進めてまいります。 |
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③生産設備減損、遊休資産売却・廃棄による償却費の低減 |
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(2)本社限界利益の改善 |
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本社の限界利益350億円の改善は、先進国の需要回復に頼ることなく、今期に在庫を大幅に削減することで、来期の国内生産を、現地販売台数と、ほぼ同等の生産台数を見込むことによります。
なお、2010年の生産台数は、二輪車が前期比+8万台の24万台、船外機が同+6万台の21万台、四輪バギーとサイド・バイ・サイド・ビークルが、同+7万台の11万台を見込んでいます。 |
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2.先進国事業/新興国二輪車事業のコストダウンへの取り組み |
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先進国と新興国におけるコストダウン活動は、2009年から2011年までの3ヵ年にて350億円以上のコストダウン効果を目標とします。なお、開発・製造・調達の各部門における取り組みは、以下の通りです。 |
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①開発:「コスト低減」専任組織、エンジン種類・モデルの効率化、VA/VE活動の強化
②製造:事業横断の機能集約による効率化、ロス低減活動とそのグローバル展開
③調達:事業横断調達によるコスト低減、部品メーカーと一体となったVAキャラバン活動強化 |
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なお、「2010年連結営業利益黒字化」に向けての「先進国向け国内工場の効率化」、「人への対応」、「コストダウン」、「経費削減等」の事業収益構造を実施するための費用と効果として、今年度は、国内工場の統合・集約に伴う生産設備の減損等に410億円、人への対応で70億円、合計480億円を計上します。
なお、来年度、事業収益構造改善における収益への効果額は、償却費や人件費の固定費削減を+230億円、コストダウンや経費削減における対策で+370億円、合計で+600億円を見込みます。 |
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■先進国事業/新興国二輪車事業の環境対応技術の開発と投入 |
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当社では、昨年10月に発足した「事業横断のエンジンプロジェクト」において、低燃費および低排ガスで業界トップクラスのエンジン性能を目標としたエンジン開発を進めています。
その第一弾として当社従来モデルとの比較で、約2割燃費を向上させた、新開発の燃料噴射システムを搭載したモデルを、今月、台湾のスクーターに投入し、順次、他地域のモデルにも展開していきます。また、当社従来モデル比、約5割の燃費を向上させた小型エンジンの技術開発も進めています。
これらの環境対応技術を船外機事業にも展開するとともに、二輪車の電動化など、次世代のモビリティ技術の開発体制の強化も実施していきます。 |
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■「先進国事業収益構造改善プロジェクトチーム」の設置 |
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当社では、世界的な景気悪化を受け、昨年10月より先進国・新興国二輪車事業の収益改善に取り組み、原価低減活動、モノづくり改革、エンジン技術の強化をテーマに、開発・製造・調達の各部門が事業横断でプロジェクトを立ち上げ、さまざまな対策を具体化し、推し進めてきました。
しかし、予想をはるかに超える先進国市場の環境悪化を受け、「先進国事業の収益改善」を強力かつスピードを上げて推進するために、全社プロジェクトとして、本年8月、「先進国事業収益構造改善プロジェクトチーム」を設置しました。
なお、メンバーは、社長および開発、製造、営業、調達、人事、財務、経営企画などの各部門の執行役員で構成し、「2010年に連結営業利益の黒字化」に向けた先進国事業の着実な収益の改善、ならびに「2011年に先進国事業の連結営業利益黒字化」の達成を目指します。 |
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