6回目となる今大会から会場全体の基本色を、従来のレッドからヤマハレーシングブルーへと一新。初参加やノービスクラスからステップアップする選手など、YAMAHA ASEAN CUP RACEをライダー育成の貴重な機会ととらえ、若返りを図ったメンバーで臨むチームが目立っていました。
前日の予選でエキスパートクラスのポールポジションを獲得したChanon Chumjai選手(タイ)も、エキスパートクラスへの参加は初めてながら、長いストレートと、高速・低速含め変化に富んだ全17コーナをつなぐ、全長約1,100mのテクニカルなコースをただ一人23秒台に入れる1分23秒788の好タイムをマークしていました。
迎えた決勝の1月18日(日)、早朝15分間のウォームアップ走行で決勝への最終調整を行った後、和やかな歓迎ムードのオープニングセレモニーを経て、まずはノービスクラスの決勝が12周で行われました。
ヒート1は、2番手グリッドから飛び出したマレーシアの#7Hafizh Syahrin(ハーフィス・シャッハリン)選手がホールショットを奪うも、オープニングラップをトップで戻ってきたのは、地元タイの#29Thanate Sukchalern(タネー・スッチャルーン)選手。Hafizh選手は2番手につけ、その後2周目には5番手まで後退。しかし、8周目に3番手まで挽回すると、続く9周目に2番手、そして10周目にファスティストラップをたたき出してトップに立つと後続を引き離し、最終的に約5秒の差を付けて優勝しました。2位には6周目にトップに立つもHafizh選手にかわされてしまったインドネシアの#50Topan Sucipto(トパン・スチプト)選手、3位にはポールスタートの#39Kitsiphat Prashanphot(キッシパット・プラッサンポ)選手(タイ)が入り、Thanate選手は4位でレースを終えました。
昼食を挟んで行われたヒート2でも、Hafizh選手の勢いはとどまらず、ホールショットを奪いレースをリード。しかし、今度はThanate選手が後方から、Hafizh選手の様子をうかがい始め、互いに相手のラインを牽制し合います。そしてThanate選手がスリップストリームをいかして5周目1コーナ侵入時にHafizh選手をとらえトップに立つと、2人は3番手以下を大きく引き離しドッグファイト状態。Hafizh選手は、Thanate選手を上回るラップタイムを重ねるも、コンマ1秒及ばずThanate選手がトップでチェカーフラッグを受けました。
一方、毎年ハイスピードでアグレッシブなレースが展開されるエキスパートクラスは15周で行われました。その1ヒート目、真っ先に飛び出したのはポールスタートの#53Chanon Chumjai(チャノン・チュムチャイ)選手(タイ)。その後ろに同じくタイの#1Thitipong Warokorn(ティッテフォン・ワッローコン)選手と#45Worawut Puttho(ウォーラウット・プットー)選手が続きます。2ラップ目には、Worawut選手が2番手にあがり、その勢いで上位3台は、以下に2秒以上の差を付けて引き離し一集団を形成していきます。その後、先頭のChanon選手がわずかに遅れ始め、7周目にWorawut選手がトップに立つと、以降、上位のオーダーは変わらず、Worawut選手がASEAN CUP RACE参戦6回目にして初めて優勝を獲得。その後ろにChanon選手、Thitipong選手、さらに4位にも#34Pattanapong Maneesri(パッタナポーン・マニッシー)選手が入り、上位4位までタイチームが独占しました。
当日、最後のレースとなったエキスパートクラスのヒート2では、先のレースで3位だったThitipong選手がホールショット。2番手にChanon選手、そして3番手にはフィリピンの#10Maico Greg T. Buncio(マイコ・グレッグ・T・ブンチョ)選手が続きます。レースが動いたのは6周目、Chanon選手がトップに立つと、後続を引き離しにかかります。しかし、再度11周目にThitipong選手が抜き返しそのまま優勝しました。
その後方では、一時3番手を巡って、マレーシアの#26Ahmad Fuad Baharudin(アハメッド・ファッド・バハルディン)選手、Buncio選手、そしてヒート1の勝者・Worawut選手の3名が接近戦を展開。結局、ベテランのAhmad選手が3位表彰台を獲得しますが、クールダウン走行時、1位から6位のライダーが互いの好戦ぶりをたたえ合い、ASEAN CUP RACE開催目的の一つである、国を越えたライダー同士の交流シーンがサーキットで見受けられました。
なお、会場内には、“Sporty・Stylish・InnovativeなYAMAHA”を体感していただくための「YAMAHA GALLERY」を設置する他、「ヤマハバイクフェスティバル」と銘打った、タイ・ヤマハ主催イベントなども同時開催し、レース観戦に訪れた来場者とモーターサイクルを通じて感動を共有する催しも行いました。
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