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モトGP技術に基づいて開発した新開発エンジンを搭載 2009年 欧州向けニューモデル 「YZF-R1」について

2008年9月9日発表

 ヤマハ発動機株式会社は、モトGP用のファクトリーマシン「YZR-M1」の技術に基づいて開発した1,000ccの水冷・4ストローク・並列4気筒F.I.エンジンを搭載する2009年欧州向けニューモデル、「YZF-R1」を2009年1月より発売する。

 2009年型「YZF-R1」は、1998年導入の初代モデルから11年目、6代目となる。開発にあたっては、<Ultimate Cornering Master 1000>とコンセプトを掲げ、エンジンから車体まで全面新設計を行った。とくに二輪車の世界最高峰ロードレースであるモトGP参戦から得た技術に基づいた「クロスプレーン型クランクシャフト」採用の新エンジンは、リニアなトラクション特性を引き出し卓越のコーナリング性能に寄与している。新設計フレームなどとの相乗効果により、コーナー進入、フルバンク、コーナーからの脱出・・・というそれぞれの走行状況で、よりスポーティな走行性が楽しめる。



製品写真

2009年欧州向けモデル「YZF-R1」


名称

「YZF-R1」

発売日

2009年1月

カラーリング

■ブラックメタリックX
■ブルーイッシュホワイトカクテル1
■ディープパープリッシュブルーメタリックC



主な特徴

イメージ1)新設計クロスプレーン型クランクシャフト採用1,000ccエンジン
 卓越したコーナリング性能を具現化するため、クロスプレーン型クランクシャフトを備える1,000ccの水冷4ストロークDOHC並列4気筒・4バルブエンジンを採用した。ボアストロークは、ヤマハの1,000ccスーパースポーツとしては最大ボアとなる78×52.2mmのショートストローク型である。
 このクロスプレーン型のクランクシャフトは、MotoGPマシン「YZR-M1」の技術に基づいて開発、スロットル操作に対しいっそうリニアに駆動力を引き出すことを可能としている。深くリーンしながら旋回・脱出する際に要求されるリニアなコントロール性に寄与、優れた旋回性、立ち上がり加速を引き出すポイントである。


イメージ※ クロスプレーン型クランクシャフト
 高回転型エンジンで、上質なトルク特性を引き出すクランクシャフト構造。
<解説> ピストンの慣性力によりクランクの回転速度は1回転の間で僅かに変動しておりトルクの変動を生み出している。通常の並列4気筒エンジンでは、外側の2気筒と内側の2気筒が同じ動きをするので、回転変動が増速し回転数の変動量は4倍となる。クロスプレーン型クランクシャフトでは、このトルク変動を相殺するため隣り合うピストンの配置を4分の1回転(90度)ごとにしクランク変動を相殺、高回転型エンジンにおける上質なトルク特性を引き出している。


2)大径36mmクランクジャーナル採用
 新エンジンには、大径36mmクランクジャーナル(現行は32mm)を採用したほか、軽量アルミ鍛造ピストン、クローズドデッキーシリンダー、FSコンロッド、新作クランクウエブ採用、及びクランク直付けACM等によるクランク慣性モーメント最適化(現行比約2割アップ)などを行っている。燃料供給はツイン・インジェクター型F.I.で、YCC-I(ヤマハ電子制御インテーク)、YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)との相乗効果で優れたレスポンスを引き出した。

3)新設計アルミフレーム
イメージ 優れた旋回性能を引き出すため新設計のアルミ製デルタボックスフレームを採用した。エア・インダクションの吸入口からのダクトがフレームを貫通するレイアウトは現行式を継承するが、エンジン懸架位置の変更を中心に、形状・サイズ、使用アルミ材、剛性バランスなど全面新設計した。剛性バランスの適正化により、高速安定性はもちろん、旋回性、とくにコーナー脱出時においてトラクションを効率よく引き出し旋回性に貢献するものとなっている。
 ディメンションも一新し、エンジン搭載角は現行比で9度直立に近づけた31度(シリンダー前傾角)とし搭載位置も12mm前方寄り(ドライブ軸位置)として前輪接地感のある走行フィーリングに寄与させている。ピボット位置についても最適化し、加速時のチェーン張力が効率良くリアサスペンションのストロークを生み出し駆動力伝達に貢献するものとした。

4)マグネシウム製リアフレーム
 リアフレームには、重量あたりの強度に優れるマグネシウム材を採用、車両重心から離れた部分を軽量化でき、マスの集中化を達成した。マグネシウム製リアフレームは、既に2008年型「YZF-R6」で実用化しており、ヤマハ独自の「CF マグネシウムダイキャスト技術」で製造している。

5)左右独立の減衰力機構採用フロントフォーク
 フロントサスペンションには43mmインナーチューブ採用の倒立式(現行と同サイズ)を採用、新機構として左右分担減衰力発生方式を採用している。圧側減衰力を左側、伸側減衰を右側のフォークで発生させている。これにより、減衰力発生バルブの高精度によるオイル通過の最適化を確保、連続作動時のキャビテーションを最小限に押さえ、性能安定化に貢献させた。同時に内部シリンダー径を大径化、圧力変動を安定させ、かつ十分なオイル量確保により、微少なストローク時にも素早く減衰力を発生させることが可能となり、優れた路面追従性を引き出している。

6)マス集中に貢献する新設計燃料タンク
 フューエルタンクは3Dシミュレーション解析技術の投入による新設計タンクを採用した。容量18リットルのタンクは、フレームの枠内にすっぽり収まる縦長形状でマス集中化を促進。搭載燃料量の変化による走行フィーリングへの影響を抑えている。

7)マス集中・凝縮感を主張する新スタイリング
 ボディは、マス集中感・凝縮感を備えつつ、同時に新エンジンによる良好なトラクション特性を視覚的に表現するため、リアタイヤ主体の新しい造形を採用した。マフラーのショート化設計の効果も加わり、リアタイヤを主体とした駆動感、ミニマム感、前後に圧縮されたパワー感を表現している。またシンプルかつ大胆な面を使ったミドルカウルも特徴である。これはレイヤー(階層)構造を視覚的しており、「車体側面の空気の流れ」と「カウル内側の空気の流れ」の2系統をより視覚的にも表現している。高速の優れたプロテクション性の確保と、冷却系熱処理に積極的に走行風をマネージメントするというミドルカウルの2つの働きを示している。

8)その他の特徴
 この他、(1) 3モードマップ切り替え機能(YAMAHA D-MODE)、(2)スリッパークラッチ、(3) 4-2-1-2 のエキパイ及び2 本出しアップマフラー、(4) 圧側減衰「2WAY 調整機能付」ショックアブソーバー、(5)ソレノイド駆動による「Hi・Lo」切り替えプロジェクターヘッドライト、などを採用した。



2009年欧州モデル 「YZF-R1」 主要仕様諸元(フランス仕様を除く)

 全長×全幅×全高  2,070mm×715mm×1,130mm
 シート高  835mm
 軸間距離  1,415mm
 車両重量  206kg
 原動機種類  水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
 気筒数配列  並列4気筒
 総排気量  998cm3
 内径×行程  78.0mm×52.2mm
 圧縮比  12.7:1
 最高出力  133.9kW(182PS)/12,500r/min
 最大トルク  115.5N・m(11.8kgf・m)/10,000r/min
 始動方式  セル式
 燃料タンク容量  18L
 燃料供給  燃料噴射式
 タイヤサイズ (前/後)  120/70ZR17 M/C(58W)/190/55ZR17 M/C(75W)

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