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電動式テープフィーダーに対応し、インテリジェンス機能を向上 ヤマハ多機能異形モジュラーマウンター「YS88」新発売

2008年5月14日発表

 ヤマハ発動機株式会社の社内カンパニーである「IMカンパニー」(所在地:静岡県浜松市、カンパニープレジデント:加藤敏純)は、異形部品への対応力に優れ、マイコン制御の電動式テープフィーダーの採用でインテリジェンス機能を向上させたモジュラーマウンター「YS88」を開発し、2008年6月30日より発売する。
 「YS88」は、従来機種「YG88」をベースに開発され、3基の搭載ヘッドによる大型部品・背高部品の高速搭載と、チップ部品で±50ミクロン、QFP*1で±30ミクロンの優れた搭載絶対精度を実現したほか、コネクタ等の圧入・組立用途にも効果を発揮する「簡易荷重制御ヘッド」も装備可能。さらに、チップ部品の供給に、マイコン制御の電動式テープフィーダー「SSフィーダー」を採用することで、インテリジェンス機能*2の充実と、本体内蔵式のテープカッター*3への対応を可能とした。これにより、小型高速モジュラーマウンター「YS12」との組み合わせで、「SSフィーダー」対応の実装ラインの構築が可能となり、さらなる生産の効率化や、品質向上、各種データの保管・管理の充実を実現する。
 なお「YS88」は、2008年6月11日から13日まで東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で開催されるエレクトロニクス実装技術関連の展示会「第10回実装プロセステクノロジー展」に出展を予定している。

*1

電子部品を納めるパッケージのひとつ。外観が角型平板で4辺から端子が出ているもの。

*2

インテリジェンス機能:インターフェースを介してマウンター本体と通信し、フィーダーID・部品供給の歩留りなどのデータを監視・管理し、実装ライン全体の稼働状況の把握、故障診断が可能。

*3

内蔵式テープカッター:使用後の部品梱包テープパッケージを自動間欠的に切断し、ユーザビリティを向上。

ヤマハ多機能異形モジュラーマウンター「YS88」

ヤマハ多機能異形モジュラーマウンター「YS88」

名称

ヤマハ多機能異形モジュラーマウンター「YS88」

発売予定日

2008年6月30日

価格

18,500,000円(消費税含まず)

初年度販売計画

150台

市場背景と商品の概要

 近年、携帯電話やモバイル情報機器、デジタル家電などの電子・電気製品市場の量的拡大・質的進化は、プリント基板に搭載する各種部品の搭載数増加・小型化・高密度化・高機能化を加速度的に推し進めている。このため、実装ラインには部品搭載点数の増加に対応する搭載能力アップや、検査機のインライン化による品質の確保、容易な稼働状況の確認、トレーサビリティへの対応など、市場の要望は多様化し、高い付加価値を求める傾向にある。
  「YS88」は、こうした市場ニーズに応え、「モジュール型・高精度・多機能」をコンセプトとする従来機種「YG88」に、マイコン制御電動式テープフィーダー「SSフィーダー」に対応する機能を加え、コンパクト、低価格でありながら、高速性能と高い部品対応力、使いやすさ、インテリジェンス機能等を併せ持つモジュラーマウンターとして開発された。

製品の特徴

(1)

部品、基板対応力の向上

●部品品種数を、交換台車仕様で90本(8mmテープフィーダー換算)、トレイ供給装置を取り付けた場合でも対応可能最大基板幅 410mm を確保。

●最大部品高さ25.5mm、最大□54mmまでの部品の認識・搭載が可能。

●オートノズルステーションは、長ノズル・グリッパーノズル等へのアダプター対応を可能とし、高い部品対応力を実現。

●「簡易荷重制御ヘッド」を採用し、コネクタ等の圧入・組立用途にも効果を発揮。

●部品認識カメラの視野角と分解能をグレードアップし、照明装置の新設計とともに、部品認識のロバスト性と対応範囲を向上。

●「内蔵式テープカッター」(オプション)を採用し、運用性を改善。

(2)

高速搭載の追及

●3基の搭載ヘッドにより、最大0.43秒/chip(当社最適条件)の装着タクトを達成。同時に大型部品の高速搭載も実現。

●ヤマハ独自の「FNC(フライングノズルチェンジ)」を採用。複数ノズルのインデックス機構によるノズルチェンジャー内蔵機構により、ヘッド移動中に吸着ノズルの交換が可能となり、高速性と幅広いサイズの部品への対応を両立。

(3)

インテリジェンス機能の拡充

●実装ライン全体で、ID情報や稼動履歴など様々なデータの保管・管理が可能となり、ライン全体での生産の効率化や品質向上を実現。

●実装ライン支援ソフトウェア「Y.FacT」*を連携させることで、段取り作業指示、作業ミス防止、部品ロットトレース、生産ロットトレースなどのインテリジェンス機能を、スムーズに運用が可能。

* 実装ラインの支援ソフトウェア。データの作成・変換・最適化のほか、生産立ち上げ準備、段取り作業指示ライン監視、生産履歴管理などの機能を持ち、稼働効率の向上とリスク管理を実現する。

(4)

高い精度搭載を維持

●基本構造に高耐久性・高精度のモノコック・フレームを採用。移設時の精度確保に加え、長期間にわたり高い搭載精度の維持を可能とした。

●多重精度補正システム「MACS」*の採用で、組付精度の限界、温度変化、経時変化などの精度変化要因に対し、複合的かつ多重的に精度補正を行い、チップ部品±0.05mm、QFP±0.03mmの搭載絶対精度をフルタイム保証。

* MACS:Multiple Accuracy Compensation Systemの略称

(5)

モジュール・コンセプトの追求

●コンパクトなサイズにより、工場内のライン編成の自在性に優れ、短い製品サイクルや、大きな負荷変動による生産ライン再編成時に、柔軟な対応が可能。

(6)

メンテナンス作業性の向上

●部品吸着ノズル、エア機器など、清掃作業や定期交換が必要な部品のメンテナンス作業性を向上。

(7)

安全基準と環境への配慮

国際安全規格(CE規格)に標準適合させ、スキルフリーでオペレーターと製造装置の安全性を確保。

供給エア源の圧力低減化に対応し、環境へ配慮。

基本仕様

機種名

YS88

対象基板寸法

L50×W50mm ~ L510×W460mm

装着精度

CHIP ±0.05mm(μ+3σ)、CHIP ±0.03mm(3σ)

装着タクト

0.43秒/chip(当社最適条件)

部品品種数

テープ品 90品種(8mmテープ換算/交換台車4ブロック時)
トレイ品 60品種(dYTF使用時)

部品供給形態

8 ~ 72mmテープ品、トレイ品

搭載可能部品

0402 ~ □54mm MAX

搭載可能部品高さ

25.5mm

外形寸法

全幅1,655mm×奥行1,562mm×カバー部高さ1,445mm

本体質量

約1,650kg

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