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新設計アルミフレーム採用 熟成を図ったスポーツコミューター 2008年欧州モデル ヤマハ「TMAX」について

2007年9月11日発表

 ヤマハ発動機株式会社は、500ccの水冷4ストロークDOHC・並列2気筒4バルブF.I.エンジンを搭載するスポーツコミューター「TMAX」について、新設計のアルミ製フレーム採用などによるモデルチェンジを行い、9月28日から開催される「パリ・ショー」(Mondial du Deux Roues 2007)」にて展示し2008年モデルとして欧州市場で発売する。

 今回発表の「TMAX」は、現行モデルのオリジナリティを継承しつつ、“スポーツコミューターの進化”をコンセプトに開発したもので、エンジンの吸排気系の最適化、新設計アルミフレーム、前後15 インチタイヤ採用、新デザイン採用などにより“走りのパフォーマンス”と“クオリティ感”そして環境性能を一層高めたモデルとなっている。なお現行同様A.B.S装備モデルの設定がある。



製品写真

2008年欧州向けモデル ヤマハ「TMAX」


名称

ヤマハ「TMAX」

発売日

2007年10月以降(欧州の各販売会社により異なります)

カラーリング

■マットグレーメタリック1
■ダルパープリッシュブルーメタリックX
■シルバー3
■ブラックメタリックX



製品概要

 ヤマハは2000年7月“スポーツコミューター”を提唱して初代「TMAX」を発表、2001年から欧州を皮切りに発売を開始した。この「TMAX」は“モーターサイクルのような愉しい走り”と“快適なコミューター機能”を両立させた新しい価値観の提唱として、大きな反響を呼んだ。
 当時は、「マジェスティ」(250cc/95年日本導入、96年導入)が欧州で大型スクーター市場を拡大、定着させていた頃だったが、お客様からは一層幅広いエリアでの高速ツーリング機能、タンデム快適性を要望する声も聞かれていた。そのニーズに応え“スポーツコミューター”を提唱したのが「TMAX」だった。
 250ccスクーターの単なる拡大版ではなく、エンジンから車体、ボディの隅々まで独自設計((1)往復ピストンバランサー採用DOHC・2気筒4バルブ・オートマチックエンジン、(2)ダイヤモンド型高剛性フレーム、(3)モーターサイクル型のフロントフォーク等)を織り込むことにより、都市部を中心に半径100~300kmでのタンデム走行を快適に愉しめる機能を具現化。そのスポーツ性、独創的スタイルが支持され“オートマチックスーパースポーツ”と呼ばれる新たなポジショニングを築いた。

 その後「TMAX」は2004年にF.I.(フューエルインジェクション)採用やリアタイヤ径アップ、フロントダブルディスクブレーキ採用などで熟成、2006年には前後ホイールの仕様変更などで商品性を向上し市場をリードしてきた。
 今回の発表の2008年モデル「TMAX」は、初代からのオリジナリティを継承しこれに磨きをかけ、「パフォーマンスとクオリティ」のさらなるレベルアップを狙い開発を進めてきた。開発コンセプト“スポーツコミューターの進化”をキーワードに、エンジンから電装、ボディ、環境性能まで隅々に最新のヤマハ技術を投入している。



主な変更点と特徴

1) 新設計エアクリーナー採用など吸排気系の最適設計
 効率的に空気を取り入れF.I. の特徴を効果的に出すため新作エアクリーナーを採用、またモーターサイクル同様の吸気系レイアウトを採用した。エアクリーナー配置は、フレームのヘッドパイプ後方とし、吸入空気の流れを直線的かつ短距離で繋ぎ、良好な吸気効率を実現。F.I.セッティングの最適化効果が加わって中低速トルクの向上、追い越し加速での優れた特性を引き出している。
 排気系には躍動的で軽快なスポーティ感覚を表現する新設計マフラーを採用。リアカウルの流れと連動させYZF-Rシリーズを彷彿させるデザインとなっている。

2)新設計アルミフレーム(CFアルミダイキャスト)の採用
 メインフレーム及びリアフレームには新設計の軽量アルミ製フレームを採用した。形状自由度のあるヤマハ独自の“CFアルミダイキャスト技術”で製造するもので、スポーツ性とユーティリティを高次元で調和させている。また、メインフレームとリアフレームの連結部にはアルミ押出し材を投入している。なお、従来同様エンジンをフレームにリジッド懸架することで良好な剛性・強度バランスを確保している。

3)フロント15インチタイヤ採用及びディメンション最適化
 フロントには新たに120/70-15インチラジアルタイヤを採用した。これで前後15インチタイヤ装着となり、優れた操縦安定性と乗り心地を実現(従来型はフロント14インチ)。これと連動しフロント廻りのディメンションを一新。フォークオフセット(35mm→30mm)、キャスター(28度→25度)、トレール(95mm→92mm)と最適化し、極低速から高速域まで様々な旋回時の自然なハンドリング特性を引き出した。また新設計の軽量3本スポークダイキャストホイールを前後に採用した。

4)43mmインナーチューブ採用フロントフォーク
 フロントフォークインナーチューブ径を41mmから43mmに拡大した。また、ステアリング軸受けのボールベアリング外径アップ(各47mm→55mm)により摺動抵抗低減をはかり優れた作動性を実現、軽快なステアリング特性を実現した。さらに、ハンドルクラウン、アンダーブラケットについても形状・肉厚、リブ形状までチューニングを施し剛性バランスを最適化した。

5)斬新な新デザインのフロント&リアビュー
 ボディは、フロントビュー、リアビュー、メーターパネルが新たなデザインの特徴となっている。フロント廻りは、従来の流れを継承しつつ力強い凝縮感を伝える新デザインを採用。また2分割式フロントスクリーンを新たに採用し、フロントフェンダーもダウンフォース感を強調するとともに、優れたラジエターへの導風効果を達成した。リア廻りは、従来のイメージを残しながらよりシャープなデザインを採用、斬新なスポーツ感を強調した。
 また新作メーターパネルは、キー穴センターの左右対称タイプで、文字面に傾斜を設け立体的に認識できるもの。これを中央に配置し、左に燃料計、右に水温計を配置した。

6)その他の変更
 その他、(1)リブ廻りの新設計で新フレームとの最適化を図ったリアアーム、(2)モノブロックキャリパー採用フロントキャリパー/5段階調整機能付き前後ブレーキレバー、(3)足着き性の向上と快適な乗り心地を両立させる新シート、(4)降車位置からの使い勝手がよいリアヒンジ式シート開閉システム、(5)左側フロントトランク、(6)15リットル燃料タンク(従来は14リットル)などを採用した。



2008年モデル ヤマハ「TMAX」主要仕様諸元

 全長×全幅×全高  2,195mm×775mm×1,445mm
 シート高  800mm
 軸間距離  1,580mm
 乾燥重量  203kg
 原動機種類  水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
 気筒数配列  並列2気筒
 総排気量  499cm3
 内径×行程  66.0mm×73.0mm
 圧縮比  11.0:1
 最高出力  32.0kW/7,500r/min
 最大トルク  46.4N・m/6,500r/min
 始動方式  セル式
 燃料タンク容量  15.0L
 燃料供給  燃料噴射式
 タイヤサイズ(前/後)  120/70R15M/C 56H/160/60R15M/C 67H

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