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個性的なスタイルと優れた操縦安定性を兼ね備えた新型クルーザー 2008年北米向けニューモデル ヤマハ「RAIDER」について

2007年9月11日発表

 ヤマハ発動機株式会社は、1900ccの空冷4ストロークOHV・V型2気筒エンジンを新設計アルミ製フレームに搭載し、“アーティスティックなデザイン”と“既存のカスタム車イメージを払拭する高次元の走行性”をテーマに開発した新型クルーザー「RAIDER」を開発、2008年モデルとして北米市場で発売する。
 今回の「RAIDER」は既存の“カスタムモデル”にはない個性的なスタイルと、心地よいエンジンフィーリング、従来のカスタム車を払拭する軽快な操縦安定性を高次元で調和させたモデルである。



製品写真

2008年北米向けモデル ヤマハ「RAIDER」


名称

ヤマハ「RAIDER」

発売日

2007年10月以降

カラーリング

■パープリッシュブルーメタリック7
■ブラックメタリックX
■ディープレッドメタリックK
■ディープレッドメタリックK(グラフィック付き)



市場背景と製品概要

 米国市場では今日クルーザー市場が順調に推移し、需要は年間16万台前後だった1997年に対し、今日は約3倍近い45万台を超え堅調に推移している。このなかで近年ひとつのトレンドとして拡大しつつあるのが“カスタマイゼーション”である。最近の北米での“カスタムモデル”は、ロングフロントフォークや存在感を強調するエンジン廻りの処理、太いリアタイヤ、装飾品のような豪華な仕上げなどが特徴となっている。用途は比較的近距離での街乗り、バイカー同士の情報交換、コミュニケーションツールなどが多く、長距離に使うことは比較的少ない。そうした中“カスタムモデル”の愛好家からは「乗り易く信頼性の高いカスタムモデルを希望」という声が聞かれている。
 今回開発の「RAIDER」はこのような背景の中、既存のマスプロダクションにはない個性的なスタイルと心地よいエンジンフィーリング、従来のカスタム車を払拭する軽快な操縦安定性・・・これらを高次元で調和したモデルとして開発した製品である。独自のスタイルの中に、長年のヤマハクルーザーシリーズ開発で培った技術を織り込み“アーティスティックなデザイン”と“既成カスタム車を払拭する高次元の走行性”を両立させている。



主な特徴

■エンジン関係

1)1900ccの空冷OHV・Vツイン
 1900ccの空冷4ストロークOHV・48度Vツイン・4バルブ/2プラグ・F.I.(フューエルインジェクション)エンジンを搭載した。最高出力は4,500回転、最大トルクを2,500回転で発揮、ダイレクト感あるパワーと厚みのあるトルクを備えるこのエンジンは、大排気量Vツインならではのパルス感溢れるフィーリングが特徴となっている。
 基本スペックは「XV1900A」の仕様を継承、燃料タンク裏側のスペースをクリーナーボックスの一部に活用し、優れた脈動効果による吸気効率とスペース効率を両立させている。

2)歯切れの良いパルス感を演出する右出し2-2マフラー
 右出しの2-2マフラー(内部構造は2-1-2)を採用し、F.I.セッティングとの最適化とあわせ、“音”の輪郭がくっきりしたパルス感ある排気音を達成した。また2本のエキパイが集合した部分には排気デバイスのEXUPバルブを装備、優れた低中速域のトルク特性を引き出した。

3)その他の特徴(「XV1900A」と共通フィーチャー)
 その他、(1)エンジンのコンパクト設計にも貢献する左右2分割バランサー、(2)シリンダーヘッドにエンジンオイルを循環させ冷却する油冷システム、(3)シンプルな外観を強調した空冷エンジンならではのシリンダーフィンなど、「XV1900A」同様の特徴を備えている。


■車体関係

1)新設計アルミフレーム
 新設計アルミフレームを採用した。構成する6パーツのうち4パーツは「XV1900A」と同一の形状だが、(1)ヘッドパイプ部からタンクレール部、(2)エンジン懸架部、この2パーツを新設計し新しいキャラクターをもつ新フレームとなっている。エンジン搭載は、ヤマハクルーザーシリーズ同様リジッドで、本モデルではヘッド4ヵ所にて懸架して優れた車体バランスを実現、Vツインエンジンのダイレクト感を堪能できる走行性を引き出している。また、“CF アルミダイキャスト技術”で製造する新設計のリアアームを採用。両サイド廻りの滑らかなデザインが特徴となっている。

2)ヨーク角設定を含むディメンションの最適設定
 1,799mmのロングホイールベースを採用しつつ、自然な操縦安定性を引き出すため、各ディメンションとエンジン搭載位置の最適設計を行った。とくにヤマハ一般市販モデル初のヨーク角※1設定が特徴で、これに連動したフロント廻りを最適化。キャスター34度にプラスし6度のヨーク角を設定。フォークブラケット側のオフセットでみると、トップブリッジ側0mm、アンダーブラケット側30mmとした。これにより102mmの最適トレール量を確保しつつ、フォークをステアリング軸側に近づけることが可能となり、フロント廻りの慣性モーメントを低減。優れた直進安定性と走行中の舵角変化からの影響を受けにくい自然な操縦安定性を高次元で調和させた。


※1 ヨーク角=Yoke angle (英)/“Yoke”は「2頭の牛を首のところで繋ぐくびき」の意。二輪車では、ステアリング軸とフロントフォーク軸が通常平行だが、意図的に傾斜させたときの角度をヨーク角と呼ぶ。


3)カスタムスタイルを提唱する新デザイン
 カスタムスタイルを提唱する新しいデザインを採用した。(1)<Take off Movement>、 (2)<Black art>、(3)<Strong rider attitude>という3要素の調和をテーマに具現化させたもので、外観上の大きな特徴となっている。

4)その他の特徴
 その他、 (1)ワイヤーハーネスなどが見えないハンドル廻り処理、(2)ショックユニット横向き配置でマス集中に貢献するリアサスペンション、(3)15.5リットル容量フランジレスタンク(溶接跡が見えない)、(4)カーボンファイバー繊維入り2次駆動ベルト、(5)ハブ部星型形状の5本スポークキャストホイール、(6)クラスを超えたワイドなフロント120mm幅タイヤ/扁平率40%リアタイヤ、(7)座面にくぼみを設けたシート、(8)優れた環境性能を実現するラムダセンサー採用三元触媒、などが特徴である。



2008年モデル ヤマハ「RAIDER」主要仕様諸元

 全長×全幅×全高  2,572mm×925mm×1,165mm
 シート高  695mm
 軸間距離  1,799mm
 乾燥重量  314kg
 原動機種類  空冷・4ストローク・OHV・4バルブ
 気筒数配列  V型2気筒
 総排気量  1,854cm3
 内径×行程  100mm×118mm
 圧縮比  9.48:1
 最高出力  N.A.
 最大トルク  167.8N・m/2,500r/min
 始動方式  セル式
 燃料タンク容量  15.5L
 燃料供給  燃料噴射式
 タイヤサイズ(前/後)  120/70-21M/C 62H/210/40R18M/C 73H

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