本文へ進みます

コンプライアンス推進特別委員会の提言と当社の対応について

2007年5月16日発表

 ヤマハ発動機株式会社は、2005年12月、経済産業省より輸出管理体制に関する立入検査および2006年1月に同省からの改善指導を受けました。当社はこれを契機に、株主・顧客・取引先などステークホルダーの皆様をはじめ社会から信頼される企業であり続けるために、2006年6月1日付けで社外有識者による「コンプライアンス推進特別委員会」を設置し、当社のコンプライアンス体制について評価・提言をいただきました。
 同委員会では「より信頼されるヤマハ発動機を創ること」「お客様基点の経営に立ち返り、これを徹底すること」を特に重要な視点として議論を進め、当社が今後取り組むべき5つの課題領域を設定し、「問題指摘」と「改善の方向」を提言していただきました。
 同委員会による5つの提言骨子およびこれに対する当社の対応は下記のとおりです。

<コンプライアンス推進特別委員会の提言骨子>

(1)

「お客様基点」を徹底するため、企業統治を強化する

(2)

リスクを合理的に管理するため、専門委員会を機能強化する

(3)

責任ある対応を推進するため、組織風土を抜本的に改革する

(4)

コンプライアンスの機能を強化する

(5)

監査機能を強化する

<当社の対応> ※(・印)は当社が推進中の主な施策

(1)

「お客様基点」を徹底するため、企業統治を強化します。

お客様基点に立ち、役員・幹部にネガティブ情報が上がる仕組みを強化します。
また、意思決定における議論のプロセスを重視し、取締役会の牽制機能を強化します。

独立社外取締役の選任、取締役と執行役員の役割を明確化

コンプライアンス重視の経営姿勢をあらゆる機会を通じて社内に周知

ネガティブ情報が経営トップに速やかに報告される仕組みと風土の醸成

(2)

リスクを合理的に管理するため、専門委員会を機能強化します。

リスク・コンプライアンスに関わる専門委員会の責任権限を明確にし、強化します。
その決定事項を着実に実行に移していく体制を整えます。

グループ全体のリスク管理とコンプライアンスを推進するため、社外有識者も参画する「リスク・コンプライアンス委員会」を設置

個別テーマに関わる専門委員会の責任権限の明確化と強化

「リスク・コンプライアンス委員会」での決定事項を着実且つ迅速に実行するため、下部組織として担当役員を議長とし、コーポレート各部門長で構成する推進会議を設置

(3)

責任ある対応を推進するため、組織風土を抜本的に改革します。

役員・社員各階層へのコンプライアンス教育の一層の充実をはかり、また各階層間のコミュニケーションを促進することにより、一人ひとりが常にお客様、株主・投資家、社会に対する責任を意識して行動する企業風土づくりに取り組みます。

部門長を推進リーダーとする職場レベルでのコンプライアンス教育の推進

各階層別のコンプライアンス教育を充実すると共に、重要法令に関連する部門を対象とした教育研修の強化

「人と組織の活性化」をテーマとした組織風土改革の推進

(4)

コンプライアンスの機能を強化します。

グローバル企業として世界の各国・地域での法令・社会規範に適合した企業活動を推進するために、グローバルに現場を支援するスタッフを育成強化し、グループ全体の企業倫理の向上に取り組みます。

主要リスク・コンプライアンス項目のマネジメントを各コーポレート部門の重要なミッションと位置づけ、各部門にてPDCAサイクルを構築し、スタッフの育成強化を推進

内部通報制度の機能強化と社内への周知促進による実効性の向上

各国・地域での法令・社会規範の遵守を徹底するための倫理行動規範の見直し

(5)

監査機能を強化します。

グローバルな企業活動に対応した効率的で実効性の高い監査体制の整備・強化を進めます。

監査役を支援する体制の強化

内部監査部門の体制強化

地域統括機能の整備を通じたグローバルな監査体制の強化

< ご参考―1 > : コンプライアンス推進特別委員会メンバー

(委 員 長)

高 巖

麗澤大学大学院国際経済研究科 教授

( 委 員 )

江上 節子

早稲田大学大学院公共経営研究科 客員教授

大宮 正

あさひ法律事務所 弁護士

後藤 啓二

西村ときわ法律事務所 弁護士

柴崎 彬

広報戦略研究所 主任研究員

武井 一浩

西村ときわ法律事務所 弁護士

(会社側出席者)

戸上 常司

取締役会長

梶川 隆

代表取締役社長

内山 徹雄

代表取締役

宮尾 博保

取締役

大坪 豊生

取締役

< ご参考-2 > : コンプライアンス推進特別委員会 高 巖委員長コメント

 提言書作成の過程において、会社側は、特別委員会の要求する関係資料を取捨選択することなくすべて開示してくれた。様々な職場・関係会社の社員と率直な意見交換ができるよう、委員会に多くの対話の機会を提供してくれた。経営幹部は、今回の事件を輸出管理問題のみに留めることなく、ヤマハ発動機を「より信頼され、模範となる企業」に飛躍させるための絶好の時と位置づけ、またそれだけに、将来の青写真を作成する当委員会に対しては大変協力的であった。委員会の議論では、トップ自らが委員以上に厳しい自己批判を行うことさえあった。5つの提言は、こうした経営側の決意とコミットメントを裏付けとして、今後、具体的に実行されるものと考えている。

ページ
先頭へ