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基板実装の品質変化点検出機能とコストパフォーマンスを追及した大型基板対応モデル ヤマハ 光学式基板検査装置「YVi-L」 新発売

2007年1月16日発表

 ヤマハ発動機株式会社の社内カンパニーである「IMカンパニー」(所在地:静岡県浜松市、カンパニープレジデント:戸上常司)は、実装ラインの品質変化点検出機能とコストパフォーマンスを追及した光学式基板検査装置「YVi-L」を開発し、2007年1月17日より発売する。
 「YVi-L」は、実装品質確保に効果的な硬化前(ハンダ溶融固化前)の検査運用方法を推奨する、カラーCCDカメラ撮像システムを組み込んだ、インライン配置タイプの光学式基板検査装置「YVi-Mini」をベースに、より大型の基板に対応した製品である。硬化前の段階で、品質変化点として、印刷状態の変化や、部品搭載位置の変化などの不具合に達しない要因を検出することで、硬化後の最終的な実装品質の確保を図る。あわせて、硬化前という段階を生かし、煩雑かつ困難な硬化後の不良品修正作業の削減と歩留り悪化を避けることができる。
 尚、「YVi-L」は、2007年1月17日から19日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「第36回インターネプコン・ジャパン(エレクトロニクス製造・実装技術展)」に出展を予定している。

ヤマハ 光学式基板検査装置「YVi-L」

ヤマハ 光学式基板検査装置「YVi-L」

名称

ヤマハ 光学式基板検査装置「YVi-L」

発売予定日

2007年1月17日

価格

8,400,000円 (自動コンベア幅調整機能:標準装備)(消費税含まず)

初年度販売計画

80台(国内外)

市場背景と製品の概要

 今日、信頼性の高い実装品質検査が要求される基板製造現場では、主に硬化後の工程に光学式基板検査装置を導入することが一般的になっている。ヤマハ光学式基板検査装置「YVi-L」は、この従来の一般的な運用方法を満たしながら、より発展的な運用方法を提案する。
 まず、上位姉妹機「YVi-X2」の代理としての運用方法である。QFP*1やBGA*2を含む実装基板の検査の場合、本質的なハンダ接合の良否判定が可能なX線透過撮像システムを組み込んだ「YVi-X2」をハンダ硬化後の段階に配置して検査を行うのが理想的だが、その高価格ゆえ複数のラインに各々配置することは難しい。このような場合、新種基板生産立ち上げ時期または不具合発生時など源流対策・管理が必要なラインのみ選択的かつ集中的に「YVi-X2」を投入。安定期や問題の少ないラインには低価格を追求した「YVi-L」を常時配置するといういわゆる、ハイ&ローミックス運用により、検査設備のトータルコストの大幅な削減を提案する。
 次に、「YVi-X2」の補佐役としての運用法として、硬化後の最終検査は「YVi-X2」に任せ、「YVi-L」は硬化前(ハンダ溶融固化前)の検査に専念する。硬化前の段階で、品質変化点として、印刷状態の変化や、部品搭載位置の変化などの不具合に達しない要因を検出することで、硬化後の最終的な実装品質の向上を図る。特にQFPやBGAを搭載する直前の段階への配置においては、ハンダ硬化後の修正が難しいQFP、BGAについて、ハンダ接合不具合の発生要因を搭載前に可能な限り排除する事で、製品の信頼性向上とライン全体の直行率の改善が期待できる。
 さらに、「YVi-L」の検査出力履歴データに絡み、実装不具合要因の抽出データとして前工程機にあたる表面実装機と印刷機での実装品質の課題解決に展開利用できるよう、源流対策・管理のツールであるSPC*3機能を設計している。
 当社は、基板実装機器の総合メーカーとして、徹底した品質管理と高い技術力で周辺システムを含めたトータルな基板実装ラインを提案し、顧客のニーズに応える高い実装品質を実現する。

*1 QFP:パッケージの4辺に密集して多数の精密リード電極端子を生成したLSI(大規模集積回路素子)
*2 BGA:パッケージの裏側/下面に格子状配列の多数の球状電極(バンプとも言う、一般的にハンダ素材)を構成したLSI(大規模集積回路素子)
*3 SPC:統計プロセス制御(Statistical Process Control)

製品の特徴

(1)

大型基板に対応

「YVi-Mini」の基本性能はそのままに、L485mm×W410mmサイズの基板まで対応可能。

(2)

システムとしての運用を考慮

上位機種であるハイブリッド基板検査装置「YVi-X2」と共通のオペレーションで操作でき、互いにデータのやりとりが可能。

(3)

検査精度の向上

ドーム形照明とリング形照明の3つの光源を組み合わせた、新照明システムを採用。被検査物をよりクリアに認識し、高い検査精度を実現。

(4)

簡単な設定とオペレーション

検査データの主設定画面を1画面で表示し、搭載した15インチタッチパネルとのシナジー効果で各種設定をスピーディーに行うことが可能。さらに、各種の設定が容易な理解しやすいビジュアルで表示されるため、特別な専門知識を必要としない。

基本仕様

対象基板寸法

L485×W410mm~L50×W50mm

対象基板厚

0.5~2.0mm

検査タクト

1視野(L30.4×W22.8mm)あたり、約0.5秒

安全装置

スイッチ付き安全カバー(操作部近傍)

光学撮像装置

高解像度テレセントリックレンズ付きカラーCCDカメラ

電源仕様

単相AC200/208/220/230/240 V  ±10%  50/60Hz

供給エア源

0.55MPa以上  清浄乾燥状態

外形寸法

L1,206×W1,250×H1,360mm

本体質量

約800kg

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