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ハンダ接合の本質的な判定から不具合要因の抽出までもサポートする、インライン基板検査装置 ヤマハ ハイブリッド基板検査装置「YVi-X2」 新発売

2006年9月21日発表

 ヤマハ発動機株式会社の社内カンパニーである「IMカンパニー」(所在地:静岡県浜松市、プレジデント:戸上常司)は、高い信頼性が求められるにもかかわらず、検査の難しかったQFP*1、BGA*2実装基板を主な対象とする、X線+光学式のハイブリッド基板検査装置「YVi-X2」を開発し、2006年10月4日より発売する。
 「YVi-X2」は、X線透過撮像システムによる直視観測が難しい電極部位のハンダ接合の強度的な良否判定と、カラーCCDカメラ撮像システムによる光学式良否判定を複合して実施する、インライン配置タイプの基板検査装置である。QFP、BGAの採用や、各種部品の小型化・高密度化・高機能化が進む実装ラインの現場において信頼性の高い検査を実施し、併せて基板品質の源流対策・管理にあたる、不具合要因の抽出までサポートする事を可能とする。
 当社は、本製品の発売に合わせ、サービス体制を整備・強化するとともに、検査機、表面実装機、印刷機の各セクションの連携を高め、生産ラインの核となる検査機、表面実装機、印刷機までの、一貫した設計・製造・販売・サービス体制を敷き、当社ならではのトータルな基板実装ラインを顧客に提案する。
 尚、「YVi-X2」は、2006年10月4日から6日まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される「JISSO PROTEC(2006実装プロセステクノロジー展)」に出展を予定している。

 

*1 QFP:パッケージの4辺に密集して多数の精密リード電極端子を生成したLSI(大規模集積回路素子)
*2 BGA:パッケージの裏側/下面に格子状配列の多数の球状電極(バンプとも言う、一般的にハンダ素材)を構成したLSI(大規模集積回路素子)



ヤマハ ハイブリッド基板検査装置「YVi-X2」


名称

ヤマハ ハイブリッド基板検査装置「YVi-X2」

発売予定日

2006年10月4日

価格

19,800,000円(自動コンベア幅調整機能:標準装備)(消費税含まず)

初年度販売計画

100台(国内外)


市場背景と製品の概要

 現在、QFPリード部分のハンダ接合検査には、光学式検査装置を用いることが一般的だが、リード部分の上面側、いわゆるトップフィレット部位の反射光を検出する方式のため、
(1)QFP周囲の部品が照明光の障害物となりうる
(2)リード先端加工の影響を受けやすい
(3)ハンダが溶融固化してできるトップフィレットは形状的、反射率的なバラツキを伴う
などの原因で、確実な良否判定が難しく、過判定(良品をNGと判定)や見逃し判定(NGを良品と判定)を排除できなかった。また、ハンダ接合の本質である強度的品質を担うバックフィレット部位(リード部分の裏側や下面でハンダが溶融して濡れ上がり、固化して生成する部分)の状態を良否判定するものでもなかった。
 「YVi-X2」は、X線透過撮像システムを組み込み、X線透過画像の濃淡と面積形状からバックフィレット部位の状態を良否判定することで、飛躍的に高い信頼性を確立した検査装置である。
 また、BGAについても従来は部品裏側・下面の電極部位を直視することができないので、インサーキットテスターやファンクションテスターで電気的導通や能動的機能を検査するしか方法がなかったが、電極部位の一時的接触か恒久的接合かまでを判別する事はできなかった。これに対して、「YVi-X2」のX線透過撮像システムは、電極部位のハンダ形状から、恒久的接合か否かの判定を可能とした。
 さらに、「YVi-X2」の検査出力履歴データに絡み、実装不具合要因の抽出データとして前工程機にあたる表面実装機と印刷機での実装品質の課題解決に展開利用できるよう、源流対策・管理のツールであるSPC*機能を設計。このSPC機能と、当社の検査機チーム、表面実装機チーム、印刷機チームの連携したサービス体制により、顧客の生産ラインにおける高い品質と信頼性をサポートする。


*SPC:統計プロセス制御(Statistical Process Control)

 

製品の特徴

(1)QFPリードのバックフィレットやBGAのバンプ電極など、直視観測が難しい電極部位のハンダ接合の強度的な良否判定をX線撮像システムにより、インライン検査装置として可能とした。


(2)高精度・安定検査
検査対象により同一視野内であっても任意に最適な検査照明を選択できる。光学3段角度付照明、赤外線、X線を自由にチョイスしながら検査データ作成を可能とした。X線検査装置は高解像度X線源を採用し、高い信頼性を確立。さらに、光学式照明はドーム形照明とリング形照明の3つの光源を組み合わせた、新照明システムを採用し、被検査物をよりクリアに認識することで、検査精度を高めている。


(3)光学式検査に対応
X線透過撮像システムとともに光学式撮像システムも同軸配置で組み込まれ、一般的な部品の有無判定、ズレ判定、極性判定、誤装着判定など、通常の光学式検査も実施可能とした。同軸配置により、小型化と検査ロスタイムの削減、およびシームレスな操作性を実現している。


(4)厳重な安全機構
強固なX線シールド構造と各扉にはドアスイッチ、更に基板搬入・搬出口にはシャッターを装備し、X線の漏洩を防止している。


(5)簡単な設定とオペレーション
光学式基板検査装置「YVi-Mini」同様の簡単設定・オペレーションをそのままに、X線検査を可能にしたハイブリッド検査装置で、X線装置を意識することなくオペレーションが可能となり、システムとしての使いやすさを実現した。

 

基本仕様

対象基板寸法

L460×W410mm~L50×W30mm

※W方向両端3mm領域は、コンベア搬送のため、X線透過判定できません。

対象基板厚

0.4~3.0mm

検査タクト

1視野(L24×W17mm)あたり、約0.55秒

安全装置

スイッチ付き安全カバー(操作部近傍) X線漏洩遮断シールド構造
X線漏洩遮断シャッター(コンベア入口出口)
X線照射確認表示灯

※安全カバー、シャッター開時にはX線照射しません。

X線発生装置

管電圧 最大90kV
管電流 最大800μA (500W未満)
密封型パルスマイクロフォーカス方式

電源仕様

単相AC 200/208/220/230/240 V  ±10%  50/60 Hz

供給エア源

0.55MPa以上  清浄乾燥状態

外形寸法

L1,580×W1,350×H1,470mm

本体質量

約 1,700kg


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