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次世代クルーザーを提唱するオールニューモデル 2007年北米向けクルーザー 「V Star1300」について

2006年06月26日発表

 ヤマハ発動機株式会社はこのほど、新開発の2007年北米向けモデル「V Star1300」を発表、今秋より北米市場にて発売する。

 「V Star1300」は新設計の水冷1300cc・4ストロークOHC・V型2気筒4バルブエンジンを新設計ダブルクレードルフレームに搭載し、新クルーザーを提唱するモデルである。現行の「V Star1100」の優れた走行性と扱い易さを継承し、北米での交通環境に呼応し“積極的な走りが楽しめるクルージング性”と“ゆとりの居住性”という要素を融合させた次世代クルーザーとなっている。



製品写真

2007年北米向けモデル ヤマハ「V Star1300」


名称

ヤマハ「V Star1300」

発売日

2006年10月以降

カラーリング

「V Star1300」:
■ブラックメタリックX
■ダークパープリッシュブルーメタリックL
■ディープレッドメタリックK
「V Star1300CT」:
■ブラックメタリックX
■ディープレッドメタリックK
■シルバー3



開発背景と製品の概要

 ヤマハが北米に1999年から導入したミドルクラスクルーザー「V Star1100(A/AT)」(日欧名「XVS1100(A/AT)」)は、ロー&ロングスタイルと従来のクルーザーイメージを超える高い走行性、パルス感あふれる走行フィーリング、手軽なサイズ感、扱いやすさ、品質が支持され、2006年現在までの8年間で北米では合計10万台を出荷した人気モデルである。また今日、同モデルは米国市場でヤマハのスターシリーズの主力モデルとなっている。

 さて近年、北米ではハイウエイでの巡航速度が一部地域で従来の55mphから75mphへと高められるなど道路環境変化が見られ、ミドルクルーザーの一層の快適性や居住性を求める声が聞かれている。こうしたニーズに呼応し“イージー・オペレーション&官能スポーティ性能No.1クルーザー ”をコンセプトに開発したのが今回発表の「V Star1300」である。現行「V Star1100」の手軽で扱いやすい走行性を継承・進化させつつ、より積極的な走りを楽しめるクルーズ性能をゆとりあるボディで具現化したクルーザーである。躍動感あふれるルーミーな新ボディに、高次元のハンドリング性、扱い易さ、高速度域でのクルージングパフォーマンスと加速力、パルス感ある乗り味などを凝縮させた。



主な特徴

■エンジン関連

1)新設計1300cc水冷OHCエンジン
 優れたクルージングパフォーマンスと加速力、パルス感あふれるVツインフィーリングを実現するため、新設計水冷4ストローク・60度V型2気筒4バルブ・フュエルインジェクションエンジンを採用した。ボア・ストロークは100×83mm(V Star1100=95×75mm)で、ペントルーフ型コンパクト燃焼室、9.5:1の圧縮比(V Star1100=8.3:1)から優れた出力特性を引き出している。 なおプッシュロッドをもたないOHCの特徴を生かしてシリンダーフィン中央部にくぼみを持たすと共に、フィンにはバフ掛け処理し視覚的にVアングルを狭く見せ凝縮感のあるエンジン外観となっている。

2)左右分割バランサーの採用
 体感振動を抑え心地よいパルス感を強調するため1軸バランサーを左右分割方式にて採用した。左右分割とすることでエンジンのコンパクト化を図った。

3)右サイド集中エアクリーナーとFI
 ローダウンのボディを具現化し、FI噴霧との最適化を図るためシリンダー右サイド側に集中配置のエアクリーナーを採用。ポート形状の最適化と相まって良好な吸気特性を達成した。

4)スキッシュエリア最適設計及びロングリーチプラグ
 混合気が、圧縮行程の終了ごろに燃焼室中心に向かって効率よく流れ、燃焼速度向上を図るためスキッシュエリア最適設計を行った。スキッシュエリアをサイド方向に広く確保し、混合気が渦を巻きつつ素早く燃焼室中心に押し出される設計となっている。FI 噴霧の最適化、小型設計燃焼室、26.5mmのロングリーチプラグ(現行「V Star1100」 は19mm)などとの相乗効果で優れた燃焼効率を達成した。


※スキッシュエリア:燃焼室も効果的な渦を発生させる部分。


5)メカニカルロス低減に貢献するローラーロッカーアーム
 OHCのバルブ駆動には、ローラーロッカーアーム式を採用した。スリッパー部にニードルローラーベアリングを採用し、常にスリッパー部を回転運動させてアームとカムとの摺動抵抗を低減させた。これでバルブの十分なリフト量確保と穏やかな着座スピードが可能となり、低速時のフリクション低減に貢献。低中回転域での幅広いトルク特性に貢献している。

6)高性能なエンジン特性を引き出す水冷方式の採用
 優れたエンジン性能を安定して引き出すため水冷を採用した。高精度のタペットクリアランス設定が可能で、優れた出力特性とバルブ廻りのノイズ低減に貢献。このノイズ低減から排気サウンドが強調されパルス感をより印象付ける乗車感を達成している。
 またウォーターポンプはケース内に収め、LLC(冷却水)通路も外観からほとんど見えないレイアウトとしてシンプルな外観となっている。導風用フィン付のラジエターもダウンチューブフレーム間に配置し存在を誇張しないデザインとした。

7)新構造マフラーの採用
 Vツインの不等間隔爆発による心地良いパルス感を強調するために、新構造マフラーを採用した。“断続的に発せられる低音部・歯切れのいい低音”を照準に開発したこの新構造マフラーは、高周波を抑制し低周波部を強調する排気サウンドを引き出している。

8)ラムダセンサー付き三元触媒
 優れた環境性能を実現するためラムダセンサー付き三元触媒をサイレンサーに配置した。ハニカム触媒は前側にメインの1/8容量となるサブ触媒、後側にメイン触媒を配置。前側触媒は小容積ながらも高担持とし、排ガスに対する化学反応の速度をアップ。ここを通過した排ガスの温度は上がっていることから、メイン触媒では低担持量ながら効率的な反応が可能となり、触媒トータルの小型化に貢献している。


※ラムダセンサー:O2センサーとも呼ぶ。排気ガス中の残留酸度濃度検知の装置。


■車体関連

1)新設計フレームと最適前後重量バランス
 スチール部材約30個のパーツを相互溶接しひとつのユニットとした新設計ダブルクレードルフレームを採用した。エンジン懸架は、リジットでヘッド1点・ケース側3点とし車体ストレスメンバーにエンジンを積極的に活用し、高い剛性バランスを確保した。また新設計リアアーム、新ディメンションとの相乗効果により、荷物積載時、タンデム、高速走行時、高速旋回時など、さまざまな条件下で高い性能を引き出している。
 ホイールベースは現行「V Star1100」比で45mm延長、前輪分布荷重は48%に設定し、軽快かつスポーティでありながら、落ち着きも兼ね備えた特性の良いハンドリングを達成した。

2)リンクを最適化したモノクロスサスペンション
 フロントサスペンションには現行の「V Star1100」同様のインナー径41mmの正立式を採用。車体剛性部材としての優れた特性とバネ特性最適化による良好なクッション特性を引き出した。またリアにも定評のリンク式モノクロスサスペンションを採用、新設計ロングリアアームに合わせて、リンク特性の最適化を図り新作とした。広範囲な走行条件を網羅する優れたクッション性能を引き出し、新作シート形状及び、吸収性向上と合わせて、長時間走行における快適性向上を実現している。

3)新設計リアホイール
 リアホイールは新作キャストホイールを採用した。リアのリムはワンサイズアップとし、装着タイヤは170/70B16(「V Star1100」は170/80-15)サイズとして最適化を図った。またリアホイールダンパーは、高ダンピング特性をもつ素材を採用し、ダイレクト感あふれる走行フィーリングを引き出した。なお前輪ホイール、タイヤサイズは現行「V Star1100」同様である。

4)ベルトドライブの採用
 優れた信頼性とカスタマイズを配慮したベルトドライブ駆動を採用した。高出力エンジンとロングリアアームとの適合化を図るため、強度・剛性の最適化を図った新設計ベルトとなっている。

5)優れたストッピングパワーを備える前後ブレーキ
 優れたストッピングパワーを確保するため、フロントブレーキには外径298mmのディスクをダブルで装着。リアブレーキは、キャリパーを下付としてシンプルな外観を印象づける298mm径ディスクブレーキを採用した。

6)ゆとりあるライディング・ポジション
 ゆったりしたフラットなシートを採用した。「V Star1100」比でやや進行方向前に移したステアリング軸位置との相乗効果で、ゆとりあるライディング・ポジションを実現している。またヒップポイントが固定されるのではなく、とくに後方に自由度が高く、長時間走行でも疲労度の少ないシートとなっている。

7)前後に伸びやかな造形のフューエルタンクと新作メーター
 クルーザーモデルのスタンダードな表現であるティアドロップを踏襲しつつ前後に伸びやかなスムーズさを印象づける18.5リットル燃料タンクを採用した。タンクの造形を強調するシルエットを具現化するため、メーター類はハンドル部配置とし、タンクキャップはエアプレーン型とした。なおメーターは、ガラス面を水平に近い角度とし文字盤をライダー側に傾斜させ余分な映り込みの少ない良好な視認性と高いデザイン性を両立させた。

8)ワイルド・ストリームラインのヘッドライトと新ボディ
 “ワイルド・ストリームライン”コンセプトを具現化した新ボディを採用した。とりわけ異形ボディのヘッドライトは個性を強調。またタンク、シート、フェンダーなど各パーツの輪郭が連なって流れるような線を描くデザインが特徴である。フレームの後端も、リアタイヤの輪郭に沿って円弧を描くデザインとし、これらの調和でトラクション感や躍動感を主張するデザインとなっている。



2007年北米向けモデル ヤマハ「V Star1300」主要仕様諸元 ※〔 〕内はCT

 全長×全幅×全高  2,490mm×980mm×1,115mm
 シート高  715mm
 軸間距離  1,690mm
 乾燥重量  283kg〔303kg〕
 原動機種類  水冷・4ストローク・OHC
 気筒数配列  V型2気筒
 総排気量  1304cm3
 内径×行程  100mm×83mm
 圧縮比  9.5:1
 最高出力  ー
 最大トルク  110.9N・m/4,000r/min
 始動方式  セル式
 燃料タンク容量  18.5L
 燃料供給  フューエルインジェクション
 タイヤサイズ (前/後)  130/90-16M/C 67H/170/70B16M/C 75H


ヤマハ「V Star1300」フィーチャーマップ

フィーチャーマップ


メーカー希望小売価格

ヤマハ「V Star1300」

未定

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