近年、顧客ニーズの多様化が進む中、輸送機器の分野においても、よりファッション性が高く、質感の高い商品を望む声が高まっている。二輪車においてもこの傾向が著しく、外装部品には多色・多彩なデザインやグラディエーション表現等が強く求められている。しかし、通常の塗装では、表現できる色やデザインに限界があるため、より自由度の高いデザイン表現ができる新しい技術への期待が高まっている。
一方、絵柄印刷したフィルムを用いる表面加工技術は、塗装に比べ多彩で高い質感のデザイン表現が可能とされ、乗用車の内装や携帯電話などに実用例がある。しかし、従来のフィルム成形では外装用途に必要な耐候性や耐傷つき性を満足し、かつ樹脂や金属部品へ精度良く、端部裏までフィルムを巻き込ませて密着させることは困難であった。 |