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完全新設計水冷4ストローク135ccエンジン搭載 スポーティな走りを上質感あるボディに凝縮させたアセアン向けモデル ヤマハ スポーティモペット「T135」について

2005年09月20日発表

 ヤマハ発動機(株)は、水冷4ストロークSOHC単気筒135cc・4速ロータリー式ミッション採用エンジンを、上質感&未来感覚あふれるボディに搭載したスポーティモペットの新製品「T135」をこのほど開発、05年10月よりインドネシアを皮切りとして順次アセアン向けに発売を開始します。

 今回の「T135」は、《高性能とファッション性の融合》をキーワードに企画・開発を進めてきたモデルで、随所に最新の技術を投入しました。ヤマハ4ストロークモペット初の水冷式エンジン搭載、信頼性のあるダイアジルシリンダー、振動が少ない軽量アルミ鍛造ピストン、燃費特性に貢献するローラーロッカーアーム式4バルブ、4速ロータリー式ミッション、新設計ダイヤモンド型フレーム、冷却効果と乗り心地を両立させたエアロカウル採用などの相乗効果により、従来型125ccスポーティモペットでは実現できなかった高次元な走行性を達成、これを上質かつ清楚でスタイリッシュなボディに凝縮させています。



製品写真

ヤマハ スポーティモペット「T135」(インドネシア向け仕様車)


名称

ヤマハ スポーティモペット「T135」

発売日

2005年10月より

販売計画

50万台(年間、インドネシア、タイ、
マレーシア、ベトナム、フィリピン合計)



市場背景と製品概要

 アセアンの二輪車需要は近年急成長中で、インドネシア・タイ・マレーシア・ベトナム4ヵ国を合わせた販売数は、2004年の実績で約720万台となっています。これは2002年の約30%アップに値し、今後も所得水準の向上に伴い伸長が予測されています。
 需要の中心は110cc~125ccのモペットタイプで通勤・業務から若年層のコミューター用途まで広く今後も需要の主体になると予測されますが、これに伴いニーズも多様化しています。特にヤング層からは「より高い性能を望む」「125ccの枠を超えた新型モペットを望む」「スポーティな走り」「斬新なスタイルを望む」といった声が強く次世代モペット登場の期待感が高まっています。

 この背景の中、「T135」の製品化にあたっては【高性能とファッション性の融合】をコンセプトに、開発ベクトルを〔パフォーマル(Performal=PerformanceとFormalを掛けた造語)〕とキーワード化し、エンジンから車体、ボディデザインの細部に至るまで最新技術を織り込み、既成のスポーティモペットのイメージを超えた高次元な走行性、乗り心地、ボディ外観、環境性能を実現しました。

 なお当社は、2004年12月で終了した中期経営計画「NEXT50」に続く2005年1月~2007年12月までの3年間を対象に、経営課題、事業戦略、数値目標を定めた新中期経営計画「NEXT50-Phase II」を2005年1月に策定しました。このNEXT50-Phase IIは、前中期経営計画「NEXT50」の第二段階と位置づけ成長性と収益性の更なる向上を目指しています。この中の二輪車事業の分野では、新機種投入数は前中期3ヵ年に比べ約25%増の計画で、また生産能力は2007年時点においてアセアンでは現状より160万台増の300万台体制の構築を計画しており、今回の「T135」はその一翼を担うモペットのフラッグシップモデルとなります。



主な特色

■エンジン関連

1)ゆとり感が心地よい低速性能と伸びの良い高速性能を両立した水冷135cc&4バルブ
 優れた性能を安定して引き出し低騒音、低振動に貢献する新設計水冷式4ストローク135ccエンジンを採用しました。大排気量のスポーツバイクに匹敵する10.9:1という高い圧縮比と、素早い燃焼速度を実現するペントルーフ形燃焼室採用により、優れた出力特性を引き出しています。135ccの排気量は余裕の低速性能に貢献、4バルブは、中~高回転域での優れたパワーフィーリングと加速性能を引き出しています。
 なお、水冷化に伴うラジエターなどは徹底したコンパクト設計を行い、また走行風を効果的に冷却に活用する車体設計と相まって、優れたエンジン性能と軽量・小型ボディを両立させました。

2)ダイアジルシリンダーの採用
 シリンダーにはヤマハ独自のダイアジル(DiASil)シリンダー(オールアルミ製シリンダー)を採用しました。このシリンダーは、ヤマハ独自のアルミ鋳造技術で生産するもので、高硬度で信頼性のあるシリンダー表面を形成できるのが特色です。従来型の鉄スリーブが不要であることから放熱性に優れるとともに、独自の細かなホーニング(表面処理)によりシリンダー表面からのオイル揮発を押さえ、優れたオイル消費特性を実現しました。なお、市販製品へのダイアジルシリンダーの採用は「YP250Gグランドマジェスティ(日本市場向け製品)」に続き本モデルが2機種目となります。

3)ヤマハモペット初となる鍛造ピストンの採用
 軽量高強度で、往復重量の低減が可能となり、その結果振動の少ない走行性能に貢献するアルミ鍛造ピストンをヤマハ製モペットとして初採用しました。なお、成形時にアルミ合金を溶かさずに成形するのでアルミの凝固組織が壊されず、高い強度を保持できるのが、アルミ鍛造ピストンの特色です。
 
4)優れた環境性能の実現
 排出ガスの未燃焼成分を排気管に戻し再燃焼(酸化)させ排ガス浄化するエア・インダクション(二次空気導入システム)を採用しました。ここで浄化した排ガスを、さらにマフラー内のマルチチューブタイプ触媒で浄化し排ガスのクリーン化を図り、優れた排ガス性能を実現しました。

5)その他エンジン関連の特色
 この他、(1)優れた燃費特性と低中での滑らかな走行フィーリングを引き出すローラーロッカーアーム採用、(2)良好な発進加速、追い越し加速性を達成する加速ポンプ付きVMキャブレター採用、(3)TPS(スロットルポジションセンサー)採用による、エンジン回転数とスロットル開度情報を元にした3次元マップ制御(最適点火タイミングと優れた燃費性達成)などが特徴となっています。


■ボディ関連

1)新設計フレームと前後重量バランス最適化(前45%後55%)
 フレームには、剛性バランスに優れたパイプ構成のダイヤモンド型を新設計して採用しました。エンジンの懸架を4点リジット式とし、エンジンを車体の強度・剛性メンバーとして寄与させる設計により優れた剛性バランスを実現しました。またスポーツバイクに近い、前45%後55%の最適重量配分設計は、エンジン搭載位置、重心位置やキャスター・トレール値最適化効果と相まって軽快でナチュラルなハンドリングを達成しています。

2)乗り心地と、しなやかなコーナリング特性を引き出すモノクロスサスペンション
 重量マス集中化と余裕のホイールトラベル確保を生み出し、大排気量のスポーツバイクで定評のあるモノクロスサスペンションを新設計して採用しました。フレーム及びリヤアームの剛性及び相互位置関係の最適化により、優れた乗り心地とコーナリングでのしなやかな特性をあわせて実現しました。

3)冷却性と快適な乗り心地を実現するエアロカウル
 斬新かつ清楚なエアロカウルを採用しました。前方のエアーガイドから導かれる走行風がラジエターに送られ冷却効果を促進する一方、別設定のダクトからは走行風がカウル内部を通過し、発生するエンジン熱を相殺し熱風が直接ライダーに当たらない仕組みとし、優れた冷却性と快適な乗り心地を引き出していています。

4)個性を主張する世界初の5灯フロントマスク
 ヤマハのフラッグシップスーパースポーツYZFシリーズのイメージをかもし出す斬新なフロントマスクを採用しました。ヘッドライトが中央に、左右のポジションランプは、2眼タイプでスポーティなマスクを演出。このポジションランプの外側にフラッシャーランプが配置され、5灯のフロントマスクとなっています。



ヤマハスポーティモペット「T135」主要諸元(インドネシア仕様)

 全長×全幅×全高  1,945mm×705mm×1,065mm
 シート高  770mm
 軸間距離  1,245mm
 最低地上高  140mm
 乾燥重量/装備重量  103/109kg
 原動機種類  水冷・4ストローク・SOHC 4バルブ
 気筒数配列  単気筒
 総排気量  134.4cm3
 内径×行程  54mm×58.7mm
 圧縮比  10.9:1
 最高出力  8.45kW/8,500rpm
 最大トルク  11.65 N・m/5,500rpm
 始動方式  セル・キック併用式
 潤滑方式  ウェットサンプ
 エンジンオイル容量  1.2L
 燃料タンク容量  4L
 キャブレター型式  VM21×1
 点火方式  DC-CDI式
 1次減速比/2次減速比  2.875/2.600
 クラッチ形式  発進クラッチ=湿式遠心、変速=湿式多板
 変速機形式  ロータリー式4速
 変速比  1速2.832 2速1.875 3速1.354 4速1.045
 フレーム形式  ダイヤモンド型
 キャスター/トレール  25°30’/75mm
 タイヤサイズ (前/後)  70/90-17/80/90-17
 ブレーキ形式 (前/後)  油圧式シングルディスク/ドラム
 懸架方式 (前/後)  テレスコピック/モノクロス
 ヘッドライト  12V32W/32W×1


ヤマハ スポーティモペット「T135」(インドネシア仕様)フィーチャーマップ

フィーチャーマップ

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