1)全面新設計1854cc(113キュービックインチ)の空冷OHVツインエンジン
全面新設計の空冷4ストロークOHV・48度Vツイン・4バルブ/2プラグ採用の1854cc(113キュービックインチ)エンジンを採用しました。ボア×ストロークは、「Road Star Warrior」の97×113mmに対し、ボアストロークとも拡大の100×118mmに設定、9.5:1の圧縮比、フライホイールマス最適設計などの相乗効果から、ダイレクト感あるパワーと厚みのあるトルクを発揮します。
最大出力は4,250回転にて、また最大トルクを2,500回転で絞りだし大排気量Vツインならではのパルス感溢れる走行フィーリングを実現しています。とくに55~75mph巡航という現在の米国でのクルーズ速度域での快適性が特色です。なお75mphでのトップギア走行時、回転数は約3,300rpmとなり、心地よいパルスが楽しめる設計となっています。
2)燃焼効率を徹底追求した燃焼室の設計
優れた燃焼効率を実現するため、バルブ配置の最適化、カムプロフィール最適化、新形状ピストン採用などを行いました。また2プラグとの最適化を図るため、ピストン天面はふたつの凹面をもたせ、気筒あたりふたつの燃焼をイメージさせる火炎伝播を達成しました。素早い燃焼を促進して優れたトルク特性を実現しています。なおピストン(鍛造)のスカート部は53.6mmのショートタイプとし、ビッグボアながらもピストン単体重量では「Road Star Warrior」比で30g軽量化を図っています。
3)低振動とパルス感を両立させバランサー及び新3軸配置
低振動と心地よいパルス感を両立させるため新開発のバランサーを採用しました。バランサーウェイトを左右に分割し小型設計するとともに、左側ウエイトをクランク同軸配置、右側ウエイトをクランク軸に近接させるヤマハ独自の新方式を採用しました。これにより偶力発生を最小限に抑え、コンパクトなクランクケースサイズを実現しています。
なお、大排気量に呼応して、クランク/メイン/ドライブ軸の各軸廻りギアは、クランク/メイン軸間を5mm拡大し信頼性を確保しつつ、クランク/ドライブ軸間は「Road Star Warrior」同サイズとし、大排気量化ながらもコンパクトなクランクケースを実現しています。(「Road Star Warrior」同サイズ)
5)フューエルインジェクションの採用
ドライバビリティと環境性能を両立させるためダウンドラフト型のツインボア・FIを採用しました。大排気量に合わせて吸気スロート径は30.5mm(「Road Star Warrior」は29mm)とし最適化を図りました。スロットルボディは「Road Star Warrior」と同様クロス状配置でシリンダーVバンクに配置しました。