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ヤマハ発動機株式会社 新中期経営計画について -新3ヵ年計画 "NEXT50-PhaseⅡ"-

2005年01月18日発表

 ヤマハ発動機株式会社は、2004年12月で終了した中期経営計画「NEXT50」に続く2005年1月~2007年12月までの3年間を対象に、経営課題、事業戦略、数値目標を定めた新中期経営計画「NEXT50-Phase Ⅱ」を策定しました。


 NEXT50-Phase IIは、前中期経営計画「NEXT50」の第二段階と位置づけ、利益体質を確固たるものとするとともに、これまでの改革の勢いを加速させ、成長性と収益性の更なる向上を目指すものです。その成果として、新中期経営計画終了の3年後には、連結売上高1兆4,500億円、連結営業(経常)利益1,200億円、有利子負債500億円(実質ベースでゼロ)を目指します。


□ 前中期経営計画「NEXT50」について

「NEXT50」は、為替変動に左右されない企業体質を目指し、「利益志向」を掲げ、「成長性確保」「収益力向上」「財務体質強化」を経営課題として取り組んできました。 特に海外二輪車事業・ATV(四輪バギー)事業・船外機事業・IM(産業用ロボット)事業が業績を牽引し、2004年12月期の業績(9ヶ月+2004年1~3月の12ヶ月換算)は、 売上高1兆1,403億円、経常利益875億円、経常利益率7.6%、ROE16.3%、自己資本比率38.4%、有利子負債1,070億円となる見込みであり、全ての項目において当初計画を大きく上回ることができました。

なおこの成果により財務体質は大幅に強化され、それに鑑みて格付けが向上しました。

新中期経営計画「NEXT-PhaseⅡ」について

当社が、新中期経営計画で掲げる基本方針、経営課題、数値計画、株主還元の考え方と基本戦略は以下の通りです。


1.

基本方針

 

利益体質に加え、「価値」「収益」「成長」のバランスをとり、「オンリー・ワン ブランド」を目指す。


 

2.

経営課題

 

(1)価値(差別化価値の追求)

 

独自技術による差別化価値の創造

 

ブランド価値とマーケティング戦略

   
 

(2)収益(利益志向の継続)

 

欧米事業の安定的収益拡大

 

IM事業の高収益維持と拡大

 

コストダウン継続と強化

 

高付加価値マーケティングの展開

   
 

(3)成長(成長機会の取り込み)

 

アセアン二輪車事業の拡大

 

BRICs市場の開拓・基盤確立

 

新規ドメインでの事業化推進


3.

数値計画

 

USドル105円、ユーロ128円を前提為替レートとした2007年12月期の連結業績数値目標を以下の通りとします。

 

連結売上高

:1兆4,500億円(2004年12月期の12ヶ月換算比27%増)

 

連結営業利益

:1,200億円(同36%増)

 

連結経常利益

:1,200億円(同37%増)

 

経常利益率

:8.3%

 

ROE

:14.7%

 

自己資本率

:48.3%

 

有利子負債

:500億円(預貯金との相殺後、実質ベースでゼロ)


4.

株主還元の考え方

 

明確な配当政策の開示・実行

 

株主還元絶対額の増加

 

業績を反映した配当実施


5.基本戦略

新中期経営計画の基本戦略は、ヤマハらしい「差別化価値の追求」の上に、安定基盤の確立に向けた「利益志向の継続」と積極的な「成長機会の取り込み」に取り組み、成長性と収益性の更なる拡大を目指していきます。


具体的には、差別化価値の追求として、独自技術による差別化価値の創造に加え、ブランド戦略とマーケティング戦略に取り組み、顧客価値の創造・拡大を目指します。


利益志向の継続は、欧米での二輪車・船外機・ATV等の各事業に加え、IM事業での収益拡大やシステムサプライヤー体制の推進によるコストダウンの継続、高付加価値マーケティングの展開などで推進してまいります。


成長機会の取り込みは、今後とも需要拡大が予測されるアセアン二輪車事業の更なる拡大に加え、ブラジル・インド・中国の基盤再構築とロシア市場の開拓、そしてバイオ事業や電動ビークルなどの新規ドメインでの事業化推進等で実現してまいります。


また設備投資においては、価値・収益・成長の3つのテーマに対して積極的な投資を行い、新中期3ヵ年の合計で、前中期比較で約60%増となる2,100億円を計画しています。


なおCSR(企業の社会的責任)の遂行、コーポレートガバナンスの強化、人と組織の活性化を当社の持続的成長を図るための土台とし、その確実な実施によりステークホルダーへの貢献と感動創造企業としての価値提供を果たしてまいります。


□主要事業の事業戦略

1.

二輪車事業

 

二輪車事業が全社の売上・利益を牽引していくために、新中期3ヵ年において、アジアでは増産投資・新機種投資・自製率の更なる向上のための部品会社の設立、そして欧米では新機種投資、合理化投資、また事業全体では開発体制の強化、環境対応に向けた投資を積極的に実施してまいります。

具体的には、新機種投入数は前中期3ヵ年に比べ約25%増の計画であり、また生産能力はアセアンにおいて現状より160万台増の300万台体制を構築してまいります。さらに、その販売を支援するブランド戦略とマーケティング戦略を欧州・アジア・米国など世界各地域で展開し、ハードとソフトが一体となって売上・利益の拡大を目指してまいります。

   

2.

船外機事業

 

船外機事業は、世界のリーディングポジションと高収益体質の維持を目指していきます。具体的には、環境対応型の4ストローク大型船外機の開発推進とラインナップの強化に加え、ボートビルダーとの連携を今後も強化してまいります。また欧米以外の途上国での高シェアの維持拡大の為、商品の4ストローク化と市場に密着したサービス活動を強化してまいります。

さらに事業拡大に向け、船外機を船に搭載する際に使用する部品や用品など周辺事業(リギング事業)にも取り組んでまいります。

   

3.

ATV(四輪バギー車)事業

 

ATV事業は、市場が成熟化するなかでの収益体質の向上に加え、新規領域の開拓で事業成長も目指していきます。具体的には、ATV領域において、北米にてスポーツカテゴリーとユーティリティーカテゴリーに注力するとともに、欧州など北米以外の地域での販売拡大に努めます。

また、昨年サイド・バイ・サイド・ビークルという新規ドメインの商品を発売し評価を得ており、このドメインでの更なる売上・利益の拡大を図ってまいります。

   

4.

IM(産業用ロボット)事業

 

IM事業は、高い収益率の維持と規模拡大を目指していきます。具体的には、トップポジションを得ている中速域の表面実装機に加え、その高速モジュールモデルの開発を強化し、高速機市場を開拓していきます。

また顧客の効率的な生産をサポートするソリューションビジネスを強化してまいります。さらに、既存モデルの商品力強化とコストダウンの推進に加え、営業およびサービス体制の向上を担うテクニカルセンターを設立し、販売をサポートしてまいります。これらの成果として、2007年には売上高500億円を目指してまいります。

   

5.

新規事業

 

(1)バイオ事業

当社は、2002年に日清オイリオ株式会社との共同研究により、希少水産飼料である珪藻「キートセラス・カルシトランス」の高濃度大量培養に成功し、2003年にテスト販売開始しました。

2005年には、静岡県袋井市に研究施設を建設し、藻類培養技術を発展・活用し、農林、食品・化粧品、健康医療などの各分野で有用となる機能性物質の研究・開発を進めるとともに、2006年には工場を建設する予定です。
そして10年後には売上規模300億円を目指してまいります。


 

(2)EV(エレクトリック・ビークル)事業

EV事業は、二輪車業界のトップランナーとして、引続き「ピュア電動車」 「ハイブリッド車」「燃料電池車」の3つの領域に取り組んで参ります。

新中期3ヵ年では、電動技術開発のさらなるスピードアップを図り、事業化を目指して各領域を充実させて参ります。なおその一環として、2004年10月にPASのアシスト技術を応用した「自走式自転車」を中国市場にテスト投入しており、ナンバープレート規制で二輪車販売の拡大が困難となっている沿岸都市部での事業化の可能性を検証しています。

また「ピュア電動車」は、航続距離・動力性能・コストの改善を図った「第2弾モデル」の発売を予定、「ハイブリッド車」と「燃料電池車」は商品化を目指した研究開発の加速を図ってまいります。


>> IR資料 : 新中期経営計画「新3ケ年計画"NEXT50-PhaseⅡ"」


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