ヤマハ発動機(株)は、水冷2サイクルエンジン搭載のヤマハ モトクロッサー「YZ125」について、新エンジン・新アルミフレーム採用など細部の熟成を図った05年モデルを設定し、7月13日より発売します。上級モデルの「YZ250」についても、同一仕様の新アルミ製フレーム採用など車体関連の熟成を図り、05年モデルとして7月13日より発売します。
また、モトクロス入門者向けとして人気の「YZ85/YZ85LW」は、グラフィック変更、ゼッケンプレート仕様変更を行なった05年モデルを7月13日より発売します。
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ヤマハモトクロッサー「YZ125」
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名称
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YZ250、YZ125、YZ85、YZ85LW
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発売日
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2004年7月13日
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カラーリング
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■ディープパープリッシュブルーソリッドE
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国内のモトクロッサー市場は、2サイクル派と4サイクル派のお客様に大別されます。競技キャリアが比較的豊富なお客様は主に4サイクルを支持する方が多く、一方ビキナーや若い年齢層のお客様の支持を得ているのが2サイクルです。特に2サイクル125ccについてはこの傾向が強くなっています。05年モデルYZ125企画にあたってはこの背景から、(1)ビギナーでも思いのまま扱える高次元ハンドリング、(2)実戦で勝てるエンジンパフォーマンス、(3)性能を主張する外観デザイン・・・・・などを狙いに新技術を織り込み開発しました。
新YZ125のエンジンは、性能パーツを全て新設計し現行比で大幅な軽量化と性能アップを果たした新タイプを搭載しています。フレームには、市販モトクロッサーとして最軽量となるアルミ製セミダブルクレードルを採用しました。その他細部の設計変更、熟成で戦闘力をアップさせ“最強モトクロスマシン”を達成しています。
YZ250の開発では、定評のハンドリングの更なる向上を主題に、YZ125と同時開発にて車体廻りを開発設計しました。ビキナーからエキスパートまで、幅広いユーザーニーズに呼応する“最強モトクロスマシン”を達成しています。
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■エンジン関係
1) 前傾シリンダー&ストレート吸排気設計の新作エンジン
軽量化・性能アップを狙いに性能パーツの全てを新設計した水冷2サイクル124ccエンジンを搭載しました。主に吸排気系の大幅な設計変更で優れた性能を達成すると同時に、大幅な軽量化を達成しました。
ストレートな吸排気系を実現するため、シリンダー前傾角を従来比で7.5度増やし前傾させました。新燃焼室形状、ポートタイミング最適化などとの相乗効果で性能アップを実現しました。またクランク軸中心からドライブ軸の軸間は、従来の195.9mmから188.7mmへと短縮、エンジン全長を伸ばすことなくストレート吸排気を可能としています。
2)ストレート化を図った新チャンバー
よりストレートな排気の流れを実現するため、エンジン前傾角、シリンダー排気ポート出口角度、エンジンオフセットの見直しを行ないました。またこれに合わせ、排気口から出口部をストレート化した新設計チャンバーを採用しました。
3)新作ピストンの採用などによる軽量設計
ストレート吸気を活かし、優れた燃焼効率を達成するため燃焼室形状を新設計しました。フラットヘッド化した新ピストンは、性能向上に寄与するとともに、内側の形状最適化で軽量化を促進。シリンダーヘッドは、新ピストンに対応したルーフ形状で最適化を図りました。さらにポートタイミングとポート形状の最適化を図った新シリンダーブロックを採用しました。これらピストン/シリンダーヘッド/シリンダーブロックで合計約170gの軽量化を達成するとともに優れた性能を実現しました。
4)一次圧縮比アップによる低中速トルク感アップ
コンロッド長を従来の105mmから102mmへと短縮し、1次圧縮比をアップさせ低中速域でのトルク感向上を図りました。また、整備効率を配慮したフラマグ取付けネジ径及びテーパーサイズの変更、軽量化を図る減少ギア取付けインボリュートスプラインのサイズ変更、摺動面縮小によるロス馬力低減を図るオイルシール小径化などを行ないました。
5)インナープッシュ式クラッチ及びマグネ製クラッチカバー
クラッチは、従来のアウタープル式からインナープッシュ式に変更し、ドリブンギアとの噛み合い面を増加させました。同時にクラッチハウジングをフローティング方式からメタルフロー式とし、ピックピニオンギアと一体化することで、作動性及び操作感を向上させました。また、新たにマグネシウム製クラッチカバー(従来はアルミ)を採用し軽量化を図りました。
6)6速ミッション採用、その他
新エンジンの特性を効率よく引き出す6速ミッションを新たに採用しました。優れた戦闘力、走破性に直結するフィーチャーとなっています。ロー/トップ比は、従来の2.123とほぼ同じ2.178でクロスレシオとし、優れたドライバビリティを実現しています。
その他イグニッションコイルは、端子のリード線化、サイドコアの追加を図った新設計パーツを採用しました。またマグネトーベースも新設計軽量ベースを採用し従来比で約120gの軽量化を図りました。
■車体関係
1)新設計アルミ製セミダブルクレードルフレーム
軽量化設計による高次元な戦闘力を具現化するため、新設計アルミ製セミダブルクレードルフレームを採用しました。
この新フレームには、精度に優れた鋳造アルミ、強度に優れた鍛造アルミ、衝撃吸収力に優れたアルミ押出し材・・・・など各素材の特徴を効果的に活かす最適設計が特徴です。金型鋳造材をヘッドパイプ部に、鍛造部材をヘッドパイプ部に近いメインパイプ部上面/下面とピボット廻りに、押し出し材をダウンチューブ下側に配置しました。
これで最適バランスを実現、足回りの新フィーチャーとの相乗効果が、優れた旋回性、良好な直進安定性、マシン挙動の安定化、ライダー疲労低減、制動時の車体安定性・・・などを達成しています。
2)軽量アルミ製リヤアーム
リヤアームは、(1)アーム部のサイズ拡大(37mm→42mm)、(2)ピボット側の鋳物使用部分とアーム側の押出し材使用部の割合の最適化を行い、剛性バランス最適化と軽量化を図りました。従来比較約500g軽量で、軽快な走行性に寄与しています。
3)エアオイルセパレートシステム採用フロントフォーク
48mmインナー採用倒立式フロントフォークには、カートリッジ室への空気混入を防ぎ性能安定化を図るエア・オイル・セパレートシステム(気液分離型)を新たに採用しました。さらにインナーチューブにはTCV(Transfer
control valve)を設けました。このTCVは、ボトムに向けてシリンダーがインナー下端のテーパーピースに進入し、減衰力発生の最適化を図るもので、中間ストロークからフルストロークまでの優れた性能を達成しました。これらの相乗効果で、路面追随性向上、コンフォート感向上を達成しています。
4)伸びきりオイルロック追加リアサスペンション及び新リンクカラー
リヤのサスペンションには、フルボトム時のオイル流量を制限し、ショックを低減するオイルロックを採用しました。伸びきり時のショック低減により、フィーリング向上を図っています。なおリヤアームリンクのカラーは従来の2分割からストレート形状に変更するとともに、板厚を2mmから2.5mmにアップさせ、剛性アップによる作動性向上を図りました。
5)その他の特色
そのほか、(1)アルミ製ハンドル、(2)軽量新設計ピボットシャフト(従来比△34g)、(3)新形状リアスプロケット、(4)新シールガード、(5)ドライブチェーンの振れ量を低減する新チェーンガイド(従来の24mm幅から21.5mm幅へ変更)、(6)リニアな操作感に繋がるフロントブレーキホース取り回し変更、(7)内側までカバーする新作フロントフォークプロテクター、(8)新フレームとの適合化を図った新フュエルタンク、(9)ホワイトゼッケンプレート、などを採用しました。
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■エンジン関係
1)新作チェーンカバーの採用
高い戦闘力で人気の2サイクル水冷ピストンリードバルブYPVS採用エンジンは、基本スペックをそのまま継承し採用しました。新設計アルミ製軽量フレームとの適合化を図るため、チェーンカバーに新作パーツを採用しています。
2)エキパイの通しレイアウト変更
優れた排気性能を確保しつつ新アルミ製フレームとの適合を図るため、新作エキゾーストパイプを採用しました。
■車体関係
新設計アルミ製セミダブルクレードルフレーム、軽量アルミ製リヤアーム、エアオイルセパレートシステム採用フロントフォーク、伸びきりオイルロック追加リアサスペンションなど、05年モデルYZ125と同一仕様の車体設計を行ないました。
エンジンの基本性能は現行と同一ながらも、車体関連の軽量化と最適バランスにより“最強モトクロスマシン”の走りを飛躍的に進化させています。
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1)新グラフィックの採用
2005年モデルYZ125、YZ250同様の新グラフィックを採用しました。
2)ゼッケンプレートの仕様変更
ゼッケンプレートの仕様を変更しデザイン一新を図りました。
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全長×全幅×全高 |
2,135×827×1,316mm |
シート高 |
992mm |
軸間距離 |
1,443mm |
最低地上高
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387mm |
乾燥重量 |
86.0kg |
原動機種類 |
水冷・2サイクル・クランク室リードバルブ |
気筒数配列 |
単気筒 |
総排気量 |
124cm3 |
内径×行程 |
54.0×54.5mm |
圧縮比 |
8.6~10.7:1 |
最高出力 |
28.7kW(39.0PS)/11,500rpm |
最大トルク |
25.5N・m(2.6kgf・m)/10,000pm |
始動方式 |
キック |
潤滑方式 |
混合給油 |
燃料タンク容量 |
8.0L |
キャブレター型式 |
TMXχ38 |
点火方式 |
C.D.I.式 |
1次減速比/2次減速比 |
3.368/3.692 |
クラッチ形式 |
湿式多板コイルスプリング |
変速機形式 |
常時噛合式前進6段 |
変速比 |
1速/2.385 2速/1.933 3速/1.588
4速/1.353 5速/1.200 6速/1.095 |
フレーム形式 |
セミダブルクレードル |
キャスター/トレール |
25°36′/106 mm |
タイヤサイズ (前/後) |
80/100-21 51M/100/90-19 57M |
ブレーキ形式 (前/後) |
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク |
懸架方式 (前/後) |
テレスコピック/スイングアーム |
全長×全幅×全高 |
2,179×827×1,307mm |
シート高 |
989mm |
軸間距離 |
1,481mm |
最低地上高
|
383mm |
乾燥重量 |
96.0kg |
原動機種類 |
水冷・2サイクル・ピストンリードバルブ |
気筒数配列 |
単気筒 |
総排気量 |
249cm3 |
内径×行程 |
66.4×72mm |
圧縮比 |
9.0~10.6:1 |
最高出力 |
38.9kW(53.0PS)/8,000rpm |
最大トルク |
49.0N・m(5.0kgf・m)/7,500pm |
始動方式 |
キック |
潤滑方式 |
混合給油 |
燃料タンク容量 |
8.0L |
キャブレター型式 |
PWK38S×1 |
点火方式 |
C.D.I.式 |
1次減速比/2次減速比 |
3.000/3.571 |
クラッチ形式 |
湿式多板コイルスプリング |
変速機形式 |
常時噛合式前進5段 |
変速比 |
1速/1.929 2速/1.533 3速/1.278
4速/1.091 5速/0.952 |
フレーム形式 |
セミダブルクレードル |
キャスター/トレール |
27°06′/117 mm |
タイヤサイズ (前/後) |
80/100-21 51M/110/90-19 62M |
ブレーキ形式 (前/後) |
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク |
懸架方式 (前/後) |
テレスコピック/スイングアーム |
全長×全幅×全高 |
1,821×758×1,161 mm |
シート高 |
864 mm |
軸間距離 |
1,258 mm |
最低地上高
|
351 mm |
乾燥重量 |
66 kg |
原動機種類 |
水冷・2サイクル・クランク室リードバルブ |
気筒数配列 |
単気筒 |
総排気量 |
84.7cm3 |
内径×行程 |
47.5×47.8mm |
圧縮比 |
8.2:1 |
最高出力 |
21.3kW(29PS)/12,000rpm |
最大トルク |
17.26N・m(1.76kgf・m)/10,500pm |
始動方式 |
キック |
潤滑方式 |
混合給油 |
燃料タンク容量 |
5.0L |
キャブレター型式 |
PWK28×1 |
点火方式 |
C.D.I.式 |
1次減速比/2次減速比 |
3.611/3.357 |
クラッチ形式 |
湿式多板コイルスプリング |
変速機形式 |
常時噛合式前進6段リターン |
変速比 |
1速/2.454 2速/1.882 3速/1.529
4速/1.294 5速/1.130 6速/1.000 |
フレーム形式 |
セミダブルクレードル |
キャスター/トレール |
26°18′/88 mm |
タイヤサイズ (前/後) |
70/100-17 40M/90/100-14 49M |
ブレーキ形式 (前/後) |
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク |
懸架方式 (前/後) |
テレスコピック/スイングアーム |
全長×全幅×全高 |
1,903×758×1,205mm |
シート高 |
904mm |
軸間距離 |
1,286mm |
最低地上高
|
393mm |
乾燥重量 |
69kg |
原動機種類 |
水冷・2サイクル・ クランク室リードバルブ |
気筒数配列 |
単気筒 |
総排気量 |
84.7cm3 |
内径×行程 |
47.5×47.8mm |
圧縮比 |
8.2:1 |
最高出力 |
21.3kW(29PS)/12,000rpm |
最大トルク |
17.26N・m(1.76kgf・m)/10,500pm |
始動方式 |
キック |
潤滑方式 |
混合給油 |
燃料タンク容量 |
5.0L |
キャブレター型式 |
PWK28×1 |
点火方式 |
C.D.I.式 |
1次減速比/2次減速比 |
3.611/3.714 |
クラッチ形式 |
湿式多板コイルスプリング |
変速機形式 |
常時噛合式前進6段リターン |
変速比 |
1速/2.454 2速/1.882 3速/1.529
4速/1.294 5速/1.130 6速/1.000 |
フレーム形式 |
セミダブルクレードル |
キャスター/トレール |
27°/106 mm |
タイヤサイズ (前/後) |
70/100-19 42M/90/100-16 52M |
ブレーキ形式 (前/後) |
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク |
懸架方式 (前/後) |
テレスコピック/スイングアーム |
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2005年モデル ヤマハモトクロッサー「YZ85」
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2005年モデル ヤマハモトクロッサー「YZ85LW」
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メーカー希望小売価格
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YZ250
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649,950円
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(本体価格619,000円/消費税30,950円)
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YZ125
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560,700円
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(本体価格534,000円/消費税26,700円)
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YZ85
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324,450円
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(本体価格309,000円/消費税15,450円)
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YZ85LW
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334,950円
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(本体価格319,000円/消費税15,950円)
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