本文へ進みます

ヤマハ発動機株式会社 Revs Your Heart

小型・高精度・低価格に加え、CSP/BGA等のトレー部品への対応を実現。 ヤマハミニモジュール型マウンター『THREEM II(スリムII)』新 発 売

2004年01月15日発表

 ヤマハ発動機株式会社の社内カンパニーである「IMカンパニー」(所在地:静岡県浜松市、プレジデント:戸上常司)では、プリント基板にチップなどの電子部品を搭載するモジュール型サーフェスマウンター(表面実装機)の小型・高精度・低価格モデル『THREEM II(スリムII)』を開発。2004年1月16日より発売します。
 開発のベースとなった『THREEM(スリム)』は、Mini Module Mounter という新しいコンセプトの下に、ヤマハ発動機(株)IMカンパニーとアイパルス(株)により共同開発された製品で、コンパクトな設計ながら高い部品搭載精度と、このサイズでは最高レベルの高速化、さらに従来のモジュール型マウンターの半額という大幅な低価格を実現しました。さらに他のマウンターの補完機としての用途や、試作、セル生産等にも対応し、独自の市場を開拓してきました。
 『THREEM II(スリムII)』は、0603等の極小チップだけでなく、BGA/CSP等のトレー部品の対応を可能として汎用性を大幅に向上させるとともに、装着タクト(0.28sec/chip)と装着精度品質(シックスシグマ)を高め、新たに開発されました。
 なお、スリムIIは、2004年1月28日から30日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「インターネプコン・ジャパン2004」に出品を予定しています。



ミニモジュール型サーフェスマウンター『THREEMII(スリムII)』

名称

ミニモジュール型サーフェスマウンター『THREEMII(スリムII)』

発 売 予 定 日

2004年1月16日

初年度販売計画

300台


市場背景と製品の概要

 携帯電話やデジカメ、DVD、家電製品等の電子・電気機器などに使われているプリント基板に電子部品を搭載する表面実装機の業界において、当社はマシンの高速化、信頼性と作業効率の向上に取り組んできました。特に近年の電子部品実装業界では、電子・電気製品の多品種化が進み、マウンターの導入に際しても大型高速機による大量高速生産指向からコンパクトなモジュール機を複数台ライン化した、汎用性が高く、品種切り替えにも容易に対応が可能な方式が注目されてきました。また、設備コストの軽減をはじめ、省スペース、省エネルギーなど、市場の要望はより高い付加価値を求める傾向にあります。
 また最近では、リモコンやキーレスエントリーに代表される小型基板で部品点数が少ない表面実装基板も増えてきています。さらには、携帯電話用小型モジュールの0603極小チップの高精度搭載等に対しても、よりコストダウンを追求する市場背景があり、従来のマウンターでは設置面積が大きすぎるうえに高価であるという市場の声が出てきました。
こうした要求に応え、『THREEM II(スリムII)』はコンパクトで低価格でありながら、装着精度±0.05mm(μ+3σ)を実現し、0603極少チップの狭隣接隙間搭載を可能としました。さらに、新開発の脱着可能なトレーシャトルにより、CSP/BGA等のトレー部品にも対応し、全バンプ認識・高精度搭載も可能にしています。
本機は下記を最大の特長として開発されました。

 

(1)

少品種・少ロット・低価格基板の生産に最適なマウンターである。

 

(2)

高速量産ラインやモジュール型マウンターの補完マシンとして、生産性向上を実現する。

 

(3)

セル生産方式に対応する。


製品の特長

(1)小型・省スペース

 

本体寸法を従来のサーフェスマウンターに比べ大幅に小型化しました。そのため、高速マウンターの仕様によっては袖部分への設置が可能となり、ライン長を延長することなく、生産性の向上と設置面積の省スペース化を実現できます。

 

重量を約750kgと軽量化、さらに高剛性ベースを採用することにより、ライン変更やマシンの移設作業を容易にしました。

 

(2)高精度装着±0.05mm(μ+3σ)

 

基本構造に完全一体型門型構造と、高強度鋳鉄製の軽量・高剛性なベースを採用し、移設時の精度確保に加え、長期間に渡る精度維持を可能にしました。

 

FEM構造解析により、設計段階から高剛性を追求し、低振動を実現しました。

 

多重精度補正システム「MACS」(*)の採用により、±0.05mmの常時搭載精度を保証し、シックスシグマ(CPK2.0以上)まで搭載精度の品質を向上させました。

 

熟練した技能者の手による「キサゲ」で精密な仕上げが施されています。

 

 

* MACS:Multiple Accuracy Compensation Systemの略称

 

(3)装着タクトと生産性の向上

 

小型機において、最高レベルの部品装着タクト0.28秒/CHIP)を確保しました。
ヘッド部分の剛性UPとソフトウエアの改良により、従来比7%のスピードUPを実現しました。

 

複数台の連結で、既存のモジュール型マウンター・高速マウンター並の生産性を確保でき、モジュール型マウンター・高速マウンターとの連結によって部品種、部品数、生産量などの向上が可能となっています。

 

フルサーボ制御の4連マルチ高速ヘッドを採用し、小型チップ(0603)の搭載から大型部品(□31mm)まで柔軟に対応できます。

 

高さ調整不要の基板厚さ連動式プッシュアップ機構の採用に加え、自動幅(サーボ)を標準装備しました。

 

(4)CSP/BGA等のトレー部品対応

 

CSP/BGA等を供給する着脱可能なトレーシャトル(TSF-1)をオプション設定し、最大2基までの設置を可能にしました。

 

CSP/BGA等のハンダバンプ付き部品を認識できるサイド照明を採用し、全バンプに対する欠落の判定も含めたノンストップ連続認識を可能にしました。

 

(5)低価格を実現

 

当社とアイパルス(株)とのコア技術の融合やソフトの共用化に加え、従来製品との部品共用化、部品点数の削減を行うことで、コストダウンを図りました。

 
 

『THREEM II(スリムII)』ネーミングの語源

 

 

 ヤマハ発動機(株)IMカンパニーの製品開発姿勢である「付加価値創造」を、社内では「3M(スリーエム)」と呼んでいる。1つ目のMは「Maximum Value(ユーザーにとって最大の価値のあるものを)」、2つ目のMは「Minimum Cost(最低の原価で)」、3つ目のMが「Most effective investment and efficient(最も効果的に効率的に作り上げる)」であり、この3つを折り込んだ製品という意味をこめている。
 また「Mini Module Mounter(ミニ モジュール マウンター)」の意味も含めている。


仕様諸元表


項目

THREEMII(スリムII)

基板寸法

L50 × W30mm ~ L330 × W250mm

基板厚

0.4 ~ 3.0mm

基板搬送方向・スピード

右→左(オプション:左→右)、256段階可変方式

装着精度(絶対精度: μ+3σ)

±0.05mm /CHIP, ±0.05mm/QFP

装着精度(繰り返し精度: 3σ)

±0.03mm /CHIP, ±0.03mm/QFP

装着タクト

0.28秒/CHIP

設定装着角度

±180° 0.01°単位

部品品種数

テープ品 16品種(8mmテープ換算)

部品供給形態

8 ~ 56mmテープ品、バルク品、トレー品(JEDEC規格トレー)

搭載可能部品サイズ

0603 ~ □31mm MAX

搭載可能部品高さ

15mm

外形寸法

仕様1:全幅995mm X 全高1,350mm X 奥行1,275 mm

 

仕様2:全幅1,195mm X 全高1,350mm X 奥行1,275mm

重 量

約750kg


※ 仕様1:CLテープフィーダー/8mm7"のみ積載時
※ 仕様2:CLテープフィーダー/8mm15"以上サイズ、トレーシャトルTSF-1積載時


メーカー希望小売価格

ミニモジュール型サーフェスマウンター『THREEMII(スリムII)』

6,980,000円

消費税含まず


ページ
先頭へ