ヤマハ発動機株式会社とマフラーなど排気系コンポーネント部品の製造会社であるサクラ工業株式会社(代表者:平野慎太郎、所在地:静岡県浜松市)(以下サクラ工業)は、このたび、両社のエキゾースト事業を2004年4月に統合することで合意しました。
また統合に伴い当社はサクラ工業に対し増資を行い、出資比率を現在の20%から33.4%に引き上げます。
統合内容は、当社が二輪車(スクーターとモーターサイクル)と特機(ATV・スノーモビル等)におけるエキゾースト事業の「開発機能」と「製造機能」をサクラ工業に移管し、サクラ工業にて排気系コンポーネント部品の「開発」から「製造」までの一貫体制を構築する事です。
なお統合にむけ当社はサクラ工業に対し、溶接や組立関連の設備を2004年9月までに移管を完了させるとともに、今後4年間にて技術移転のための出向や応援を50~100人規模で実施します。
現在当社の排気系コンポーネント部品は、社内では開発・製造・調達が一体となったエキゾーストSyS、社外ではサクラ工業を含む3社からそれぞれ調達し、その規模は約120億円、内製が30%で社外からの仕入れが70%です。
事業統合によりサクラ工業からの仕入れ比率が90%となるなか、当社およびサクラ工業では、①開発力強化による商品競争力の強化、②グローバル展開のスピードアップ、③開発生産の機能集約によるコスト競争力の強化、④事業拡大による収益力の向上を目指します。特にコストダウンは30%を大幅に上回る目標とし、サクラ工業自体の業績も、5年後(2007年度)には、売上高を約150億円、経常利益率も5%以上に引き上げていきます。
排気系コンポーネント部品は、二輪車のエンジン性能やデザインを左右する重要な構成部品であり、近年、排ガス・騒音対応に加え小型軽量化に対する仕様向上が進むなか、車両全体へのコスト影響が年々高まっています。このように各部品の高コスト化傾向のなか当社では、「良いものを安く」スピーディーにつくることを目指した「モノづくり改革」に取り組んでおり、グローバルな視点での生産レイアウトの見直しや、開発・製造・調達が一体となったシステムサプライヤー体制を推進しています。
このたびの事業統合はシステムサプライヤー体制強化の一貫であり、競争力を持った排気系コンポーネント部品を自律的に開発・生産できる事業体制を目指すことです。
特に、両社の強みを活かすことで設計・評価・コスト・品質・生産技術力を大幅に向上させ、市場やユーザーニーズの変化にすばやく対応できる開発と製造機能を持った企業を目指していきます。さらに当社海外工場の開発と製造支援に取り組むとともに、自らも海外展開をはかり、ヤマハ発動機グループのエキゾースト事業における「マザー工場」を目指していきます。
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