ヤマハ発動機(株)は、ヤマハスクーター初のフュエルインジェクション採用エンジンを搭載し、世界で最も厳しい二輪車排ガス規制"台湾4期規制"をクリアーする環境性能と低燃費性、優れた走行性能を実現したヤマハ「マジェスティ125 FI」を新開発しました。台湾での製造拠点・ヤマハモーター台湾で製造を行い9月下旬より台湾市場に導入します。
新開発のマジェスティ125 FIは、'98年より台湾で製造/販売の現行車「マジェスティ125」をベースに、《快適なタンデムクルージングモデル》をコンセプトに開発した新製品。現行のエンジン・車体の基本構成はそのまま継承し、新たにフュエルインジェクション(以下FI)を採用することで、1) 世界で最も厳しい台湾4期排出ガス規制値をクリアーする環境性能(CO、HC、NOx排出量は対規制値50%以下)、2) 優れた燃費性能(39km/L《台湾CNSモード,現行モデルは36km/L》、3) 優れた始動性、4) 標高差や気象条件からの影響が少ない優れたドライバビリティと走行性を実現しました。
なお本モデルは、4月に当社が発表した新中期経営計画「NEXT50」の4つの課題のひとつ"成長戦略"の中の「小型エンジン戦略」を具現化した製品となります。
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ヤマハスクーター「MAJESTY125 FI」(マジェスティ125 FI) |
<名称> |
MAJESTY 125 FI (マジェスティ125 FI) |
<発売日> |
2002年9月下旬 |
<カラーリング> |
■ブラック2、■カームイエロー、 ■ライトグレイッシュメタリック |
<販売計画> |
1,800台(年間、台湾国内) |
≪ 市場背景と商品の概要 ≫
台湾二輪市場は年間60万台前後で近年推移していますが、需要の中心は前後輪10インチの100~125ccスクーターで、これらが全需要の約4~5割を占めています。この中で'98年より導入の「マジェスティ125」は、250ccスクーター並みの車格と斬新なスタイル、二人乗りでの快適性と走行性、経済性などが顧客から支持され、導入以後4年で約3万7千台の販売を記録しました。
近年同国では、本年の輸入緩和政策を契機に大排気量モデルを志向するトレンドも見られますが、経済的で手軽な125ccモデルへの人気は依然根強く、ニーズも多様化が著しくなっています。また'04年11月導入の第4期排ガス規制を前に、税制優遇対象ともなる次代の環境対応モデル登場への期待が市場で強く聞かれています。
この背景から、スクーターに求められる快適な二人乗りクルージング性能と、環境対応性能の調和を照準に開発したのが「マジェスティ125 FI」です。従来の基本構成はそのままに、キャブレターに替えフュエルインジェクションを採用し、1) クリーンな排ガス、2) 優れた燃費、3) 優れた始動性、4) 標高差の影響を受けにくい優れた走行性能、を実現。環境対応ニーズを先取りしつつ、快適なタンデムクルーズを楽しめるモデルとなっています。
≪ 商品の特徴 ≫
■新型FI(フュエルインジェクション)のメリット |
新たに専用設計のフュエルインジェクションを採用、これに合わせマニホールドや、フラマグの最適化を施しました。エア・インダクションシステム及び酸化触媒との相乗効果で多くのメリットを生み出しました。 |
1) 台湾4期規制値の2分の1レベルの環境対応性能 |
'04年6月生産車から適用される台湾4期排ガス規制値に対し、CO、HC 、NOx、いずれも規制値の2分の1以下を実現しました。(4期規制は排出ガス対策では技術的に難しいとされるコールドスタートモードが対象) |
2) リッター39km/Lの低燃費(CNSモード) |
FIの採用により、エンジン回転数や運転状況に応じ、最適な圧力・噴射量・噴射タイミングでの燃料供給が可能となり、39km/L以上(CNSモード)の低燃費を実現しました。(現行モデルは36km/L) |
3) 優れた始動性の実現 |
優れた高地始動性、高~低温時の始動性、長時間放置後での良好な始動性、などを実現しました。 |
4) 高次元なドライバビリティの実現 (ドライバビリティ=マシンとしての運動性能の意) |
FI採用による空燃比の最適制御から、優れたドライバビリティ、良好な加速特性、優れた高地走行安定性、アイドリング安定性等を実現しました。標高2,000mを超える高地でも安定したクルージング性能を楽しめます。 |
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■従来からの主な特徴 |
1) 信頼性にすぐれた水冷OHC単気筒エンジンとVベルト自動変速 |
粘り強さと静粛さが特徴の水冷OHC124cc単気筒エンジンを搭載します。Vベルト自動変速機構とのコンビネーションで軽快な走行性、良好な加速性を実現しています。 |
2) 余裕のクルージングが楽しめる車体設計 |
優れた操縦安定性と乗り心地の基本となるボディは、日欧市場で人気の250ccスクーター「マジェスティ」の技術に基づいて開発した専用設計フレームを採用しています。最適剛性バランス、ロングホイールベースと前後輪12インチタイヤなどの相乗効果は、安定感溢れる走行感とニュートラルなハンドリングを実現。エアロダイナミクスを追求した斬新なカウリングが快適な居住空間を生み出しています。 |
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≪ フュエルインジェクションシステムの特徴 ≫
燃料供給量を電子制御するFIは、触媒との相乗効果で排ガス浄化効果が優れ、四輪・大型二輪車に多く実用化されています。ただ部品点数の多さと車両レイアウトの複雑化など課題もあり、小型二輪用として普及させるにはよりシンプルなシステムが求められていました。このニーズに呼応し、システムの主要機能部にあたる1) センシング部、2) 燃料供給系を各々小型車専用に設計した新システムを採用しました。 |
1) センシング部 |
FIシステムでは、様々な走行環境やライダーの運転操作を認識するセンシングが重要な機能です。従来のFI採用二輪4気筒(FJR1300やYZF-R1)の場合、クランク角センサー、スロットル開度センサー、吸気圧センサー、大気圧センサーなどの多くのセンサーが必要で、機構複雑化やレイアウトの難しさが指摘されていました。 マジェスティ125FIに採用のFIでは、吸気管内の圧力変位〈動的変化〉が大気圧やスロットル開度と連動する点に着目し、この情報を多目的に活用。従来最大8個のセンサーで実現していたシステムを半数の4個のセンサーで実現し、高い信頼性とシンプル化を達成しました。 |
2) 燃料供給系 |
FIシステムでは燃料供給系として燃料ポンプとインジェクターによって燃料を高精度に制御しています。 今回採用のFIでは、小排気量の単気筒エンジン向きに、低消費電力の小型燃料ポンプを採用し、レギュレーター、フィルターをモジュール化(一体設計)することで、部品点数を削減、軽量化と小型化を実現しました。またインジェクターは、従来品比較で約50%容積となる小型タイプを採用することで、レイアウトの自由度を確保し最適配置を実現しました。 |
「マジェスティ125 FI」に採用のフュエルインジェクション・システム概要 |
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全長×全幅×全高 シート高 軸間距離 最低地上高 乾燥重量 |
2,065mm×740mm×1,240mm 710mm 1,500mm 110mm 136.5kg |
舗装平坦路燃費 |
39.0km/L (台湾CNSモード) |
原動機種類 気筒数配列 総排気量 内径×行程 圧縮比 |
水冷・4サイクル・SOHC2バルブ 単気筒 124cm3 53.7×54.8mm 11.0:1 |
最高出力 |
8・1kW/8,500rpm |
最大トルク |
10.1N・m/6,500rpm |
始動方式 潤滑方式 エンジンオイル容量 燃料タンク容量 燃料供給式 点火方式 バッテリー容量/種類 |
セル式キック併用 強制圧送ウェットサンプ 1.2L 8L 電子制御フュエルインジェクション トランジスタ式 12V、6Ah(10H)/YTX7A-BS |
クラッチ形式 変速機形式 変速比 フレーム形式 キャスター/トレール タイヤサイズ (前/後) ブレーキ形式 (前/後) 懸架方式 (前/後) ヘッドライト |
乾式内拡重錘式 Vベルト式無段変速 2.541~0.792 パイプバックボーン 27度/33mm 120/70-12 51J /130/70-12 59J 油圧式シングルディスク/ドラム テレスコピック/ユニットスイング ハロゲンバルブ/12V 65W/55W |
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