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ヤマハのプロダクションボート1号艇 CAT-21カタマラン(1960年モデル)を復刻建造

2002年7月19日発表


 ヤマハ発動機株式会社では、1960年に発表・発売したカタマラン(双胴艇)のFRPボート、「CAT(キャット)-21」をこのほど復刻建造しました。最新技術を駆使し、当時の設計図に忠実に建造したもので、7月19日よりヤマハ発動機コミュニケーションプラザ(静岡県磐田市)で開催される「創業者 川上源一 記念展」に展示し、一般公開します。

 「CAT-21」(全長6.90m、幅3.33m)は1960年5月、「RUN-13」とともに発表・発売されたヤマハ発動機のプロダクションボート1号艇です。その頃のアメリカのレース界で台頭していたカタマラン船型を採用しており、幅の広い独特の船型が特徴になっています。国民の間でようやくマリンレジャーへの関心が高まり始めたこの当時、新素材FRPを使って製作された「CAT-21」は豪華・高性能の大型艇として注目を集めました。1961年には第1回東京~大阪・太平洋1,000kmマラソンに優勝し、シカゴのボートショーに出展するなど、日本のプレジャーボーティング興隆の一契機になるとともに、現在に至るヤマハマリン事業の基礎を築いた歴史的な機種です。

 「CAT-21」開発の総指揮をとったのは本年5月に亡くなったヤマハ発動機の創業者、川上源一氏であり、「CAT-21」には川上氏のモノづくりに対する考え方が色濃く反映されています。その生涯を振り返る記念展の開催に合わせ、この40年前のモデルを復刻建造しました。


CAT-21
CAT-21
復刻されたヤマハ「CAT-21」。第1回東京~大阪・太平洋1,000kmマラソン(1961年7月)に優勝したときのゼッケンナンバー「20」がハル及び後方デッキに描かれている


<CAT-21の特徴、生産データ>

建造・・・日本楽器製造・天竜工場
販売・・・ヤマハ発動機
生産期間・・・1960年~1964年
累計生産隻数・・・10隻(スタンダード仕様)
開発目的
ヤマハの新規事業としてプレジャーボート分野に着目し、「RUN-13」モデルとともに1958年、開発に着手しました。「最初から最高の機種をてがける」という創業者・川上源一氏のポリシーに沿い、当時としては豪華・大型ボートのプロダクションにチャレンジしました。
モデル概要
当時のアメリカのボートレース界で好成績をあげていたカタマラン船型に注目して「CAT-21」の船型を決めました。完成した「CAT-21」の走行は非常にソフトで、特に横安定性に優れていました。用途としてはクルージングボートとして人気を集めました。
第1回東京~大阪・太平洋1,000kmマラソンに優勝
第1回東京~大阪・太平洋1000kmマラソン
CAT-21は第1回東京~大阪・太平洋1,000kmマラソンに出場し完全優勝した(1961年)
1961年7月7~9日に開催された第1回東京~大阪・太平洋1,000kmマラソンに出場。3区間とも1位をとリ、20時間03分の記録で優勝し、ヤマハボートの高い航洋性を実証しました。クルーは艇長・堀内浩太郎(元・ヤマハ発動機取締役)など3名で、2位艇を6時間18分引き離しての完勝でした。(14艇が出場、完走は5艇)


<CAT-21主要諸元(スタンダード仕様)>
全 長 6.90m 搭載エンジン 船外機 80馬力×2
全 幅 3.33m 定 員 8名~16名
船首深さ 1.13m 価 格 61年型 約770,000円
(エンジン別)
重 量 850kg
*太平洋1,000kmマラソン出場艇は米国のスコット社製75馬力船外機を4基搭載(計300馬力)し、時速70kmの最高速度を出した


<CAT-21ラインズ>
CAT-21 CAT-21
●船 型・・・カタマラン
●構 造・・・FRPモノコック
CAT-21

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