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平成14年3月期・本決算の概要について

2002年5月16日発表

 

□業績(連結・単独)について
・連結では、売上高・経常利益ともに過去最高
 当社の平成14年3月期・本決算は、為替レートが前期比USドルで14円、ユーロで11円の円安で推移した中、連結売上高が前期比7.1%増の9,468億円と3年連続で過去最高を更新したとともに、経常利益も前期比30.3%増の327億円と過去最高となりました。

 売上増の要因は、事業別では、二輪車・マリン・特機の各事業が売上を伸長させ、IM(産業用ロボッ
ト)事業などを含むその他事業の売上減少を上回った事によります。
 具体的には、二輪車事業は、国内は依然として低迷しているものの、北米・アジア及び中南米で伸長し前期比11.9%増の4,961億円となりました。マリン事業は、北米での船外機販売が堅調に推移し同7.0%増の1,883億円、特機事業は、ATV(四輪バギー車)の売上増で同13.7%増の1,830億円となりました。なお、IM事業は、IT市況低迷による新規投資抑制の影響を受け、主力商品であり、電子部品をプリント基板に装着する表面実装機の販売が減少し、IM事業を含むその他売上は同23.6%減少しました。
 また、地域別では、国内は前期比13.5%減少したものの、海外は北米・アジア・中南米等ほぼ全域で伸長し、12.5%増加したことが特徴です。特に、北米売上は9.5%増加するとともに、アジア売上は、インドネシアや台湾などの子会社での売上増やインドとタイの子会社の新規連結などにより、39.7%増加しました。これにより、連結での海外売上比率は、前期比4%増の83.1%となりました。

 利益面では、前期に比べ、販売管理費の増加(△251億円)やIM事業などの売上減少による商品構成変化の影響等(△139億円)の減益要因がありましたが、円安による為替影響(+349億円)、原価低減(+95億円)などの増益要因が上回り、営業利益は前期比17.1%増の372億円、経常利益は、営業外収支の改善(+22億円)で同30.3%増の327億円となりました。また、当期純利益は、退職給付債務に対する積立不足額の2分の1にあたる81億円、並びに舟艇事業の構造改革費用の12億円を特別損失として計上したものの、前期比25.3%増の95億円となりました。
 尚、連結子会社数は91社(前期末比7社増)、持分法適用会社数は35社(前期末比9社減)です。

・単独では、売上高は減少するものの利益は増加
 単独売上高は、主に、二輪車とIMの各事業の売上が減少し、前期比5.5%減少の5,577億円と2年連続の減少となりました。しかし、利益面では、商品構成の変化等(△225億円)や販売管理費の増加(△19億円)などの減益要因がありましたが、円安による為替影響(+248億円)や原価低減(+62億円)などの増益要因が上回り、営業利益は前期比2.1倍の124億円となりました。
 また、経常利益は、転身支援金の支払などにより営業外費用が増加(△37億円)したものの、同32.1%増の150億円、当期純利益も、同18.0%増の51億円となり、各利益は前期に比べ増加しました。

□今後の経営方針について
・新中期経営計画"NEXT50"について
 当社は、2002年4月~2005年3月までの新3ヶ年の中期経営計画"NEXT50"を策定しました。
 この新中期経営計画は、2005年7月に当社創立50周年を迎えるに当たり、「次の半世紀において更なる飛躍」を目指す基盤構築のための経営計画として位置づけています。
 その基盤構築に向け、経営課題として「既存事業の収益力の向上」「中国・インド・アセアン諸国での二輪車事業の基盤固め」「成長戦略の推進」「財務体質の強化」の4項目を掲げ、最終年度である2005年3月期には、「連結売上高1兆500億円、連結経常利益650億円」「3ヶ年フリーキャッシュフロー700億円創出と10%を上回るROEの確保」「自己資本比率3割、連結借入金2,000億円以下」を目指していきます。

・次期(2002年度)の取組みについて
 次期(2002年度)は、新中期経営計画の初年度であり、最初の1年間で成果として何を残せるかが、今後3年間の成否の鍵を握る事となり、企業グループ一体となって全力で4つの課題に取組んでいきます。

 具体的に「既存事業の収益力の向上」は、開発部門を強化し魅力ある二輪車・船外機・ATVなどの商品を投入するとともに、システムサプライヤー体制の推進や中国に設立した「ヤマハ発動機(蘇州)株式会社」を活用しての中国部品の調達拡大等により、コスト30%削減に向けた目標に着実に取組んでいきます。また、国内舟艇事業やPAS事業などの不採算事業についても、黒字化に向けた改革を推進していきます。
「中国・インド・アセアン諸国での二輪車事業の基盤固め」は、アセアン地域では初となる新ジャンルコミューター「ヤマハ NOUVO」の開発投入の如く4サイクルモデルのラインナップ強化に取組むとともに、販売網も整備していきます。さらに、アセアン地域での製造・販売・技術・調達・資金における総合的な取組みとしてアジア本部を設立し、事業基盤を固めていきます。
 「財務体質の強化」は、前中期からスタートしたSCM改革の成果を着実に刈り取っていくとともに、固定資産の有効活用プロジェクトの推進により、フリーキャッシュフローを創出し、借入金の圧縮と自己資本比率の向上を目指していきます。
 また、次の半世紀での飛躍を図るための「成長戦略の推進」では、新動力源や小型エンジン、コンポーネントなどのコア技術領域での開発を進めるとともに、新事業としてバイオやITの各領域での全く新しいビジネスモデルの探索を進め、新技術・新事業の芽を大きな収益の柱となるように育てていきます。
 なお、構造改革の推進を支え、企業成長を図るコーポレートブランド戦略として、当社は、「Touching Your Heart」をブランドスローガンに掲げ、各事業の旗印(差別化価値)を戦い方の"道しるべ"とし、その差別化価値に向けた商品開発や事業運営を推進していきます。

□ 次期連結業績は、過去最高の売上・利益を計画
 平成15年3月期の連結業績は、売上高9,800億円、営業利益490億円、経常利益460億円、
当期純利益200億円であり、売上は4年連続で過去最高を更新し、利益も過去最高を計画しています。
なお、単独業績は、売上高5,700億円、営業利益140億円、経常利益120億円、当期純利益60億円の見通しです。なお、通期の為替レートは、1ドル125円(4円の円安)、1ユーロ111円(3円の円安)の設定です。


平成14年3月期決算短信の参考資料

2002年3月期決算参考資料
(22.2kb)

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