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二輪車とその生産工程における六価クロムの使用「ゼロ化」について ―環境負荷物質の使用全廃に向けた取り組みの一環―

2002年4月25日発表

 

 ヤマハ発動機株式会社は、二輪車本体で使用される六価クロム(*1)を、2008年までに「ゼロ化」を目指す自主行動計画を策定いたしました。(2005年までに2000年比80%削減)
また、生産工程では2010年までに「ゼロ化」を目指します。

 六価クロムは金属表面の耐蝕性・防蝕性に優れる性質から、現在、多くの工業製品の表面処理に幅広く使用されています。一方、人体に影響を与える有害物質であるため、環境基本法等の法規制により環境基準値が定められており、代替技術が研究されています。
 二輪車は特に外観部品が多い商品であり、デザイン性や外観美から多くの部品に六価クロムを使用しています。当社は、主に、ボルトなどの亜鉛メッキ部品やクランスケースなどのアルミ部品の塗装下地処理に六価クロムを使用し、また、製造工程では鉄やアルミ部品のクロムメッキ処理工程で使用しています。当社の六価クロム年間使用量(*2)は、社内の試算データでは、製品で約190kg(1台当たり0.1~0.6g程度)、製造工程で約1,700kgですが、今後、六価クロムの代替として環境負荷の低い三価クロム等への切り替えや、新たな下地処理への変更等を実施し、二輪車本体及び製造工程における六価クロムの使用「ゼロ化」を目指します。

 また、当社は環境負荷物質の使用全廃に向け、二輪車業界において先駆けて鉛製ホイール・バランサーの使用「ゼロ化」を実施しており、今回も先駆けて、課題として残っていた六価クロムの使用「ゼロ化」に取り組むこととし、更なる地球環境重視の経営を目指します。

 なお、当社は、環境負荷物質の削減に向けた取り組みとして「グリーン調達」を推進し、取引先に向けたガイドライン発行と説明会の開催を予定しております。具体的には、取引先に対するグリーン調達方針と六価クロム等の有害物質使用「ゼロ化」を掲げ、当社主導の技術支援のもと目標達成に向け取り組んでいきます。

 当社は、地球環境に対する企業姿勢やその方針・目標を明確にした「2010年環境アクションプラン」を1999年に制定し、(1)製品・技術・製造工程での環境保全活動、(2)環境マネジメントシステムの構築・運用、(3)ライフスタイルの変革を目標とした個人の意識改革の促進、を中心に環境保全活動を実施しています。また、「人と自然の調和を目指して」をスローガンとした新「地球環境方針」を2002年1月に制定し、事業活動と一体となった環境活動を推進しています。
 今回の取り組みはその活動の一端であり、取引先を含めたヤマハ発動機グループ全体で地球環境重視の経営を目指し、「環境」と「感動」の両立を目指した企業活動を推進していきます。

(*1)六価クロムについて
六価クロムは古くから知られた有害物質であり、従来から工場からの排出や労働衛生面における法規制は世界各国で厳しく実施され、企業等も細心の対応を採っています。更に、近年では環境への配慮が広がり、EUにおけるELV指令(使用済み自動車に係わる規制)において、鉛・水銀・カドミウムと並んで、製品中の六価クロムの許容枠を規制し、いずれはその使用量をゼロとする方向に見られる様に、製品自体に使用される量にも配慮が及ぶ状況になっています。この傾向は、今後EUの自動車に止まることなく幅広く展開されていくと推察されます。

(*2)数値は社内試算データです。(製造工程には、六価クロム化合物を含みます)


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