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アセアン地域での新たな需要開拓を目指す 115cc新エンジン搭載、スクーターの快適性とモペットの走行性を両立させた ヤマハ「NOUVO」(ヌーボ)について

2002年4月24日発表


 ヤマハ発動機(株)は、新設計の空冷OHC単気筒115ccオートマチックエンジンを、新設計フレームに搭載し、"スクーターの軽快性とモペットの走行性"を兼ね備えた新ジャンルのコミューター、ヤマハ「NOUVO(ヌーボ)」をこのほど新開発しました。マレーシア、インドネシア、タイなどのアセアン各国市場において、'02年4月より順次導入し、アセアン地域での新たな需要開拓を目指します。本モデルは、当社の「新中期経営計画('02年4月から3ヵ年)」に基づくアセアン向け製品の第一弾となります。

 ヤマハ「NOUVO(ヌーボ)」は、扱いやすい新開発オートマチックエンジン、優れた走行性を引出す新型フレーム、ヘルメット収納スペース、前後大径16インチホイール採用などが特徴で、アセアンのユーザーニーズを随所に反映させたモデルです。製品名の「NOUVO」は、フランス語「Nouveau」(新しい)からの造語で「新しい乗り物」「未来の乗り物」を意味します。なお、本モデルは、アセアン域内での部品の相互補完を軸に、生産の分業体制のもとに行なわれます。

ヤマハ「NOUVO(ヌーボ)」
ヤマハ「NOUVO(ヌーボ)」


<名称> ヤマハ「NOUVO(ヌーボ)」
<発売日> 2002年4月 (より各国順次)
<カラーリング> ■ダルグリニッシュイエローメタリック1
  ■ラベンダシルバー
  ■ヴィヴィッドレッドカクテル7
(いずれもマレーシア向け)
<販売計画> 100,000台
(年間、マレーシア、インドネシア、タイなどアセアン各国合計)



≪市場背景と商品の概要≫

 東南アジアの二輪車総需要は、1999年に年間約220万台規模でしたが、近年好調に推移し、'01年は約340万台規模となりました。'03年には430万台規模への成長が見込まれています。主力は100cc~125ccのモペット(アンダーボーンフレームタイプ)型で、通勤、ビジネスなど様々な用途で使われ、今後も市場の中心になると見込まれます。また、市場では4スト志向が強く"新デザイン!高品質!乗り易さ!"というニーズを集約した次世代コミューター登場への期待が強くなっています。

 こうした背景下、ヤマハ「NOUVO(ヌーボ)」は、"ベーシック・アセアン・コミューター"をコンセプトに、徹底的な市場調査を通じてユーザーニーズをおり込み、次世代コミューターとして開発にあたった製品です。具体的には【モペットのもつ安心感、機動性、経済性】という特色と【スクーターのもつ利便性、快適性、ファッション性】というふたつの要素の高次元での融合を主眼とし、随所に独創の技術を投入。新ジャンルコミューターを誕生させ、アジア発のワールドモーターサイクルと呼べる質感、外観の作り込みを具現化しました。

 当社は、'05年の創立50周年に向け企業体質を更に強固なものとし、次の半世紀での飛躍を図るための基盤構築を目指した3ヵ年('02年4月~'05年3月)の新中期経営計画「NEXT50」を策定しています。これは(1)既存事業の収益力向上、(2)中国・インド・アセアン諸国での二輪車事業の基盤固め、(3)成長戦略の推進、(4)財務体質強化などが骨子となりますが、今回の「NOUVO(ヌーボ)」は、上記「アセアン諸国での二輪車事業の基盤固め」を具現化する製品の第一弾となっています。



≪主な特徴≫

 開発にあたっては、上記コンセプトに基づき、オートマチックエンジンを搭載する新しいコミューターのカタチを追求し、(1)モペットと同様レベルの走行性の具現化、(2)スクーターレベルの快適性、(3)斬新で個性的な外観などを主眼に技術開発を行ないました。

1) 扱い易さが特色のCVT採用OHC・115ccエンジン
 中低速で粘り強く伸びの良い新設計空冷4ストロークOHC・2バルブ単気筒CVTエンジンを採用した。50×57.9mmのボアストローク、8.8:1の圧縮比から、6.54kW/8,000rpmの最高出力、8.63N.m/7,000rpmの最大トルクを発揮。ゴー&ストップの多い市街地での快適な走行性と機動性を実現しました。またVベルトには、ロングライフ型を採用したほか、走行中に冷気をVベルトに送り込み性能安定化を図るVベルト室冷却システムは、冷却用通風口を車軸より高い位置に設定し、冠水路走行時の流入抑止を図るなど、優れた防水・防塵性を確保しています。

2) 大容量エアクリーナーおよびBSキャブレター、優れた性能を引出すマフラー
 エアクリーナーは2.2リットル大容量を確保し、また車体との最適化を図るためにエンジン前方に配置する独自設計を施し、車体のスリム化、低シート化が可能となりました。またレスポンスに優れるBSタイプのキャブレターを採用し、良好な始動性、優れた燃焼効率を引出しました。排気系には、優れた排気効率と静かな排気サウンドを実現するため大容量マフラーを採用。サイレンサー部は100mm径×490mm長の容量として心地よい排気サウンドと個性的外観を実現しました。

3) 前後16インチタイヤおよびフロントディスクブレーキの採用
 悪路での走破性も考慮し前後16インチタイヤ(前70/90-16、後80/90-16)を採用。また、タイヤパターンはアセアンでの使用実態のデータに基づいた専用パターンを採用し、優れた操縦性、走行安定性を実現しました。ブレーキは前輪220mm径ディスク、後輪はノンアスベストタイプ型シュー採用130mm径ドラムを採用しました。 前後16インチタイヤおよびフロントディスクブレーキの採用

4) シートオープナー機構採用ヘルメット収納スペース、及び余裕のライディングポジション
 スペース効率を追求した車体設計により、16インチ採用ながらも755mmの低シート高を実現し、合わせてヘルメット収納スペースをシート下に設けました。シートロックの解除はメインスイッチ操作で可能なシートオープナー機構を採用し、使い勝手を配慮しました。

 また、市街地から郊外まで、様々な使用状況で疲れにくい自然な乗車姿勢が取れるポジションを設定しました。シートには、長時間走行でも疲労度が少ないクッション材を使用。またリアシートは、グラブバー部がタンデムライダーをサポートする形状とし、優れた乗り心地と快適性を実現しました。
シートオープナ機構採用ヘルメット収納スペース、及び余裕のライディングポジション

5) モペットと同レベル以上の剛性を実現、優れた走行性を引き出す新設計フレーム
 モペットと同レベル以上の剛性をもつ専用新型フレームを採用し優れた走行性を実現しました。さらに、キャスター、トレール、フォークオフセット値などの最適化のバランスは、優れた直進安定性と小回りの効くハンドリングを両立。最低地上高は余裕の135mmを確保しました。

6) マルチリフレクターヘッドライト採用などによるスポーティなフォルム
 モペットのもつ安心感・機動性という特色と、スクーターのもつ利便性・ファッション性という特色の高次元でのバランスを具現化。ボディ全体には、凝縮感が溢れるスポーティな外観を実現しました。特に25W/25W×2のマルチリフレクター方式ヘッドライトとフロント廻りの独特のデザインが、新しいコミューターの外観を提唱しています。 マルチリフレクターヘッドライト採用などによるスポーティなフォルム

7) その他の特徴
 その他、(1)視認性に優れたメーターパネル、(2)乗降りが楽で余裕のスペースをもつステップボード、(3)泥ハネなどからのプロテクション効果に優れる一体感デザインのレッグシールドなどを採用しました。 視認性に優れたメーターパネル





ヤマハ「NOUVO(ヌーボ)」仕様諸元

型式/エンジン型式 AT115/5LW1
全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
最低地上高
乾燥重量/装備重量
1,935mm×675mm×1,070mm
755mm
1,280mm
135mm
96/101kg
舗装平坦路燃費 ----
原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
空冷・4サイクル・SOHC2バルブ
単気筒
113.7 cm3
50×57.9mm
8.8:1
最高出力
最大トルク
6.54kW(8.9PS)/8,000rpm
8.63 N.m(0.88kgf・m)/7,000rpm
始動方式
潤滑方式
エンジンオイル容量
燃料タンク容量
キャブレター型式
点火方式
セル・キック併用式
ウェットサンプ
0.8L
4.9L
BS25×1
DC-CDI式
1次減速比/2次減速比
クラッチ形式
変速機形式
変速比
フレーム形式
キャスター/トレール
タイヤサイズ (前/後)
ブレーキ形式 (前/後)
懸架方式 (前/後)
ヘッドライト
3.133/3.583
乾式内拡重錘式
Vベルト式無段変速
2.369~0.820
スチールチューブ アンダーボーン
25度/112mm
70/90-16/80/90-16
油圧式シングルディスク/ドラム
テレスコピック/ユニットスイング
12V25W/25W×2



ヤマハ 「NOUVO(ヌーボ)」フィーチャーマップ

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