ヤマハ発動機株式会社では、工場排水の処理で発生する汚泥を減容化させる汚泥乾燥機「K310」と「K515」の2機種を2002年3月10日より新発売します。
汚泥乾燥機「K310」、「K515」は水処理技術ベンチャーの株式会社環境設備(本社:名古屋市西区 代表者:宮井政彦氏)とヤマハ発動機が共同で開発したもので、特に、乾燥した汚泥の掻き取り装置部にはヤマハが独自に開発した技術を投入、機能の高度化と低コストを実現しました。
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汚泥乾燥機「K310」 |
<市場背景と商品概要>
排水処理をすれば必ず発生する汚泥は一部飼料等にリサイクルされていますが、広く普及するまでには至っておらず、汚泥のほとんどは産業廃棄物として処理されています。しかしながら、昨今の埋め立て処理場の不足により、その処理コストは年々高騰しています。
この様な状況の中、汚泥排出企業にとっては汚泥排出量の減容化とゼロエミッションが今後の大きな課題になっており、汚泥減容装置の導入が増加するものと思われます。
当社プール事業部では、FRPプール本体のほか、プール用のろ過装置、緊急給水システム等水処理設備の製造・販売にかかわっており、1999年6月より新たな事業領域拡大として、微生物を利用した排水処理装置「担体流動床排水処理システム」を発売、環境に関連した排水等の水処理の分野へ参入しました。今回発売する汚泥乾燥機「K310」「K515」はその一環となる製品です。
<商品の特徴>
1)リーズナブルな価格 |
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独自の技術を採用しシンプルな構造としたため、従来の2分の1から3分の1の低価格を実現しました。 |
2)高い掻き取り機能 |
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乾燥した汚泥をドラムから効率よく掻き取るため、独自の技術で開発した新設計のスクレーパーを採用。機能の高度化を図りました。 |
3)ランニングコストの低減 |
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工場に既存のボイラーがあれば余剰蒸気を利用可能であり、ランニングコストの低減が可能。 |
■主要諸元(「K515」)
処 理 量 |
300kg/h |
外 形 寸 法 |
2,600L×1,200D×650H |
ド ラ ム 寸 法 |
φ500×1,500L |
蒸 気 量 |
70kg/h |
装 置 重 量 |
1,075kg |
<希望小売価格> |
「K310」 |
4,000,000円 |
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「K515」 |
6,300,000円 |
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※ 消費税別、配管等設置工事別 |
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※ 処理量によりオーダー生産も可能 |
(ご参考)
<汚泥処理と乾燥機について>
さまざまな工場から排出される、生産に伴う排水の原水は、通常「調整槽」「活性汚泥槽」「沈殿槽」を経て、処理水は河川や下水に放流され、余剰汚泥は「脱水機」を通り大部分の水分を除去したあと、産業廃棄物として処理されるまでの最終工程として「汚泥乾燥機」にかけられます。
汚泥乾燥機によって汚泥の含水量を可能な限り減少させ、発生する汚泥の量を低減し、産業廃棄物としての処理にかかるコストを低減させるとともに、処理施設などの負担を軽減し、環境に貢献するものです。
<汚泥乾燥機について>
脱水機による脱水後の汚泥をさらに減容化するために、2本のドラムに汚泥を付着させ、ドラム内に直接スチームを供給します。これによってドラムの表面温度を約110℃に熱し、汚泥を乾燥させ、こびりついた汚泥をスクレーパーで掻き取り、乾燥した汚泥をホッパーに回収する装置です。
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