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新設計フレーム採用、エンジンの熟成で戦闘力を向上 02年モデル ヤマハモトクロッサー YZシリーズ YZ250、YZ125、YZ85,YZ85LWを発売

2001年06月13日発表

 ヤマハ発動機(株)は、水冷2ストロークエンジン搭載のヤマハモトクロッサーシリーズ「YZ250」「YZ125」について、新設計フレームを採用し、エンジン性能向上などで戦闘力アップを図った2002年モデルを設定し下記の通り発売します。
 また、入門者向けとして人気の80ccモデルは、9年ぶりの大幅モデルチェンジを図り、FIM競技規則に合わせ85ccへ排気量アップした「YZ85/YZ85LW」として発売します。


ヤマハモトクロッサー「YZ125」

ヤマハモトクロッサー「YZ125」

ヤマハモトクロッサー「YZ250」

ヤマハモトクロッサー「YZ250」

ヤマハモトクロッサー「YZ85」

ヤマハモトクロッサー「YZ85」

ヤマハモトクロッサー「YZ85LW」

ヤマハモトクロッサー「YZ85LW」

名称

ヤマハモトクロッサー「YZ250」「YZ125」「YZ85」「YZ85LW」

発売日

「YZ125」「YZ250」2001年8月3日
「YZ85」「YZ85LW」2001年7月16日

カラーリング

■ディープパープリッシュブルーソリッドE



02年モデル YZ125/250開発の狙いと特徴

 2002年モデルYZ125/250は実戦でトップを獲れる性能をもつ『次世代・戦闘力No.1モトクロッサー』をコンセプトに開発を行ないました。開発にあたっては、(1)エンジンの戦闘力アップ、(2)走破性&ハンドリング向上、(3)走行機能向上を図る新スタイル、などを主眼としました。

 まず、(1)「エンジンの戦闘力アップ」では、01年モデルを上回るレスポンスとパンチ感の達成を狙いに開発、(2)「走破性&ハンドリング性能向上」は、●剛性感としなやかさを併せもつハンドリング、●サスペンション性能の向上、●軽量化及び取りまわしし易いコンパクトな車体の具現化により実現しました。また、(3)「走行機能向上を図る新スタイル」は、軽快さとシャープ感を表現する新スタイルとして具現化しています。


YZ125の主な特徴と変更点

<エンジン関係>
1)新作シリンダー、新作ピストンの採用
 燃焼室とキャブレター間のポート径を40mm径へと拡大し混合気の流量特性改善を図った新作シリンダーを採用、同時に第3掃気ポートの形状最適化を行ないました。TMXχ38キャブレターは、エンジン側ボアを38mmから40mmへ拡大、またニードル、ニードルジェットの形状変更でセッティングを変更しました。これらの相乗効果が全域でパワーフィーリング向上を実現しています。また、ピストンリング幅は2.15mmから2.35mmへ変更した新作ピストンを採用し、性能及び信頼性向上を図りました。

2)ワイドレシオ5速ミッションの採用
 ミッションは、出力特性とのコンビネーションを見直し、新たに5速ミッションを採用、効果的に駆動力を引き出しました。(従来は6速)

3)ニュータイプのラジエターを採用
 YZ250Fと同タイプのラジエターを採用しました。コアの形状・サイズは01年モデルを継承しつつ、コアチューブを9-rowから10-rowタイプに変更。またエア導入フィンは、現行の3列から4列へと変更して冷却風の取り入れ効率の向上を図っています。

4)小型軽量、滑らかなボディ形状を実現したサイレンサー
 サイレンサーは全長275mm(従来モデルは300mm)のショートタイプを採用。新設計車体とのコンビネーションを図るために傾斜を設けて取りつけ、滑らかなボディ形状とスムーズな排気効率を実現させました。

5)その他の変更
 その他、(1)軽量化と新作ミッションとのマッチングを図る軽量シフトカム(現行モデル比-80g)、(2)シール性に優れた新作エアフィルターケース、(3)新エンジンのスペックに併せたエキパイ形状変更、などの変更を行なっています。


<車体関係>
1)長円形鋼管パイプ材採用の新設計フレーム
 実戦での戦闘力アップを照準に “縦方向にしなり易く、横・ねじれ方向に強い剛性”をコンセプトに新開発したセミダブルクレードルフレームを採用しました。メインパイプ部には長円形パイプ鋼管材を、他方ダウンチューブ部は大径角型パイプを採用するなど、細部の最適設計で剛性・強度の高次元なバランスを達成しています。
 これで、モトクロッサーに要求される「剛性強度」と、縦方向の適度な「しなり」を高次元でバランスさせるとともに軽量化を実現。アルミ製サブフレームも、新フレームとの適合を図った角型を新採用し(従来は変形角型断面 )、ねじれ剛性アップを図っています。

2)量産二輪車初の「ハイドロフォーミング工法」で製造したアルミ製リヤアーム
 リヤアームも“縦方向にしなり易く、横・ねじれ方向に強い剛性”というフレームコンセプトに基き新設計しました。製造にあたっては、アルミ材に内側から高圧を加え最適形状に加工するハイドロフォーミング工法を投入。二輪車用アルミパーツとしては初めてとなる生産技術で、アルミ素材の凝固粒子の特性を効果的に活かし、優れた剛性と滑らかな形状精度を両立させました。
 また、ピボットシャフトは従来の17mmから18mmへと拡大し剛性をアップ、走行時リヤタイヤの駆動感をライダーが掴み易い特性としました。また、リンクマウントボルトにまわり止めを追加し、優れた整備性を実現しています。

3)新作フロントホイールハブと幅広スポーク
 新フレームにあわせ前輪のホイールハブも新作して剛性アップを図っています。さらに、前輪ホイールのスポーク組みは、ハブ側の取りつけ幅を従来の78mmから88mmに拡大するとともに、スポークは3.5mm筒状から3.5mm~3.2mmのウエストタイプとし、「剛性強度」と「しなり」の良好なバランスを実現しました。

4)躍動感あふれるニューデザインの車体(新作タンク&シート他)

 タンク、エアフイルターケース、サイドカバー、シートなどのパーツを新設計し採用しました。特に、タンクからシートへの流れはよりフラットな設計を施し、ライディングポジションの自由度を拡大。前後ヒップ移動時の滑らかさと、コーナーリング時のフィット感を実現。併せて躍動感溢れる外観フィーリングを実現しています。

5)その他の変更点
 そのほか、(1)軽量で操作性に優れたタンクキャップ(従来比較ー40g)、(2)ライディングポジションの自由度アップを図るハンドルバー変更(バーとクラウン軸の間を57.7mm→47.7mm)(3)優れた操作フィーリングと制動力を引き出す245mm径リヤブレーキディスク(従来240mm)(4)新作リヤブレーキキャリパーのサポートブラケット採用、(5)小型軽量 設計の新8ビットCDIユニット(H×L×W/59×70×28.5mm→58×70×20mm)採用、(6)リアのショックアブソーバー長変更(487mm→492mm)及びセッティング変更、などを行ないました。


YZ250の主な変更点と特徴

<エンジン関係>
1) 極低速域での性能向上を図るYPVSバルブ形状&仕様変更
 排気タイミングをエンジン回転数に合わせて可変し、滑らかなトルクを引き出すことで定評のYPVS(トリプルYPVS)は、バルブ形状を変更するとともに、バルブを駆動するスプリング部にプレートを追加(従来スプリングのみで全閉作動)。これで、バルブ全閉時の密閉性向上を図り、極低速でのパフォーマンス向上を図っています。

2) カーボンリードバルブの採用
 新設計カーボン製リードバルブ(4葉)を採用して回転全域での性能向上を実現、またレスポンスアップを達成しました(現行はグラスファイバー材)。
 また、新スペックエンジンとの最適バランスを図るため、インテークマニホールドにアルミ製スペーサーを追加。混合気流の最適化を図り、PWK38Sキャブレターの性能を効果的に引き出し優れたレスポンスを実現しました。

3) 新設計キックアームの採用
 キックアームは、操作性アップ及び軽量化を図るために、シャフト径を現行の20mmから18mmへ変更、また形状も一新しました。

4) その他の変更
 その他、(1)ピストンのピン孔部にサイドリリーフを追加して信頼性アップを図った新作ピストン、(2)エンジンスペック変更に合わせた新形状エキゾーストパイプ、(3)操作感向上を図るためシフトフォークの組立剛性アップ、(4)新タイプのラジエター採用(02年YZ125同型)などを採用しています。

《車体関係》
 '02「YZ125」と同様の変更を実施しました。車体の構成は、フレームへのエンジン懸架及びリアタイヤサイズを除き、YZ125、YZ250は同一仕様となっています。



〈02年モデル YZ85/85LW開発の狙いと特徴〉

 2002年モデルYZ85/YZ85LWは、実戦での優れたパフォーマンスと、初心者でも扱い易い性能の両立を狙いに『No1ボーイズモトクロッサー』をコンセプトに開発しました。エンジンの排気量アップ及び車体関連の変更を行ない、'93年型以降9年ぶりの大幅改良モデルとして誕生しました。
 開発においては、(1)モトクロッサーとしての高性能の達成、(2)扱い易い特性、(3)シャープでトレンディなスタイルの具現化、などを主眼としました。なお、排気量 のアップは、FIM車両規則の変更(85ccまで引き上げ)に準じています。


YZ85/YZ85LWの主な特徴と変更点

<エンジン関係>
1) 85ccニューエンジン
 ピストンはボアを47mmから47.5mmへと拡大した新タイプを採用しました(ボア×ストローク47.5×47.8mm)。また排気量 アップに対応し、コンロッド大小端部ニードルベアリングは容量をアップして信頼性を確保。クランクシャフトはウエブ形状を変更して最適バランスを実現しました。
 さらに、クランクケースは掃気ポート形状を変更して中~高速域での性能向上を図りました。またケース右側のオイルシールスプリングを新作の低フリクションタイプとし、パワーロスを低減しています。  

2)アルミボディ採用ケイヒンPWK28キャブレター
 キャブレターは、軽量アルミ製ボディ採用のPWK28を採用しました(01年モデルは亜鉛材のVM26)。この新キャブレターは、スロットルバルブの最適形状と、ポートの密閉性を確保、これで優れた流量特性を引き出し、軽量化と同時に好レスポンスと優れた過渡特性を達成しています。

3)新設計の排気系パーツ

 新作エキパイを採用しました。エキパイ中央部の形状を変更すると同時にフレームの取付位置も従来の上側から下側へ変更。これら排気量アップ及び吸排気系の変更で、01年モデル比較で大幅なパワーアップを実現、また優れたパワーフィーリングを生み出しました。

4)大容量ラジエター及び新作ウォーターポンプ
 ラジエターコアは、現行のW×H×T=110×240×32mmに対して幅(W)を7.8mm広げて117.8mmへと拡大しました。またエア導入フィンは、現行の3葉から4葉へ拡充し冷却効率アップを図りました。さらに新設計ウォーターポンプには、アルミ製インペラーを採用し信頼性及び性能安定化を確保、大容量ラジエターとの相乗効果で優れた冷却性能を確保ています。

5)その他の変更
 その他、(1)操作性及び耐久性に優れる新作クラッチ(クラッチ容量アップ)、(2)新作ミッション(新作メイン&ドライブアクスル、スプラインはインボリュー型へ変更)、(3)優れたシフト操作感を図るシフトシャフト仕様変更、(4)耐水性、耐塵性に優れた構造のキックアーム、(5)整備性を配慮したセパレートタイプ新作クラッチカバー、などを採用しました。


<車体関係>
1)完全別体式リヤフレームと上級モデル同タイプのフートレスト
 スチール製フレームの基本構成は現行01モデルを継承しつつ、リヤフレームは完全脱着式としました。また、フートレスト部の大型化(YZ250など上級モデル同部品)、エンジンマウントボルトの径アップ(M8→M10)などで優れた信頼性、整備性を実現しました。

2)新作フロントフォーク及びリアサスペンションのバルブ構造変更
 YZ125/250と同タイプのバルブ構造の新作フロントフォークを採用しました。またピストン、スライドメタル、ピストンロッドベアリングに低フリクション型を採用、アンダーブラケットの取付けボルトは2本(現行1本)に変更する等で、良好なクッション性能、セッティング幅の拡大、優れた剛性を併せて実現しています。 リアサスペンションも、圧側減衰バルブの構造をYZ125/250同タイプとして、セッティング幅を拡大しました。

3)シート形状変更
 YZ125&250の流れを受け継ぎ、タンク、エアフィルターケース、サイドカバー、シートなどのデザインを施しました。タンクからシートへの流れは、一層フラットな設計を行ない、ライディングポジションの自由度を拡大しました。また、タンクキャップ径も45mmの大径(現行40mm)として操作性アップを図っています。

4)ブレーキディスク材質及びパッド材質変更

 前後ブレーキディスクは、現行のスチール材からステンレス材に変更(サイズは同様で前220mm径、後190mm径)。合わせてパッド材質の変更でコントロール性、効力の向上を図りました。

5)その他の変更
 その他、(1)ハンドルバー変更、(2)前後ニューパターンタイヤ、(3)チャージコイル形状・パルサーコイル形状等の変更を施した新作CDIマグネトー、(4)デジタル制御CDIユニットなどを採用しました。



2002年モデル ヤマハモトクロッサー『YZ125』主要諸元


全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
最低地上高
乾燥重量

2129×827×1311mm
991mm
1438mm
397mm
87.5 kg

原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
最高出力
最大トルク
始動方式
潤滑方式
燃料タンク容量
キャブレター型式
点火方式

水冷2サイクルクランク室リードバルブ
単気筒
124cm3
54.0×54.5mm
8.7~10.8:1
28.7kW(39PS)/11500rpm
25.5N・m(2.6kgf・m)/10000rpm
キック
混合給油
8.0L
TMXχ38
CDI式

1次減速比/2次減速比
クラッチ形式
変速機形式
変速比
フレーム形式
キャスター/トレール
タイヤサイズ (前/後)
ブレーキ形式 (前/後)
懸架方式 (前/後)

3.368/3.769
湿式多板コイルスプリング
常時噛合式前進5段リターン
1速/2.250 2速/1.824 3速/1.526 4速/1.263 5速/1.087
セミダブルクレードル
25°36'/106mm
80/100-21-51M/100/90-19-57M
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク
テレスコピック/スイングアーム



2002年モデル ヤマハモトクロッサー『YZ250』主要諸元


全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
最低地上高
乾燥重量

2176×827×1292mm
988mm
1481mm
391mm
97.5kg

原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
最高出力
最大トルク
始動方式
潤滑方式
燃料タンク容量
キャブレター型式
点火方式

水冷2サイクルピストンリードバルブ
単気筒
249cm3
66.4×72mm
9.1~10.6:1
38.9kW(53PS)/8000rpm
49.0N・m(5.0kgf・m)/7500rpm
キック
混合給油
8.0L
PWK38S×1
CDI式

1次減速比/2次減速比
クラッチ形式
変速機形式
変速比
フレーム形式
キャスター/トレール
タイヤサイズ (前/後)
ブレーキ形式 (前/後)
懸架方式 (前/後)

3.000/3.571
湿式多板コイルスプリング
常時噛合式前進5段リターン
1速/1.929 2速/1.563 3速/1.278 4速/1.091 5速/0.952
セミダブルクレードル
27°6'/117mm
80/100-21-51M/110/90-19-62M
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク
テレスコピック/スイングアーム



2002年モデル ヤマハモトクロッサー『YZ85』主要諸元


全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
最低地上高
乾燥重量

1821×758×1161mm
864mm
1258mm
351mm
66kg

原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
最高出力
最大トルク
始動方式
潤滑方式
燃料タンク容量
キャブレター型式
点火方式

水冷2サイクルクランク室リードバルブ
単気筒
84.7cm3
47.5×47.8mm
8.2:1
21.3kW(29PS)/12000rpm
17.26N・m(1.76kgf・m)/10500rpm
キック
混合給油
5.0L
PWK28×1
CDI式

1次減速比/2次減速比
クラッチ形式
変速機形式
変速比

フレーム形式
キャスター/トレール
タイヤサイズ (前/後)
ブレーキ形式 (前/後)
懸架方式 (前/後)

3.611/3.357
湿式多板コイルスプリング
常時噛合式前進6段リターン
1速/2.454 2速/1.882 3速/1.529
4速/1.294 5速/1.130 6速/1.000
セミダブルクレードル
26°18'/88 mm
70/100-17 40M/90/100-14 49M
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク
テレスコピック/スイングアーム



2002年モデル ヤマハモトクロッサー『YZ85LW』主要諸元


全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
最低地上高
乾燥重量

1896×758×1204mm
902mm
1278mm
391mm
69kg

原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
最高出力
最大トルク
始動方式
潤滑方式
燃料タンク容量
キャブレター型式
点火方式

水冷2サイクルクランク室リードバルブ
単気筒
84.7 cm3
47.5×47.8mm
8.2:1
21.3kW(29PS)/12000rpm
17.26N・m(1.76kgf・m)/10500rpm
キック
混合給油
5.0L
PWK28×1
CDI式

1次減速比/2次減速比
クラッチ形式
変速機形式
変速比

フレーム形式
キャスター/トレール
タイヤサイズ (前/後)
ブレーキ形式 (前/後)
懸架方式 (前/後)

3.611/3.714
湿式多板コイルスプリング
常時噛合式前進6段リターン
1速/2.454 2速/1.882 3速/1.529
4速/1.294 5速/1.130 6速/1.000
セミダブルクレードル
27°/106 mm
70/100-19 42M/90/100-16 52M
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク
テレスコピック/スイングアーム



メーカー希望小売価格

YZ250
YZ125
YZ85
YZ85LW

599,000円
499,000円
309,000円
319,000円

※価格には消費税は含まれない


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