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本格ビッグVツイン・クルーザーの世界に"走りのエキサイトメント"を具現化 ヤマハ「Road Star Warrior」(02年北米モデル)USディーラーミーティングで発表

2001年06月13日発表

 ヤマハ発動機(株)は、6月12日に米ネバダ州ラスベガスで開催されるUSディーラーミーティングで、2002年北米向けニューモデル「Road Star Warrior(ロードスター・ウォーリア)」を発表しました。
  フュエルインジェクション採用の空冷Vツイン1670cm3OHVエンジンを、量産クルーザー世界初のアルミ製ダブルクレードルフレームに搭載、“パフォーマンス・クルーザー”の世界を新たに提唱するモデルで、2002年に米国、カナダ市場で発売を予定しています。


ヤマハ「Road Star Warrior(ロードスター・ウォーリア)」

ヤマハ「Road Star Warrior(ロードスター・ウォーリア)」

名称

ヤマハ「Road Star Warrior(ロードスター・ウォーリア)」

発売日

2003年2月27日

販売計画

6,000台(年間/米国・カナダ合計)



企画の狙い

 米国二輪市場は、好景気を背景に昨年約62万台規模に達しました。この中で、クルーザーカテゴリー(アメリカンモデル)は需要の約4割を占める中心クラスです。(99年に発売の「XV1600 Road Star」は、ツーリング機能を高めたモデル「シルバラード」や、ブラックボディとメッキパーツ多用でカスタム感を強調した「ミッドナイトスター」と計3種のバリエーションを展開。販売実績は年間約1万台で好調に推移しました)用途は、気軽なタウンライドをはじめ、フリーウェイを使う中長距離ツーリングといった多彩 な広がりが見られます。

 特に近年の傾向として、郊外のオープンロードの緩やかなコーナーを駆け抜ける楽しみ方や、市街地での発進加速のフィーリングを楽しむ用途などが顕在化しつつあります。そこでは、『アクセルひとつでググッと前に押し出す加速感』や『緩いコーナーをスピードにのって豪快に駆ける』といったパフォーマンスを求める声が強くなっています。

  「ロードスター・ウォーリア」は、上記の声に呼応し、「XV1600 Road Star」の魅力を活かしながら、〈Vツイン・パフォーマンス・クルーザー〉をモデルコンセプトとし企画開発したモデルです。随所に最新技術を投入して“オープンロードを存分に楽しめるVツインクルーザー”を具現化しました。特に、「XV1600 Road Star」のもつ、(1)シンプルでパワーソースの存在感をダイレクトに表現できる空冷エンジン、(2)エンジンで発生したパワーが後輪に伝達される様子が視覚的に楽しめるベルトドライブ、といったベーシックはそのまま継承し“走りのエキサイトメント”という要素を存分に織込んだ点が特色となっています。



主な特徴

エンジン関連

1)中高速でのパワーを満喫できる1670cm3空冷OHVエンジン
 XV1600 Road Starに搭載して定評の空冷48度Vツイン・4バルブ・2プラグ・セラミックメッキシリンダー採用のエンジンを母体に、各部の大幅改良で約40%の出力アップを果した1670cm3ニューエンジンを搭載しています(「Road Star」比較で2mmボアアップの97×113mmのボア×ストローク)。
 新設計の燃焼室スキッシュエリア、高速化に適合させたカムプロフィール、駆動ロス低減とヘッド廻り剛性アップを図るロッカーアーム長短縮とアーム比約3割ショート化、放熱性アップを図る排気ポート長短縮、フィン面積の3割アップなどを施し、中速での鋭いレスポンスと高速で伸びのある特性、優れた信頼性を確保しました。

2)クロス配置・インジェクター独立タイプのフュエル・インジェクション
 吸気系には、40mm径ダウンドラフト型のツインボア・フュエルインジェクションを採用しました。とくにスロットルボディはクロス状に配し、インジェクターはスロットルボディと別体設計し、これらをシリンダーVバンク間のスペースに配置、スペースの有効活用と高性能の両立化を図っています(「Road Star」はサイドドラフト型のシングルキャブレター採用)。

3)独創の〈サブ・インテーク〉方式採用大容量エアクリーナー
 エアクリーナーは、V型気筒間に配した4リットルのメインボックスと、燃料タンク下側の3.5リットルのサブボックスをダクト連結した合計7.5リットル大容量タイプを採用。メイン側に加え、タンク側のサブボックスにもエアの取り入れ口を設ける独創の設計を行ない、効率的なインテークによる優れた充填効率を確保し、優れたエンジン性能を引き出しました。

4)2 into1 マフラー、160mm径・570mm長の大型サイレンサー採用

 排気系には、前後気筒エキパイ部のV字部双方の長さをほぼ同じに設計し、前後同調バランスを図った2into1マフラーを採用しました。また、サイレンサーは大径160mmで全長570mmという大容量タイプを採用。優れた排気効率、低周波で鼓動感溢れ歯切れのよい排気サウンド、迫力ある外観スタイリングを達成、同時にオープンロードを存分に楽しむ為に必要なバンク角も確保しています。


車体関連

1)量産クルーザー世界初のアルミ製ダブルクレードルフレーム
 軽量かつ低重心により優れた操縦安定性を実現するため、量産クルーザー世界初のアルミ製ダブルクレードルフレームを採用しました。フレーム構成には積極的にキャスティング材を使用(一部パイプ材採用)して、最適な剛性バランスを確保しました。軽量アルミ製リヤアームやアルミ鍛造シートレールなどの効果も加わり、トータルで「XV1600 Road Star」比較で約30kg以上の大幅な軽量化を達成、優れた操縦安定性を引き出すポイントとなっています。
 また、エンジン懸架はリジッドマウント方式を採用、ダイレクトな走行フィーリングとビッグVツインならではの鼓動感が伝わり易い設計としました。

2)倒立フロントフォーク採用及びリアサスペンションの減衰力最適化
 フロント廻りの優れた剛性バランスとクッション性を両立させる倒立式フロントフォークを採用し、パフォーマンス・クルーザーに相応しい外観とサスペンション性能を実現しました。また、リアサスペンションは、減衰特性の最適化を図り、剛性感ある走行フィーリングを実現しました。なお、新デザインの前後軽量キャストホイールを採用し、バネ下重量の低減も合わせて実現しています。

3)MOSブレーキキャリパー採用のフロントブレーキ
 ブレーキには、小型高剛性MOS対向ピストン・ワンピース・ブレーキキャリパーを採用しました。このMOSキャリパーは、YZF-R1に採用のものと同タイプ。またリアブレーキはFJR1300と同型を採用し、制動力、操作性、幅広いコントロール性、などを実現しています。

4)前後ラジアルタイヤ及び新作キャストホイールの採用
 ワイドサイズのラジアルタイヤを前後に採用した。リアタイヤはヤマハ市販モデルで最も太いサイズとなる200/50 ZR 17M/Cのワイドタイプで、走りのパフォーマンスを具現化しつつ、迫力ある外観のポイントとなっています。また、YZF-Rシリーズに代表される板厚最適化の手法をベースに、最適化を図った新作軽量キャストホイールを採用しました。余裕のバンク角、重量マス集中との相乗効果で、ダイナミックなコーナリング性能を達成しています。

5)<フローライン>を強調したニュースタイルと外装処理
 “パワー感表現と、動きを感じさせるフローライン”をコンセプトとする新スタイルを実現しました。エンジン廻りデザインは、<パワー伝達のダイナミズム・パワープラントの強調・駆動する大径タイヤの主張>などを主眼にデザイン。車体廻りは<ボディフローダイナミズム・パワーの流れと存在感・軽量ボディの視覚化>を主眼としてデザインを施しています。また、超うす型のフュエルタンクも、このフローラインを具現化させる大きな要素となっています。
 さらに、外装は普遍的なクロムメッキ処理表現に加え、車体・エンジンともにマットブラック塗装を採用した他、バフ加工、切削加工など多彩な仕上処理を施し、従来のクルーザーイメージを超えた新しいスタイルを強調しました。

6)その他の特徴
 その他、(1)パワーが後輪に伝達される様子が視覚的に楽しめるベルトドライブ方式、(2)アティチュード(威圧感)とアグレッシブ感を調和させたライディングポジション、(3)盛り上がるパワー感をビジュアルに表現するバー表示の液晶薄型タコメーター、(4)オーセンティックなアナログ式速度計&インジケーターランプ、(5)新デザインのマルチリフレクター式ヘッドライト、(6)量産クルーザー初のLED式テールライトの採用などが特徴となっています。



2002年モデルヤマハ『ロードスター・ウォーリア』 仕様諸元(北米仕様)


全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
乾燥重量
原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
最高出力
最大トルク
始動方式
燃料タンク容量
燃料供給
タイヤサイズ(前/後)

2,390mm×953mm×1,120mm
715mm
1,670mm
275kg
空冷・4サイクル・OHV・4バルブ
V型2気筒
1670cm3
97×113mm
8.3:1
NA/4,500 r/min
NA/3,750 r/min
セル式
15L
電子制御フュエルインジェクション
120/70 ZR-18/200/50ZR-17 MC


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