ヤマハ発動機株式会社では、世界で初めて4ストロークの225馬力船外機「F225A」を開発。2001年春より世界同時に新発売します。
ヤマハ「F225A」は当社独自の船外機の小型化技術「バンク内排気システム」を採用し、225馬力の大型4ストローク船外機ながら、同馬力の2ストローク船外機並みに小型・軽量であることが大きな特徴です。また、エレクトロニック・フューエル・インジェクションの採用によって、高性能のみならず、低燃費・排ガスのクリーンさ・静粛性といった4ストロークエンジンの利点をさらに強化しました。排ガスに関しては、EPA(米国環境保護庁)および日本舟艇工業会の2006年自主規制値を大幅にクリアしています。
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ヤマハ「F225A」 |
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名称 |
ヤマハ「F225A」 |
販売計画数 |
5,000台/年間(国内・海外合計) |
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市場背景と商品の概要 |
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アメリカでは船外機の排ガスに関する「EPA規制」が総量規制の形で1998年モデルから適用され、ヨーロッパでもマリンエンジンを対象とした個別排ガス規制が始まろうとしています。国内でも日本舟艇工業会の排ガス自主規制が2000年から始まるなど、世界的に環境に対する意識が高まるなかで、クリーンな排ガスと低燃費を実現しやすい4ストローク船外機が次々に市場へ導入されています。
船外機はその用途から、「軽量・コンパクト・高性能」であることが要求されます。米国を中心に4ストロークの大馬力船外機は特に需要が高まっていますが、これまで「軽量・コンパクト」な
製品の実現が難しいものでした。今回開発した「F225A」は、新技術の採用により大型4ストロークの分野で「軽量・コンパクト、かつ高性能」を実現し、市場の声に応えた世界最大馬力の4ストローク船外機です。 |
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ヤマハ「F225A」の特徴 |
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新開発のエンジンと「バンク内排気システム」の採用 |
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船外機を軽量・コンパクトにするには、エンジンは小排気量で燃焼効率が高く、高出力であることが必要です。「F225A」
には、専用に設計した新開発のエンジンユニットに加え、今回独自に開発した「バンク内排気システム」を搭載、60度V型6気筒DOHCパワーユニットを採用し、小型、軽量を実現しました。
●「バンク内排気システム」とは
当社独自の船外機エンジンのコンパクト化技術。自動車エンジンに見られる吸気系統と排気系統のレイアウトを反転させた構造で、4ストロークV型船外機としては世界で初めて採用した新システムです。
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群を抜く経済性とクリーン度 |
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ヤマハ「4ストロークフューエルインジェクション」システムを搭載しました。各種センサーがエンジンの状態を正確に把握し、その情報を受け取ったマイコン(ECU=エンジンコントロールユニット)が最良の燃焼状態を保つように燃料噴射や点火タイミングを精密にコントロールします。
その結果、「F225A」は同クラスの従来の船外機に比べ燃費が大幅に向上しました。
排ガスに関しては、燃焼効率が良いことに加え、「ブローバイガス再燃焼方式」(注)の採用により、EPAおよび日本舟艇工業会の排ガス自主規制をはるかに下回るクリーンさを得ています。
当社では環境に対するヤマハ発動機の企業方針・目標を策定した『2010年環境アクションプランEco・Cite
YAMAHA』を1999年9月に発表していますが、「F225A」 はこの方向性を具現化した商品です。
(注)「ブローバイガス再燃焼方式」:ピストンとシリンダーの間から未燃焼ガス(ブローバイガス)がもれる場合がありますが、そのガスを再度、完全燃焼させるシステムのことです。 |
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優れた走行性能 |
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24バルブDOHCエンジンに独自のフューエルインジェクションシステムを搭載したほか、中低速トルクを充実させるロングインテークシステム等の採用により、全域の燃焼効率を高めて、2ストロークエンジンと比較しても遜色のないスピードと加速性を実現しました。また、加速減速時のレスポンスも非常に良好です。 |
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卓越した静粛性 |
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「F225A」は全回転域で卓越した静粛性を発揮します。特にアイドリング時は、アイドルスピードコントローラーおよびアイドリング専用のノイズ低減システムにより、4ストロークエンジン本来の静粛性をさらに高めています。 |
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自己診断システムとフェイルセーフ機構を採用 |
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ECUにパソコンを接続して、画面上で運転履歴を知ることのできる「自己診断システム(ダイアグノシス)」を採用しています。また、万一、システムの一部やセンサーが故障しても低速でエンジン運転が続行できるフェイルセーフ機構を採用しています。 |
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ご参考 |
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ヤマハ4ストローク船外機ラインナップ(全13機種) |
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F4 F40
F6 F50
F8 F80
F9.9 F100
F15 F115
F25 F225
F30 |
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世界のマリンエンジン市場概況 |
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世界の船外機需要は約80万台で推移しており、今後も先進国のレジャー市場を中心に、微増することが予測されます。
特にアメリカ市場は約35万台で最も大きな市場を形成しており、100馬力以上の大型船外機が好調に販売を伸ばしています。また欧州市場は約20万台で、特に25馬力以下の中小型船外機が中心となっています。
欧米では環境保護に対する意識が高まり、船外機も高出力かつ排気ガスのクリーンさや低燃費であることが求められています。一方、中南米や東南アジア、アフリカなどの市場では、海上交通や漁業などの業務を中心とした市場があり、耐久性や信頼性、シンプルで扱いやすいことが特に強く求められています。 |
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ヤマハ発動機のマリンエンジン事業 |
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当社の船外機は、世界180ヶ国以上に輸出され、各国の市場で高い評価を得ています。
当社ではこれまで、4ストロークのラインナップ拡充をはかり、2ストロークでは独自 の直墳システム「HPDI」を開発・採用してきました。4ストロークの低燃費や静粛性、2ストロークのメリットである構造のシンプルさや加速などの動力性能をさらに向上させ、お客様や市場が求めるものを具現化し、世界の人々に感動と豊かな生活を提供してきました。
従来の耐久性、信頼性をベースとして、今後も市場のニーズに合致した商品を2ストロークと4ストロークの両面で開発していきます。 |