ヤマハ発動機(株)および当社のヨーロッパでの現地法人、ヤマハモーター ヨーロッパNVでは、7月6日よりイタリア・ナポリで開催した記者発表会において、2001年欧州向けモデルとして、新開発水冷4ストローク499cc・2気筒エンジン搭載のスポーツコミューター、ヤマハ「TMAX」を発表しました。
ヤマハ「TMAX」は、新開発の水平対向バランサー装備の水冷4ストローク2気筒エンジンをダイヤモンドフレームに搭載し、・高速タンデムでの高い走行性 ・モーターサイクル感覚のハンドリング ・優れた利便性と快適性などを具現化し、従来の“スクーター”の概念を超える新しい走りを提唱するモデルとなっています。
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ヤマハ「TMAX」(2001年欧州向けモデル) |
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市場概況と製品の概要 |
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欧州の二輪市場(126cc以上)は、年間需要約43万台を示した'94年以降、好調な伸長を見せ、'99年は約80万台に成長しました。この中で、'96年にヤマハが投入した本格スクーター「マジェスティ250」は、市場伸長の原動力となりイタリアを中心に、全欧州で人気モデルとして定着しました。また、各社からも類似モデルが投入され、市場が活性化しています。
「マジェスティ250」が支持されたのは、快適な乗り心地とスポーツライクな走行性などが理由ですが、また一方で、広範囲での高速ツーリング機能の充実や、タンデム走行での一層の快適性などを要求する声があり、次代のコミューターに期待が寄せられていました。
上記ニーズに呼応するのが本モデル「TMAX」で、欧州の都市部を出発点に100~300Kmの範囲を週末に2人乗りで快適に走行できる機能を、新しいスクーターデザインに具現化し、高速スポーツコミューターを提唱するモデルとして開発したものです。
具体的には、“モーターサイクルのようなファンライドが愉しめること”と“コミューターとしての快適性”を開発の狙いとしました。
技術の特徴としては、新開発の水平対向バランサー装備の水冷4サイクル2気筒エンジンをダイヤモンドフレームに搭載し、1)タンデムを含めた高速での快適な運動性能 2)モーターサイクル感覚の操縦安定性 3)優れた利便性と快適性などの具現化です。これまでのスクーターの既成概念を払拭するモデルとなっています。 |
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技術の特徴 |
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水冷DOHCツイン・水平対向バランサー採用エンジン |
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軽量小型設計の水冷4サイクルDOHC並列2気筒4バルブ360度クランク・499ccメッキシリンダー採用の新エンジンを搭載しました。ボア×ストローク66mm×73mm、10.1:1の圧縮比から、29.4kW(40PS)の最高出力と45.8N・m(4.67kgf・m)の最大トルクを発揮します。
このエンジンは、全幅を小型設計とした点が特徴で、またクランク軸反対側にアルミピストンを持つ往復バランサー(水平対向バランサー)を装備して振動を低減しています。ヤマハ独創のこの新設計・往復バランサーは、運動部品を極力下部に配置してスペースの有効活用を図るとともに、1次慣性力、2次慣性力を相殺して低振動化を達成、快適な乗り心地に貢献するシステムとなっています。
また、エア・インダクション・システムを採用して排出ガス低減を図りました。 |
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優れた動力性能を引き出す新設計小型ゴムベルトCVT |
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大排気量に呼応した専用開発のゴムベルトCVT(無段変速機/continuously
variable transmission)を採用しました。湿式多板自動遠心クラッチとの組合せで、滑らかな走行性を実現。このCVTユニットは、ドライブ軸の右側に配置(従来のスクーターとは反対側)する合理設計を行い、レシオ制御を減速前の小さなトルクを介して行い信頼性を向上しました。また、スペースの有効活用も実現しました。 |
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ダイヤモンドフレームの採用 |
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ダイヤモンドタイプの鋼管フレームを採用、エンジンをリジッド3点懸架で搭載して、エンジンを車体の強度部材として活用して優れた車体剛性を確保しました。さらに、スポーツバイクと同構造のテレスコピック式フロントフォーク、前後14インチ、車軸固定型リヤホイール、高剛性リヤアームなどを採用した他、前後重量配分を最適化しました。これらの相乗効果で高速走行での優れた走行安定性を実現しました。
またヤマハ独自の操縦安定性解析技術を投入して、優れた操縦安定性を実現しています 。
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ピボッド&ドライブ軸の同軸設計および2段掛けドライブチェーン |
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ドライブ軸とピボット軸の同軸設計とするヤマハ独自のリヤアーム設計(アルミ製リヤアーム)を施しました。リヤアーム支点軸とドライブ軸を同軸上としてコンパクト化を図ると同時に、リヤアーム左側内部に配した2段連結掛けでサイレントチェーンが駆動を伝達する“2段連結サイレントチェーン”方式を採用。アーム内のチェーンはオイルバス封入方式として、メンテナンスフリー化を合わせて実現しました。 |
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コミューターとしての優れた利便性 |
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コミューターに求められる大容量収容スペースを確保しました。シート下収容スペースは、フルフェイスヘルメット1個またはB4ビジネスバックを収納できる33リットルの大容量
となっています。 |
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その他の特徴 |
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1)優れた始動性を実現する2連オートスターター付きキャブレター
2)優れた冷却性能を発揮する湾曲ラジエター
3)オイル劣化を最小限に抑える水冷式オイルクーラー
4)前後ディスクブレーキ
5)「ロイヤルスター」と同タイプの下置き伸びタイプのリヤクッション
6)モーターサイクル並のバンク角50度の確保
7)大容量14リットル入りタンク
8)前120/70-14、後150/70-14タイヤ
9)YZF-R1を彷彿とさせるマルチリフレクター2灯ヘッドライト |
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ヤマハ『TMAX』
イタリア仕様 主要諸元 |
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全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
最低地上高
乾燥重量/装備重量
原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比 |
2235mm×775mm×1410mm
795mm
1575mm
140mm
197kg/217kg
水冷・4サイクル・DOHC・4バルブ
並列2気筒
499 cm3
66.0mm×73.0mm
10.1:1 |
最高出力 |
29.4kW(40PS)/7000r/min |
最大トルク |
45.8N・m(4.67kgf・m)/5500r/min |
始動方式
潤滑方式
エンジンオイル容量
燃料タンク容量
キャブレター型式
点火方式
バッテリー容量 |
セル式
強制圧送ドライサンプ
3.6L
14L
BS30
T.C.I.
12V 8AH(10H) |
1次減速比/2次減速比
クラッチ形式
変速機形式
変速比
フレーム形式
キャスター/トレール
タイヤサイズ(前/後)
ブレーキ形式 (前/後)
懸架方式 (前/後)
ヘッドライト |
2.659/2.262
自動遠心湿式多板
Vベルト自動無段変速
Low 2.322/Top 0.800
ダイヤモンド
28°/95mm
120/70-14 M/C:55S/
150/70-14 M/C:66S
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク
テレスコピック/スイングアーム
ハロゲンバルブ12V 60W/55W |
カラーリング |
■カームイエロー(黄)
■ベリーダークブルーカクテル4(紺)
■シルバー1(銀) |
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