タイの二輪車製造・販売の合弁会社であるサイアム・ヤマハ社は、このたび、サイアム・ヤマハ社の債務再編とともに、ヤマハ発動機(株)がサイアム・ヤマハ社の株式の過半数を取得した新体制の基で事業を継続・発展させる事を主な内容とした事業推進案について、同社支援の銀行団と基本合意に達しました。
なお、サイアム・ヤマハ社は、現在、タイの現地パートナーであるKPNホールディング社が72%、当社が28%出資し、KPNホールディング゙社が経営を主導している合弁会社であり、アジア通貨危機以降、需要規模の急激な低下に伴い厳しい経営状況が続いてきました。
基本合意の概要は、当社及び銀行団が支援することにより、サイアム・ヤマハ社の増資を行い、資本金を、現在の25億バーツから41億バーツ(約115億円)とし、当社が51%、銀行団が34%、KPNホールディング゙社が15%となるとともに、2000年7月より当社が経営を主導する内容です。また、KPNホールディング社が株式の過半数を保有する部品製造会社2社についても、新体制のサイアム・ヤマハ社が100%出資する子会社となります。
当社では、このたびの基本合意により、これまでの日本および世界各国で、グローバルに展開してきた製造・販売・技術の関連ノウハウをサイアム・ヤマハ社の経営に充分活かすことが可能となり、サイアム・ヤマハ社の事業発展とともにタイ二輪車市場への市場責任を果たしていきます。
タイの二輪車市場は1995年の年間146万台をピークに、アジア通貨危機の影響で1998年は約53万台まで急減しましたが、昨年は約60万台と回復基調に入っており、二輪車は、利便性のある交通手段として、今後の経済の回復とともに更なる需要拡大が見込まれます。
当社では、今後、回復が見込まれるタイの二輪車市場に対して、より市場性に合致した二輪車の開発と効率の高い生産を目指すことにより、2005年の生産・販売規模を、現在の3倍以上の生産規模である年間約30万台を計画しています。
また、将来的には、サイアム・ヤマハ社をインドシナ市場を睨んだ完成車輸出およびアジア域内の部品相互補完の重要生産拠点として育成し、アジア二輪車市場の需要拡大に努めてまいります。
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