ヤマハ発動機株式会社は、21世紀に向けて、環境に対する企業姿勢やその方針・目標を明確にした『2010年環境アクションプラン
Eco・Cite YAMAHA』をこのたび策定しました。
『2010年環境アクションプラン Eco・Cite YAMAHA』は、「環境2000年プラン」(1996年4月
策定)の活動成果を踏まえ、更にステップアップを図ったもので、その内容は以下の3つの骨子で構成されています。
(1) 製品・技術及び製造工程において環境保全性の徹底推進
(2) 環境マネジメントシステムの構築・運用
(3) ライフスタイルの変革を目標とした意識改革の促進 |
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その具体的な内容は次の通りです。 |
1. |
製品のさらなる「省エネルギー」「ロングライフ」「リサイクル100%」を目指していくと
ともに、その製造過程においても「省エネルギー」「有害物質の排除」「工場廃棄物ゼロを
目指したクローズドループ型システムの実現」に取り組み、企画・設計・製造・物流、そしてお客様の手に渡ってからも、常に地球環境に優しく感動を創造する企業活動を目指します。 |
2. |
上記1の実現に向けて、新体制の下、環境マネジメントシステムを運用し、各事業部活動における目標の高度化をフォローアップしていくと同時に、内部監査機能を強化し、環境報告書をはじめ外部に対しても、様々なコミュニケーションを図っていきます。 |
3. |
これらの環境保全活動は、それを実行する個人や企業人としての「意識改革」が大前提で
あり、これまでの環境に対する活動や、環境マネジメントシステムISO14001の取得・運用を通して得たノウハウを、個人レベルの活動としてさらにステップアップした「Eco・Citeチャレンジ50キャンペーン」として、個人のライフスタイルの変革活動を推進します。また、社員を始め家族や地域を対象とした環境啓蒙活動を実践するとともに、その活動の範囲を国内外のグループ企業に広げていくことを目指します。 |
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昨今、地球の環境保全に向けて、CO2の排出を低減するために、省エネルギー化や省資源化が重要視されています。当社製品には、スクーターやモーターサイクル、更には電動ハイブリッド自転車「PAS」やGHPなど、効率の良いパーソナルビークルとして、または環境に
優しい生活用製品として、注目を集めているものが多々あります。
当社は、この『2010年環境アクションプラン Eco・Cite YAMAHA』の活動を通じ、当社製品・技術の環境保全性の高さをさらに追求していくとともに、LCAの視点で総合的にCO2の排出を30%以上(対1990年社内比)削減することを目指し活動をスタートしました。これは、基幹事業であるモーターサイクル、スクーター、マリンエンジン等の製品の燃費を30%
以上削減することを意味します。さらに、時代の変化や技術の進歩に合った目標の高度化も 実現させていきます。
また、これら製品や技術を、世界中の多くの人に楽しんで頂くことで、人々に感動を提供し、豊かな生活に貢献していきたいと考えています。地球と人が常に主人公、すなわち、環境(Ecology)と感動(Excite)の両立『
Eco・Cite 』。これがヤマハ発動機の21世紀に向けた環境方針です。
尚、ヤマハ発動機では、今後、各事業部毎に環境視点での重点プロジェクトを設定し、強力に推進していきます。成果については、個別に発表して参ります。 |
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LCAとは, Life Cycle Assessment
の略で、「製品の製造から廃棄に至る全てのプロセスで、 環境への負荷を総合的に評価する方法」のことです。 |
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本文中の数値・数字は、社内算定基準によるものです。 |
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『2010年環境アクションプラン
Eco・Cite YAMAHA』の仕組み |
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『2010年環境アクションプラン
Eco・Cite YAMAHA』の概要 |
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1‐a.ヤマハ製品・技術の環境保全性の徹底推進 |
(モーターサイクル事業) |
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燃費30%以上(1990年社内比)削減、さらに各カテゴリーのトップランナーを目指した低燃費・排出ガス低減 |
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次世代2ストロークエンジンおよび環境対応型高出力4ストロークエンジンの開発 |
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電子制御燃料噴射システム、EV化、ハイブリッド、燃料電池や天然ガスなどの研究開発及び製品化 |
(マリン事業) |
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LCA視点でベストの船体設計、リフレッシュ事業の本格化、寿命100年を目指した舟艇製造技術の
開発などロングライフ化技術の促進 |
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ディーゼルエンジンや4ストロークエンジンの開発促進で、カテゴリー単位30%以上(1990年社内比)の燃費削減 |
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船体の再資源化の技術開発 |
(PAS事業) |
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エネルギー消費を低減し、行動範囲を広げる「PAS」の世界規模での普及拡大と製品領域の拡大 |
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アシストモーター並びにバッテリーの高効率化・汎用性の促進 |
等々 |
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b.製造工程における環境保全性の徹底推進 |
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エネルギー消費をCO2で換算、当社総合指標で排出を原単位で30%以上(対1990年社内比)削減 |
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環境負荷物質の登録と管理、代替技術並びに材料技術の開発強化、最終的に使用ゼロ |
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リサイクル率・再資源化の向上、処理容易材の開発により工場廃棄物の低減、最終的にはゼロ化 |
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「クローズドループ型」モデル工場の設置とその展開 |
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2.環境マネジメントシステムによる目標の達成・高度化 |
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製品環境マネジメント、生産環境マネジメント、リサイクル環境マネジメント |
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内部監査システムや内部環境格付の実施、環境報告書(環境会計)等の作成 |
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3.'ライフスタイルの変革'=個人と企業の意識改革を促進 |
<個人としての取組み> Eco・Citeチャレンジ50キャンペーン |
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個人の環境負荷要因を自主的に50%削減するライフスタイル変革の推奨 |
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ISO14001を個人レベルに展開したライフスタイルの自覚と改善 |
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<企業人としての取組み> |
環境社内運動: |
アイディアコンテスト、環境世界大会、社長賞、ビオトープ活動、社内報等による
情報提供/啓蒙活動、社員教育、提案制度の導入等 |
環境社外活動: |
植樹活動、クリーン作戦、環境保護活動への協力・参加、環境展示会の実施等 |
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