本文へ進みます

ヤマハ発動機株式会社 Revs Your Heart

コンパクト・ローメンテナンス・高い処理能力 新しい微生物処理技術 ヤマハ『PVAゲル担体流動床排水処理システム』 新発売

1999年05月25日発表

 ヤマハ発動機株式会社では、微生物を利用した新しい排水処理装置『PVAゲル担体流動床排水処理システム』を'99年6月1日より発売します。
 また、同装置を「世界の食品衛生21―廃棄物処理とリサイクル―」展(5月27日~29日、インテックス大阪)および「ゼロエミッションフェア'99」展(6月9日~12日、ポートメッセなごや)に出展・展示いたします。

 当社ではプール事業部にてプール用のろ過装置、緊急給水システム等水処理設備の製造・販売にかかわってきましたが、新たな領域拡大として環境に関連した排水等の水処理の分野への参入をめざします。

 『PVAゲル担体流動床排水処理システム』は水処理技術ベンチャーの共栄テクノ株式会社(本社・大阪)とヤマハ発動機が開発・販売提携するもので、PVA(ポリビニルアルコール)ゲルを利用し、従来の微生物利用排水処理システムがもっていた問題点を大幅に改善しています。



市場背景と商品概要

 都市下水や各種の有機性産業廃棄物の処理方法としては、現在、微生物の活動を利用した「活性汚泥法」と呼ばれる生物化学的処理が主流となっています。
 しかし、この活性汚泥法では菌体濃度の向上に限界があり、過負荷になるとバルキング(*)が起こって放流不能となる、と同時に活性回復に時間と高度な管理技術が必要であるという問題がありました。特に、BOD数値(*)が高い食品工場等の排水浄化ではバルキングが起こりやすく、その解消が課題となっていました。
 また、都市近郊の工場では施設設置場所の余裕が少なく、コンパクトで高性能、そして管理・メンテナンスの楽な排水処理施設が待望されていました。
 『PVAゲル担体流動床排水処理システム』は、微生物の活動をさらに高めるPVA(ポリビニルアルコール)ゲルを用い、従来の排水処理システムに比べ非常にコンパクトで処理能力に優れ、メンテナンスも楽な高性能排水処理システムです。

*バルキング:活性汚泥が膨潤して、沈降しにくくなる現象。最終沈殿池における固液分離が困難となり処理水質が著しく低下する
*BOD:生物化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand)。水の汚れを測る指標で、有機物が水中の微生物によって分解される過程で使われる酸素の量を測る。汚れた水ほどBODの値が高い



『PVAゲル担体流動床排水処理システム』の特徴

PVA(ポリビニルアルコール)ゲルの利用

 PVAゲルは直径約5mmの白色球で、表面に細かい凹凸があるため、微生物の初期付着性に優れています。内部には表面から無数の細かい孔が連通し、微生物が侵入・定着しやすい構造になっています。そのため、菌体濃度を非常に高くすることができます。


PVAゲルの物性的特徴

・微生物との親和性が高く、毒性もない
・水中での流動性に優れている(比重1.03)
・強度と耐摩耗性が高い
・微生物・酵素によって劣化しない


排水処理システムとしての特徴

・高い処理能力 … PVAゲルの利用により、BODの処理能力は従来の約2~3倍に達します
・高濃度高負荷排水の処理が可能 … 負荷変動に強く、バルキングを起こしにくい特性を持ちます。運転の維持管理が容易です
・汚泥の削減 … 余剰汚泥の発生量が従来の活性汚泥法に比べ大幅に削減されます。返送汚泥が不要のため省力化が実現し、ランニングコストも削減されます
・処理施設のコンパクト化 … 必要な敷地面積が従来の設備に比べ1/2~
 1/3に圧縮されます。限られたスペースを有効に活用できます
・既存設備に対応 … 既存の設備の改造による取り付けが容易です。硝化・脱窒も既存設備の改良で対応できます
・臭気の発生が少ない … 好気性処理のため、臭気の発生を抑えることができます

 

■以上の特性から、ヤマハ『PVA微生物排水処理システム』は食品関連企業等の排水処理に最適なシステムです。染色工場・一般工場排水に適用できます。

 

< 販 売 目 標 >             1億円/初年度


ページ
先頭へ