「ヤマハ発動機・電波暗室」の落成について 2001年04月14日発表 ヤマハ発動機(株)は、当社製品の電磁波による環境への影響を最小化するために、昨年6月より静岡県磐田郡豊岡村の新平山工業団地内に「ヤマハ発動機・電波暗室」の建設を進めていましたが、このほど完成し、1999年4月14日(水)に落成式を開催します。 現在、急速な電子技術の進歩により、人々の生活は便利になっていますが、反面、高度な電子システムは、電磁波雑音の発生や電磁波により機器が誤動作する弱い一面を持っています。これに対応するために世界各国では、電磁波障害が発生しないような様々な規制を定めており、その規制は年々厳しくなっています。 当社では、高度な電子システムを搭載している製品やコンポーネント部品が多く、世界各国の電磁波障害規制に迅速に対応するために、製品より発生する電磁波障害(EMI)や電波を受けた製品の誤動作耐力(EMS)に関する技術開発を推進するとともに、世界各国での認証取得に対応するために、この施設を設立しました。 当施設は、陸上の乗り物(二輪車、ゴルフカー、スノーモビル・PAS・電動補助車イス等)、マリン製品(船外機・ウォータービークル等)、機器(産業用ロボット、GHP等)などの当社の幅広い製品やコンポーネント部品(電子制御ユニット・電装部品 等)を対象として、EMI及びEMS技術開発を一貫して実施できる施設であり、各設備は、世界各国の認証受験が可能な国際基準に基づいています。 ヤマハ発動機・電波暗室 施設概要は、敷地面積3,875㎡、延床面積1,736㎡の2階建てであり、 設備として、1階に陸上乗物用商品とマリン・機器用商品の各電波暗室と各測定室、1階にコンポーネント部品のEMS評価を行う装置を備えた室で構成しています。 特徴は、測定商品とアンテナまでの距離を10mとれる大型電波暗室であり、特に、乗物用電波暗室には、二輪車や四輪車用にタイヤを回して走行状態をつくりだせるローラシャーシの設置、マリン・機器用電波暗室には、マリン用の給排水設備や産業用ロボット用の大容量電源やエア設備など、幅広い商品群のEMIおよびEMS評価に対応できる施設としています。当施設は、本年4月より試験運用を開始し、7月には欧州認証機関を招聘し、当電波暗室での二輪車のEMI/EMS認証を受験する予定です。 *「電波暗室」とは、外来の電磁波雑音を遮蔽しながら電磁波反射の無い理想的な空間において、各商品のEMI及びEMS評価を行うための部屋。そのために、 壁面・天井ともフェライトやカーボン等の材質で形成された四角錐形状の多数の 電波吸収体で覆われ、室内には、電波雑音を受けたり、発生させる数種類のアンテナや商品の監視モニターなどがある。 「ヤマハ発動機 電波暗室」の概要 名 称 ヤマハ発動機電波暗室 所 在 地 静岡県磐田郡豊岡村敷地西ノ谷1558(新平山工業団地内) 工事開始 1998年6月より 竣 工 日 :1999年4月14日 敷地面積 3,875m2 延床面積 :1,736m2 総投資額 約8億円 施 設 ◆乗物用二輪車・四輪車用ローラシャーシ付大地等価床 の10m法大型電波暗室 (1階/陸上乗物用商品電波暗室) ◆機器・マリン用大容量電源、給排水設備付金属床の10m法 の大型電波暗室(1階/マリン・機器用商品電波暗室) ◆ コンポーネント用強電界EMS評価のGTEMセル (2階/コンポーネント用部品) 開発対象 当社の幅広い商品群とそのコンポーネント ◆地上の乗物 :2輪車、ゴルフカー、スノーモビル、PAS、 電動補助車イス 等 ◆機 器 :産業用ロボット、マウンタ、GHP 等 ◆マリン製品 :船外機、WV 等 ◆コンポーネント :電子制御ユニット、電装部品 等