ヤマハ発動機(株)は、世界初の手動車いす用電動補助ユニットとして好評の「JW-Ⅱ」
の追加シリーズとして、片まひの方に安心してご利用頂ける「JW-ⅡC」を1999年6月1日より新発売致します。
「JW-ⅡC」は、脳血管障害等が原因で片半身がまひ状態となった方でも、車いすの右か左どちらか片方の車輪リムに力を加えるだけで、電気的に左右の車輪駆動力を同一にして直進機能を確保する制御機構が組み込まれたアシストユニットです。
ユニットは、すべての動力関係を収めた車輪、取付け用ブラケット、ニッケル水素バッテリー、専用充電器および介助用ハンドブレーキから構成されており、JW-Ⅱ従来シリーズ同様、お手持ちの車いすに装着することにより、簡便に電動補助機能が得られます。
なお、「JW-ⅡC」は4月15日から17日まで、インテックス大阪(大阪市住之江区)で開催される「バリアフリー99/第5回国際総合福祉機器展」に展示出品されます。
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ヤマハ 車いす用電装補助ユニット「JW-ⅡC」装着例
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名称 |
ヤマハ 車いす用電動補助ユニット
「JW-ⅡC」 |
発売日 |
1999年6月1日 |
初年度販 売計画 |
200台(国内) |
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製品の概要 |
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脳血管障害等が原因で片半身がまひ状態となった方が自分で車いすを操作する際には、片方の利き腕で車輪リムを回し、同じ利き足の腱で推進力を保持しながら操舵を行なうのが一般的で、通常の車いす操作とは異なる困難さがあります。
「JW-ⅡC」は、自分で車いすを操作し、積極的に活動をしていこうとする方やリハビリの方に好評の電動補助ユニット「JW-Ⅱ」の新シリーズとして、片まひの方にも快適で安全な車いす操作ができるよう数々の新機構が織り込まれています。 |
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片手の操作で直進が可能 |
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車いすの一連の操作を簡単、軽快に行なえるよう、内臓のPAS(パワーアシストシステム)のCPUプログラムを変更し、右か左どちらか片方の車輪リムにかけられた力を検知し、その反対側の車輪の駆動力が自動的に同一となるようにセッティングすることで、片手でも車いすを直進させることを可能としました。操舵に関しては従来通り、利き足の腱で行ないますが、アシストユニットの特性により、操舵等の外力をスムースに受け入れますので、方向転換の際も軽快さは損なわれません。 |
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下り坂でも安心のアシストブレーキ |
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「JW-ⅡC」では、自動車で言うエンジンブレーキ同様のアシストブレーキが効くようにもCPUセッティングが施されており、下り坂等では力を加えなければ進入時のスピード以上には速度が上がらないよう、安全を考慮しています。 |
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ニッケル水素バッテリーの採用 |
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新たに環境にもやさしいニッケル水素バッテリーを採用しました。充電1回当たりの航続時間は約2時間です。 |
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介助者用ハンドブレーキを装備 |
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下り坂でも安心の介助者用ハンドブレーキを装備しました。お手持ちの車いすにも容易にブレーキの装着ができるよう、車輪側にブレーキキットを組み込んであります。 |
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扱いやすいスイッチボタン |
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プッシュ式のスイッチボタンの採用により、簡単にパワーアシストシステムのオン、オフ操作ができます。 |
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仕様諸元表 |
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駆動方式 |
後輪直接駆動 |
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バッテリー |
ニッケル水素電池 |
操舵方式 |
左/右ハンドリム+腱操作 |
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バッテリ残量計 |
あり |
制動方式 |
手動車いすブレーキ+制動力アシスト |
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充電器 電源 |
AC100V~240V
対応 |
駆動車輪径 |
22インチ |
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充電時間 |
約2.5時間 |
車いす着脱方法 |
固定方式 |
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航続時間 |
約2時間 |
手動/電動切替 |
プッシュ式スイッチ切替 |
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補助速度範囲 |
前後進4Km/h未満 |
モーター |
定格出力24V 90W
x 2 |
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ユニット重量 |
17.2kg |
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※本仕様は予告なく変更することがあります
※航続時間は条件によって変わる場合があります |
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ご参考
車いす事業について
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当社では、現代の大きな社会的課題とも言える健康・福祉分野への貢献、高齢社会への対応の一環として、90年代前半より当社の持つ制御、駆動技術を応用した手動車いす用の電動ユニットの開発、シリーズ化に取り組んでまいりました。JWシリーズとしては、産業用ロボットの高度な制御技術を応用した手動車いす用電動ユニット「JW-Ⅰ」と「JW-Ⅰ」
を手動車いすに組み込んだ完成車「JW-ⅠB」、また「パワー・アシスト・システム」を応用した手動車いす用電動補助ユニット「JW-Ⅱ」があります。
「JW-Ⅰ」、「JW-Ⅱ」のユニット重量はバッテリーを含み、それぞれ15Kg、13.8
Kgと非常に軽量で、従来の電動および電動化手動車いすのネックともなっていた、持ち運び、自動車への積載等の困難さを解消すると同時に、ユニット装着状態での車いすの折りたたみも可能となっています。
また、シリーズの拡充として、本格的な電動車いす「JW-Ⅲ」を本年秋以降より販売開始予定です。この「JW-Ⅲ」は従来の電動車いすのイメージを一新したスタイリングに、軽量・コンパクトな車体設計、折りたたみも可能な新しいコンセプトの電動車いすです。
推定によると、現在手動車いすの年間需要は国内で約20万台、電動車いすの年間需要は約4,000台と言われており、高齢社会を反映して、その台数は増加傾向にあります。当社のJWシリーズの国内での販売台数も1996年度に900台、1997年度に2,000
台、1998年度は2,700台と順調に推移しており、本年1999年度は新たに投入される「JW-Ⅲ」を合わせて4,500台の販売を見込んでおります。 |
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メーカー希望小売価格 |
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ヤマハ
車いす用電動補助ユニット
「JW-ⅡC」
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310,000円(消費税含まず) |
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