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超軽量、折りたたみ可能・ニューコンセプトの電動車イス 「JW-III」を新開発

1998年10月29日発表

 ヤマハ発動機(株)は、11月4日より6日まで東京ビッグサイトにて開催される「第25回国際福祉機器展」に、新開発した電動車イス「JW-III」を参考出品します。
「JW-III」は手動車イスや電動化手動車イスを操作できない比較的重度の歩行障害者や高齢者でも安全、快適かつ簡単に操作できる電動車イスです。高い走行効率を具現化したスタイリッシュな車体と高性能小型軽量モーター、さらに環境にやさしいニッケル水素バッテリーの採用によって、総重量36kgという市販されている平均的な電動車イスの半分以下の超軽量化を実現しました。
 また、電動車イスとしては初めて、駆動部を取り外すことなく「折りたたみ」を可能とした設計により、持ち運びや自動車への積載を容易にすることができました。
今回参考出品する「JW-III」は明年夏頃発売の予定です。

 

ヤマハ電動車イス「JW-III」参考出品車



製品の概要

 ヤマハ電動車イス「JW-III」は総重量36kgという、現在市販されている平均的な電動車イスと比較して半分以下の超軽量化を実現しました。これは徹底して走行効率の向上を図った車体設計とモーター/バッテリーの小型・軽量化によるものです。
 また、駆動輪を座席下部つまり重心真下に、前部に揺動式の2輪、後部に2輪を配置した「前輪揺動6輪方式」を採用したことにより、走行安定性、段差乗越え能力が大幅に向上し、その場旋回やトラバース走行も可能となりました。
 さらに、電動車イスとしては初の、駆動部を取り外すことなく折りたたみを可能とする車体設計により、持ち運び、自動車等への積載を容易にしました。
 新開発の小型・軽量モーターは、環境にやさしいニッケル水素バッテリーとの組み合わせにより、フル充電で10km以上というトップクラスの連続走行距離も達成しました。
「JW-III」は、手動車イス用電動ユニット「JW-Ⅰ」でも好評の介助用操作部の装着も可能です。これは自走も介護走行もできるよう、一つの駆動系統に二通りの制御系統を配置したヤマハ独自の技術です。



車イス事業について

 当社では、現代の大きな社会的課題とも言える健康・福祉分野への貢献、高齢社会への対応の一環として、90年代前半より当社の持つ制御、駆動技術を応用した手動車イス用の電動ユニットの開発、シリーズ化に取り組んでまいりました。JWシリーズとしては、産業用ロボットの高度な制御技術を応用した手動車イス用電動ユニット「JW-Ⅰ」と「JW-Ⅰ」を手動車イスに組み込んだ完成車「JW-ⅠB」、また「パワー・アシスト・システム」を応用した手動車イス用電動補助ユニット「JW-Ⅱ」があります。
 JWシリーズの販売台数は販売を開始した96年に900台、97年に2,000台、98年は計画3,000台となっています。

 推定によると、現在手動車イスの年間需要は国内で約20万台、電動車イスの年間需要は約4,000台と言われており、高齢社会を反映して、その台数は増加傾向にあります。
 当社の現行のJWシリーズに今回電動車イス「JW-III」が加わることにより、電動車イス市場にもラインアップが広がることとなり、さらに多くの車イスユーザーへの対応が可能になります。


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