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業界最高水準のQFP搭載速度を実現しました ヤマハサーフェスマウンター『YV88X』を新開発

1998年10月12日発表

 ヤマハ発動機(株)は、全部品視覚認識方式中速汎用機のベストセラー
モデル「YVL88Ⅱ」を全面改良し、約15%の高精度化、約20%の実生産時間の高速化を可能とした上級モデル「YV88X」を新開発しました。
 「YV88X」は10月14日から幕張メッセにて開催される'98実装プロセステクノロジー展に出展されます。


yv88x.jpg (26702 バイト)

ヤマハサーフェスマウンター「YV88X」

名称

ヤマハサーフェスマウンター「YV88X」

発売日

1999年3月1日

販売計画

300台



製品の概要

 パソコン、携帯電話、PHS、時計、自動車制御、電子機器製品は更に多様化、高機能化、高密度化、小型化、軽量化、薄型化が進んでおり、それらに使われている電子部品の形態も多様化し、異形部品の種類も急激に増加しています。汎用表面実装機に対して市場からは、こういった電子部品の多様化、高密度化に対応出来るフレキシビリティと搭載精度アップ、大型部品の高速搭載、段取り時間の短縮等による実生産時間の短縮や稼働率の向上の要望が高まりつつあります。
 今回新開発した「YV88X」はこのような市場の要望や変化に対応するべく、現行モデル「YVL88Ⅱ」の全面改良を行い、部品搭載精度を約15%向上、実生産時間の約20%の短縮を可能としました。特にQFP(注1)、BGA(注2)1個あたりの搭載時間は従来比40%の短縮、0.9秒となりました。また、稼働率を上げるために、実生産における3大ロス時間(機械の空動き=無駄な動き、部品の補給のための停止時間、段取り替えのための停止時間)を徹底排除し、稼働率でも約10%の向上が期待できます。



製品の特徴

高精度・高密度搭載のための新機構

◎新設計の2種類のヘッド
 「YV88X」用として剛性を上げた新設計の2種類のヘッドを用意しました。双方とも2本構成のパラレルデュアルのレイアウトをとっており、QFP等の部品まで同時吸着を可能としました。
2種類の内訳は、ノズルチェンジ時間を実質0とすることにより実生産速度の向上を可能とする「フライングノズルチェンジ」を備えたタイプと、さらに剛性=精度を追求したスーパーファインタイプ。用途に応じ選択を可能としています。


◎デュアルYドライブの採用
 ヘッドが取り付けられているX軸ビームの整定性を高めるためにY軸用の両端に2本のボールネジを配置しました。これを実現する為に2本のボールネジの動きを完全に同期させる新しい制御方式を開発しました。この結果吸装着速度と精度が大幅に向上しました。

○全てのメカ部品を剛性アップ
「YVL88Ⅱ」でも評判の高かったモノコックフレーム等、機械の骨格となるメイン部品を全て見直し、高速、高精度に耐えられる様、剛性のアップ行いました。

○全ての分解能を2倍以上に
X,Y,Z軸に使用するエンコーダー(注3)の分解能を2倍に、R軸(回転軸)のエンコーダー分解能を4倍に、さらにビジョンシステムの分解能も現行の2倍に上げることにより、総合搭載精度を向上させました。



実生産時間短縮のための新機構

◎中型機初のフライングノズルチェンジの採用
従来の汎用機では、多種の部品を扱おうとするとノズル数が増え、頻繁にノズル交換を行う必要が生じ、その度にノズルステーションへの往復及び交換の時間がかかり、ロス時間となっていました。
「YV88X」では、ヘッド側にノズルチェンジの機構を取り付けることによって、ヘッドの移動中にノズル交換を行うことが可能になり、ノズルの交換時間は実質0となりました。
また「YV88X」では先般発表された「YV100X」に比較し、より広範囲な部品に対応するため、一つのフライングノズルチェンジャーのインデックス部分に格納できるノズル数を6個とし、より汎用性と高速性を高めています。

◎認識時のX、Y軸駆動にCP制御(注4)を採用
デジタルマルチカメラの採用により吸着から認識そして装着に至る動きの中で、経路の短縮と一時停止動作の排除を行い、ロス時間を徹底排除。
トータルの認識時間の大幅な短縮につながりました。

◎ノンストップ機能の拡大
従来のフィーダー交換時のノンストップ機能を、ATS(注5)やYTF(注6)にも採用。生産中であってもマシンを止めずに部品の補給を行う事が出来るので、機械の生産性が向上しました。
また、このATSを本体の後方に2基搭載することにより、交互にトレーを供給することが可能となり、トレー交換時間も実質0となりました。さらに、YTFのシャトルを2連式とし、従来の2倍の供給速度を実現しました。

○バックアップピンの自動設定
従来基板が変わる度にそれをバックアップするピンの位置を人手で変更していたのが、新開発のこの機能によりプログラム変更のみでピンが自動的に位置設定され、大幅に段取り時間が短縮されました。

○基板のバックアップ装置にサーボコントロールを採用
あらゆる厚みの電子基板に自動的に対応するために、サーボ式の自動バックアップ装置を採用しました。面倒だった段取り替えがプログラム変更のみで済むようになり、段取り時間の短縮につながりました。



汎用性・信頼性向上のための新機構

◎ビジョンシステムのグレードアップとデジタルマルチカメラの採用

①電子部品認識のための新開発の高分解能デジタルマルチカメラと新開発の高速画像処理装置『VICS3000』(注7)の組み合わせにより従来機種に比較して分解能が2倍、メモリー容量が4倍となり、0603極小チップから□32mmQFP0,3mmピッチ、ロングコネクタまで幅広い認識が可能となった、と同時に認識時間の短縮も可能となりました。

②CSP(注8)の連続認識を可能とする新照明システム(マルチアングル)を新たに開発採用しました。これにより、これまでマルチカメラではボールチェックを含めた認識が困難だった特殊なCSPも確実に認識できるようになりました。

③フィデューシャルマーク(注9)認識用のカメラにもマルチアングル照明を採用し、あらゆる形態のフィデューシャルマークに対応が可能となり、基板位置決め精度をより向上させる事ができました。



注1.

QFP:大型電子部品の一種(Quad Flat Packageの略)

注2.

BGA:大型電子部品の一種(Ball Grid Alley)

注3.

エンコーダー:位置検出器

注4.

CP制御:Continuous Passの略であり、連続複数点移動制御の意味。
円弧を描くような滑らかな移動を可能とします。

注5.

ATS:Yamaha Auto Tray Sequencer トレー自体をダイレクトにマウンターに供給する装置。

注6.

YTF:Yamaha Tray Feeder トレー上の部品をマウンターに供給する装置

注7.

VICS3000:Yamaha Vision Control System

注8.

CSP:メモリーモジュール等に使われる電子部品の一種(Chip Scale Packageの略)で、
近年用途も量も増加しています

注9.

フィデューシャルマーク:電子基板上にある位置補正用のマーク



仕様諸元


機種

YV88X

基板寸法

L457×W355mm (Max.),
または L50×W50mm(Min.)
L457×W435mm (Max.)

基板搬送方向

右→左、 Uターン (オプション:左→右)

装着精度

±0.08mm(チップ部品)   ±0.04mm(QFP部品)

装着タクト

0.35秒/個(チップ部品・レーザー認識)
0.55秒/個(チップ部品・マルチカメラ認識)
0.9秒/個(QFP部品・マルチカメラ認識)

設定装着角度

±180°、0.01°単位

部品品種数

・テープ品 94品種(Max., 8mmテープ換算)
・トレー品 80品種(Max., YTF使用時)

部品供給形態

8~56mm幅テープ品、スティック品、バルク品、トレー品

実装部品可能寸法

・0603~□32mm部品、ロングコネクタ(マルチカメラ)
・□32mm部品~□54mm部品(エリアーCCDカメラ)
・搭載可能高さ:標準15mm (スーパーファインヘッド20mm)

ポイントデータ数

2,560ポイント/基板(トータル25,000ポイント)

外形寸法

L1,655×W1,408×H1,850mm

重量

約1,450kg



メーカー希望小売価格

ヤマハサーフェスマウンター「YV88X」

未定


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