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重要観光地域の環境保全をサポート ヤマハ『パス』が京都のレンタサイクルで稼働

1997年12月03日発表

 ヤマハ発動機(株)は、このほど京都・嵐山嵯峨野地域のレンタルサイクル業者に対し、合計60台の電動ハイブリッド自転車『パス』のモニター貸与を開始しました。
 これは、排気ガスや騒音を低減させ文化遺産保護を積極的に進める京都市が、当地のレンタルサイクル業者に電動ハイブリッド自転車の導入を要請していることに呼応したものです。



観光都市・京都で利用されている「パス」
(レンタサイクル)


 京都・嵐山嵯峨野地区は、世界遺産条約対象寺院の天龍寺などのある観光地区ですが、観光交通流入による排気ガス、騒音、交通渋滞等が著しく、これを解消することが特に望まれています。京都市では、排気ガスや騒音を低減させ文化遺産を保護するとともに、観光地としてのイメージアップを図ることを狙いに、同地区の「低公害車優先地域」指定を検討しています。
 この検討・計画活動の一環として、京都市が専門法人に依頼した調査結果では本年3月「同地区を通過する市バス・京都バスをはじめ、近隣タクシー会社、保育所・幼稚園・老人ホームの送迎などに各種低公害車を集中導入し、最終的には同地区内の一定地域をガソリン車およびディーゼル車の侵入を禁止する低公害車フリーゾーンを設けることも可能である」というレポートも提出されています。

 また京都では、本年12月1日(月)から10日(水)の日程で地球温暖化防止京都会議(COP3)が170カ国以上の参加代表・国際機関など約5000名の参加を得て開催されています。京都市では、上記の「フリーゾーン」案及びCOP3を契機に、COP3開催市としての環境問題への具体的取り組みとして、レンタルサイクル業者に電動ハイブリッド自転車の採用をこのほど要請しました。これに応えヤマハ発動機(株)は電動ハイブリッド自転車『パス』をモニター貸与することで京都市へ協力することとなりました。

 電動ハイブリッド自転車『パス』が導入されているのは、嵐山嵯峨野地区にある以下の4業者。
・嵐山サイピック(西京区嵐山西一川町・阪急電鉄嵐山駅前)
・レンタサイクル京都(右京区嵯峨天龍寺造路町・京福電鉄嵐山駅近く)
・嵯峨野観光鉄道(右京区嵯峨天龍寺車道町・JR嵯峨嵐山駅前/トロッコ嵯峨駅前)
・嵐山レディースホテル(右京区嵯峨天龍寺造路町・京福電鉄嵐山駅ビル)
各業者には、『ニュー・パス24インチ』と『パス・スタークロス』の2機種が配置され、観光客らの足として利用されています。導入台数は嵐山サイピック20台、レンタサイクル京都/嵯峨野観光鉄道がそれぞれ15台、嵐山レディースホテル10台の合計60台となっています。

 嵐山嵯峨野地区は広い地域内に著名な寺院が点在し、丘陵も多い観光地域です。従来のレンタサイクルでは上り坂などで負担が多いという声も一部にありましたが、『パス』の導入後はその「楽さ」に人気が集まっています。
「『パス』のような移動手段があれば、わざわざクルマで来る必要性を感じない。鉄道とレンタサイクルの『パス』を組み合わせて存分に観光を楽しめる」(26歳・女性)
「道が狭い嵐山嵯峨野地域では、侵入してくるクルマが渋滞の大きな要因になっています。渋滞の解消と歩行者への安全面からも自転車は有効。とくに『パス』のような電動ハイブリッド自転車は利用者側にも負担が少なく、気軽に利用する気になれる」(32歳・女性)などの声が寄せられています。


電動ハイブリッド自転車・ヤマハ『パス』
ヤマハ発動機(株)が世界新商品として発売した、電動ハイブリッド自転車。「ペダルを踏む力」と「速度」をセンサーが感知し、必要に応じた推進力をモーターがサポートします。漕ぎだし時や上り坂、向かい風、重い荷物を積載したときなど、ペダルにかかる荷重に比例してモーターの補助動力も増えます。ただし、車速が速くなるにつれて補助動力の力は減少し、一定速度に達すると人力だけで走行するようになっており、スピードが出すぎる心配はありません。現在、『パス』は7機種をラインナップしています。なお、『パス』のパワーユニットは日本をはじめ欧米自転車メーカーにもOEM供給、今年生産累計25万台を達成しています。



嵯峨野・化野念仏寺への参道をレンタサイクルで走る観光客
(ニュー・パス24インチ)



京福電鉄嵐山駅・レンタサイクル京都店頭
(パス・スタークロス)


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