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ヤマハガスヒートポンプエアコンのエンジン排熱回収システム 「Y-HOT」が第29回市村産業賞貢献賞を受賞

1997年04月08日発表

 ヤマハ発動機株式会社では、同社のガスヒートポンプエアコン(GHP)のビル用マルチMシリーズにエンジン排熱回収システム「Y-HOT」(ワイホット)を採用していますが、同システムがこのたび第29回市村産業賞貢献賞を受賞しました。

 「市村賞」は、三愛グループの創立者である故市村清氏の遺志によって創立された財団法人新技術開発財団(市村財団)の運営によるもので、毎年優れた新技術の開発業績を審査し、決定する賞です。同賞には、実用化された新技術に対して贈られる「市村産業賞」と学術研究に対し贈られる「市村学術賞」があり、第29回目を迎えた今回は、「市村産業賞」として8社、「市村学術賞」として7団体がそれぞれ受賞しました。今月25日、東京・経団連会館において贈呈式典が行なわれる予定です。

 「Y-HOT」は、ヤマハ発動機(株)が独自に開発した高性能熱交換システムです。エアコン運転時、冷媒温水熱交換器にエンジン排熱を流して冷媒に熱を吸収させ、冷媒の蒸発熱量として利用する高性能コンパクト熱交換システムで、外気温度低下時でも安定した冷暖房能力を確保します。
これにより、電気エアコン最大の欠点である外気温度低下に伴う暖房能力の低下という特性を覆し、逆に暖房能力が向上する特性を可能にしました。暖房時において、標準仕様で外気温度マイナス5℃まで、寒冷地仕様でマイナス20℃まで定格の110%の暖房能力を発揮できます。
また寒冷地の冷房運転時においては、これまでは、外気温度低下時でも室内冷房が必要な電算機室のようなところで十分使える空調システムがありませんでしたが、「Y-HOT」のもう一つの特長としてマイナス10℃までの低外気温時でも安定して冷房運転が可能になりました。

 ヤマハ発動機(株)は、電動ハイブリッド自転車ヤマハ「パス」においても、平成7年第27回市村産業賞で今回と同じ貢献賞を受賞しています。



従来型熱交換器とY-HOTの比較



従来の二重管方式は、配管の途中で液冷媒が蒸発しガス化することにより熱交換効率が低下します。しかし、Y-HOTシステムはアキュムレータ内に温水配管を折りたたむことにより、温水と液冷媒の熱交換効率をいつまでも高いまま一定に保つことができます。したがって、低外気温時に定格の110%の暖房能力を発揮できます。



GHPとは?

 GHP(ガスヒートポンプエアコン)とは、ガスを燃料とするガスエンジンでコンプレッサーを駆動し、冷房・暖房をおこなうヒートポンプタイプのエアコンをいいます。
一方、電気方式のEHP(電気ヒートポンプエアコン)はモーターでコンプレッサーを駆動して、冷房・暖房をおこなうヒートポンプタイプのエアコンです。



GHPの特長

1)ガスエンジンの冷却水・排気ガスの熱でエネルギー(排熱)を有効利用することによる高い暖房能力があります。GHPでは熱交換器で、冷却水・排気ガスの熱を冷媒に伝えます。
それにより、以下のようなEHPにはない大きなメリットがあります。
1.暖房の立ち上がり(吹き出し温度の上昇)がはやい。
2.外気温が下がっても暖房能力の低下が少ない。
3.除霜運転による吹き出し温度の低下が少ない。


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