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ヤマハ発動機株式会社 Revs Your Heart

早春の浜名湖で繰り広げられたジュニアセイラー達の熱い闘い 第5回J.M.P.F.ジュニアチャンピオンレガッタ

1997年03月30日発表




主 催

:(財)日本マリンスポーツ普及教育振興財団

場 所

:ヤマハマリーナ浜名湖(静岡県湖西市)

日 時

:1997年3月27日(木)~30日(日)

参加数

:26クラブ/75名

(ミニホッパー級=14名/シーホッパー級SR=61名)


ジュニアセイラーが腕を競う春のビッグレース
北海道から鹿児島まで75名が参加

毎年、子ども達の春休み期間中に開催されているヨットレース「J.M.P.F.ジュニアチャンピオンレガッタ」が、今年も3月27日(木)から30日(日)の4日間にわたり、静岡県湖西市のヤマハマリーナ浜名湖において開催されました。
参加資格は、昭和54('79)年以降の生まれで、全国のジュニアヨットクラブ、ヨット連盟などから推薦を受けた者で、今大会には、北は北海道・小樽から南は九州・鹿児島まで全国から26クラブ75名の選手が集い、熱戦を繰り広げました。
競技クラスは、一人乗りディンギー(小型ヨット)のミニホッパー級(全長3.43m)とシーホッパー級SR(全長4.24m)の2クラス。ミニホッパー級には小学6年生から高校1年生の14名が、シーホッパー級SRには中学2年生から高校3年生の61名がエントリーしました。
シーホッパー級SRは、'94年から国体ヨット競技の少年種目に採用されているため、選手はもちろん、各都道府県のヨット連盟など関係者が大いに注目、強化しているクラスです。「国体は出場枠が1名と限られているので、このジュニアチャンピオンレガッタの方がレベルも高く、本当のチャンピオンが決まる大会だと思う」と参加選手達の意識も高いものとなっています。




成長めざましい高校生セイラーが活躍したシーホッパー級SR

そのシーホッパー級SRのレースコースは、全7レースのうち第1~3レースに台形コース、残り4レースにオリンピックトライアングルコースが採用されました。 
大会初日となった28日(金)は、晴れ・南の風3m/sというコンディションのもと、予定されていた3レースを実施。栄楽洋光選手(17歳/玄海セーリングジュニアクラブ)と永井久規選手(17歳/愛知県ヨット連盟ユースチーム)の2名が同点で首位につけました。
栄楽選手は昨年の全日本シーホッパー級SR選手権で初出場ながらチャンピオンとなった、注目のニューヒーローです。栄楽選手が所属する佐賀県の玄海セーリングジュニアクラブは、これまでにも多くのジュニアセイラーを輩出しており、彼らの大先輩であるアトランタ五輪・銀メダリスト重由美子/木下アリーシア両選手も指導にあたっています。また、同クラブは大会期間中、宿をとらずにマリーナ施設内でテント生活を送っていました。引率コーチによると「遠征費用を節約し、少しでも数多く遠征してレース経験を積ませたい。もちろん精神面を鍛えるという目的もあります」とその話しぶりにも熱心さがうかがえました。
翌2日目は第4・5・6レースが行われましたが、東の風3~5m/s・曇りのち雨と天気がくずれ、第6レースは雨中での闘いとなりました。
初日、同点首位につけていた永井選手は、第4レースで33位と大きく順位を落とすものの、続く第5・6レースで1位と持ち直し、単独首位の座をキープしました。
レース経験豊富な永井選手は、このジュニアチャンピオンレガッタにも'94年の第2回から連続出場、初出場の第2回大会ではミニホッパー級で優勝しています。「今年に入ってから、この大会に照準をあわせ練習してきました。33位というバクダンを抱えてしまいましたが、明日次第。まだまだ優勝を狙います」と熱く意気込みを語っていました。
一方、ディフェンディングチャンピオンの長谷川航選手(17歳/琵琶湖ジュニアヨットクラブ)は、初日の第3レースでリコールとなり21位と大きく出遅れましたが、2日目は2-5-7と安定した走りで4位につけました。「調子はあまりよくありません。風も吹かなかったし、体重が増えたことがマイナス原因かな?」と言いながらも、ライバル・永井選手を意識し、残された最終レースに逆転の闘志を燃やしていました。


強風吹き荒れた最終日 
永井選手が逃げ切り総合優勝に輝く

大会最終日の30日(日)は、青空がひろがり晴天に恵まれました。しかし、浜名湖は朝から6~14 m/sの強風が吹き荒れ、軽量選手・女子選手にとっては厳しいコンディションとなりました。
第7レースは予定通り行われましたが、リタイアする選手が続出、レスキュー艇がフル稼働で救助にあたりました。前日、女子のトップで総合でも8位につけていた清水里香選手(17歳/玄海セーリングジュニアクラブ)も、このレースでリタイア、マリーナに帰着後「風が強く、沈してからどうしても起こせませんでした。これで女子の順位もかわってしまうのでは…」と話していました。
そんな状況にも拘わらず、上位陣に大きな変化はなく、永井選手がトップで逃げ切り見事'97年チャンピオンの座に輝きました。「やれるだけのことはやってきました。その自信が優勝に結びついたのでうれしいです」と優勝の喜びを語っていました。
女子の部では、2・3位につけていた選手もリタイアとなったため清水選手がそのまま1位となりました。
本大会のレース委員としてSRクラスのレースを見ていた小松一憲氏は、「アウターリミットからスタートを見ていましたが、高校3年の選手たちは、ジュニアのレースとは思えないほどレベルが高いです。大人の中でも十分に闘える力を持っています。国体を狙っている選手も、今日のような強風でフィニッシュできたことは良い経験になったと思います」と健闘した選手たちを賛えていました。


ミニホッパー級は
山中湖中学校ヨット部の高村勇輝選手が優勝

中学校ヨット部やスクールの子ども達が多く参加したミニホッパー級は、全14艇により7レースが実施されました。
軽風~中風~強風と変化のある風の中、見事優勝に輝いたのは高村勇輝選手(山中湖中学校ヨット部)。「今回はスタートがよかったです。2月末から12月までは毎日練習、冬場は筋力トレーニングをしています」と話してくれるそばでは、同じヨット部の仲間たちが祝福の声をかけていました。
また、初出場選手も「競争するのはおもしろい。来年も参加したいです」(町田和彦選手/J.M.P.F.ジュニアヨットスクール葉山)、「緊張しました。OP級からミニホッパー級に乗りかえたばかりで、風の受け方が違いました。今後の目標はこの大会で入賞することです」(黒瀬一詩選手/福岡ジュニアヨットクラブ)などと話しており、それぞれ価値のある大会となったようです。
まだ、あどけなさの残る選手たちだが、同じクラブの仲間たちと助け合い、励まし合いながらレースに参加している。こうした経験が選手として一回りも二回りも成長させていくのでしょう。
各選手の今後の活躍と、来年の大会での再会が楽しみです。



成績

シーホッパー級SR (参加:61艇)

<総合の部>

1位

永井久規(高3/愛知県ヨット連盟ユースチーム)
1-1-6-33-1-1-1

2位

長谷川 航(高3/琵琶湖ジュニアヨットクラブ)
3-1-DSQ-2-5-7-2

3位

中川紘司(高3/琵琶湖ジュニアヨットクラブ)
2-2-5-5-12-3-4

<女子の部>

1位

清水里香(高3/玄海セーリングジュニアクラブ)
12-10-2-35-3-8-DNF

2位

磯崎ゆう(高1/神奈川ユースヨットクラブ)
13-10-9-4-20-16-RET

3位

大嶋 環(高1/神奈川ユースヨットクラブ)
19-9-8-3-25-10-RET

 

ミニホッパー級 (参加:14艇)

<総合の部>

1位

高村勇輝(中3/山中湖中学校ヨット部)
2-1-3-5-1-1-RET

2位

柘植安理紗(中2/山中湖中学校ヨット部)
1-2-1-6-2-5-DNF

3位

井上里紗(高1/J.M.P.F.ジュニアヨットスクール葉山)
5-4-4-7-7-4-5

<女子の部>

1位  

柘植安理紗(中2/山中湖中学校ヨット部)
1-2-1-6-2-5-DNF

2位

井上里紗(高1/J.M.P.F.ジュニアヨットスクール葉山)
5-4-4-7-7-4-5

3位

栄楽敬子(中3/鹿屋海洋スポーツクラブ)
8-6-6-1-9-6-3

<小学生の部>

1位

鈴木晶友(小6/テーザー稲毛フリートジュニア)
4-5-2-8-10-2-DNF

2位

宮田真伍(中1/J.M.P.F.ジュニアヨットスクール浜名湖)
10-8-10-2-3-3-DNF

3位

大竹真帆(中1/ J.M.P.F.ジュニアヨットスクール葉山)
14-11-7-10-6-13-DNF

※上記の学年は4月からの新学年です。


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